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黒く滾る炎  作者: tkkosa
1/12

その0



○登場人物

  大田恵一・おおたけいいち(タクシードライバー、野望を携えて生きる野心家)

  片柳彩子・かたやなぎあやこ(モデル、今どきの十代で分かりやすい性格)

  久留米雀・くるめすずめ(女優、誰もが一目置く大物)

  野木晃彦・のぎあきひこ(大田の学生時代の同級生、既婚で子供もいる世帯主)

  柴村忍・しばむらしのぶ(週刊誌記者、久留米の連載を担当している)

  亀谷右京・かめやうきょう(刑事、大田と過去に接してから後を追い続けている)

  光村沙耶・みつむらさや(キャバクラ嬢、名の知れた有名店でナンバーツーを誇る)




 男の瞳は黒く燃えていた。

 深き野望に心根を狂わし、乾いた時代への勝利に執念を尽くす。それが生き様、それ

だけが。

 優しさなんていらない。同情も、生温い感情も。沁みったれた情動など願い下げだ。

金、それこそがこの心を満たしてくれる。

 俺はその全てを手に入れてみせる。この手がどんなに汚くなろうとも。だって、そい

つらを手にするのは欲望に溺れた不浄な人間だけなんだろ。なら、俺は喜んでこの身体

を汚してやるさ。この心にある天使を悪魔と取り引きしてでも、俺は勝ってみせる。負

け犬の遠吠えなんて、真っ平ごめんだ。この正義の薄れた大地へ勝利の雄叫びをあげて

やる。

 眼前に拡がる水平線にこの先の未来を映し、昇りくる朝陽に己を置き換えた。生きて

やる、炎立つ情念のうごめく社会を。我欲にまみれた利己的な人間たちを負かし、その

頂点であざ笑ってやる。そして、地べたを這って命を乞う敗者へこう言ってやるのさ。

 「何を言ってるんだ。俺はお前らと同じことをしただけだ」

 勝ち続けてきた連中は敗者になり、初めてその気持ちを理解する。それまでに、どれ

だけ俺のような敗者を蔑んできたのかも。ただし、そこで知ったところでもう遅い。悪

に染まった俺には負け屑の相手などしてる暇はない。屑は所詮は屑でしかない。過去の

栄誉など意味を持ちはしない。なぁに、気落ちなんかしなくていい。お前らが前に俺に

してきたことじゃないか。お前らには気落ちする資格さえない。ただ暗く淀んだ日々に

心を擦り減らせ、やがて消滅すればいい。消えたことすら気づかれないままに。

 昇りつめてやる、この乾いた時代を。俺はそれに値するだけの人間だ。今までに俺が

どれだけの悪魔と契約してきたことか。見てろよ、俺を卑下してきた屑ども。お前らの

鼻を完膚無きまでに折れ曲がらせてやるから。



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