6話目
【アオフベーシン】の世界では高レベルの生産スキルの中に「テクスチャー」というものがある。
これは装備の素材に合わせた塗料を使用して武器や防具に落書きが出来るシステムだ。ただし元々ワンポイントとしてマークを描くためのお遊びスキルとして作られたため、○△□☆などの簡単な記号しか存在しない。無論フリーハンドで線など引ける訳もないのだ。一応マークにぼかしは付いているが。
ここで一つ皆さんに確認したい。
「Forza Motorsport」というカーレースゲームをご存知だろうか。
知らない方はぜひ「痛車」「ゲーム」のキーワードで検索してみて頂きたい。
今紹介したゲームは、凝り性な奴ならば、上記にあるような記号のみでアニメのイラストや、メーカーロゴの作成が可能なのである。
代償として、ドM精神と、無駄に凄い作成計画と、時間を要するが。
まあここまで話せば大概の方は察しが付くかと思われるが、俺はこのゲームで似たようなドM精神を発揮した訳である。いや他の人に比べれば大した事ねーけどさ。
そんな訳で俺は「NEET」と無駄にスタイリッシュにかっこよくデカデカとプリントされた鎧を見て、自分がゲーム世界に来たことに気付き、現在頭を抱えている訳である。
今までなんで気付かなかったのかと思ったが、基本的にプレイヤーの視点は斜め上からの角度だし、マイキャラクターも背後を向いている訳だ。視点が全く違う。
何より自分がネトゲ世界に入ったなんて非現実的な状況に誰が行き着くか。漫画じゃあるまいし。と言うことだ。多分。
そんな事を自分に言い聞かせ、俺はこれからの事を考えることにする。取り合えずどうしたものか。
もしこれが2次創作的展開だったら俺自身が選べる展開は大体2種類だ。
1、メインキャラと遭遇して、俺が強ければ先導、弱ければ彼等に寄生・・・じゃない協力してもらい帰る術を探す。
2、メインキャラとの遭遇を極力回避して、帰還方法を探す、または現実に帰るのを諦め細々と生活を送る。
この2つだ。
1の場合大概キャラ達と仲良くなって、帰るまでの葛藤があったり、おにゃの子ならフラグが立ってついでに永住フラグだったり。
2の場合は帰還方法を探すと高確率でキャラとブッキングし逃げようとして追われ、色々とフラグが立ち、
諦めると遭遇率は下がるし結構ほのぼのと生活できる確率が高い。というのが結構俺の読んだ2次創作では多いパターンだと思う。
・・・2次創作好きだよ文句あっか。
ついでに言うとトリップモノは当事者になると本気で洒落にならないことがよく解った。特に何の説明も無く飛ばされた時は。
取り合えずそれは置いておいて、俺はこのあとどう身を振るべきか・・・しかしよく考えるとネトゲのメインキャラって普通に考えれば自分自身だよなぁ?
何この初っ端から詰んだ感。
せめてここに送ってきたチート与えてくれる神様とか、都合よく出てくるコイツの知り合いとかがいれば・・・!!
「誰か説明しる・・・」
俺の声は誰もいない部屋に虚しく響いた。




