3話目
1階にも人の気配はなく、それでもこんな状況に陥ったことの無い俺は部屋の入口のある場所をキョドキョドと見ながら玄関と思しきドアに手をかけ開いた。
すんなりと扉は開き、草の生えた青々しい庭が見えた。
すっと隙間に体を通すように外に出て、またゆっくりと閉め、俺は全力で庭を駆け抜け森の中に飛び込んだ。
道と思われる所の数メートル先に潜み、木にもたれ掛かりながらしゃがみ込み、潜めていた息を一気に吐き出した。
「・・・っはぁ!はぁっ!」
死ぬかと思った!なんかもういろんな意味でダメかと思った!!よかったあああああああああ!!俺生きてるううううぅぅ
俺は生きている事への喜びと抜け出したことへの達成感でハイになった。ガチでフヒッ!!ブヒヒッ!!!などと音を立てながら息を調える。
そしてヒュウヒュウ鳴っていた呼吸が落ち着いた所で深呼吸し直し自分の現状に気付いて愕然とした。
森の中の、別荘。
ここは一体、どこなんだ?
ここに来て何度目かのフリーズをしかけた所ではっと閃く。
そうだ!携帯!!!
そう思いポケットを確認しようと目を自身に向けた俺はまた驚くことになった。
ムッキムキ・・・!何だよこのガチムチボディ!!!
高校生で剣道を辞め、ろくすっぽ運動をしていなくてヒョロヒョロになっていた俺の体が見たことも無いほどムキムキだったのである。
取り合えず自分の体が本物かペタペタと触ってみる。
まごう事なき筋肉で、更に俺の体である。キーボードばかり打っていた小綺麗な指はぶ厚い皮で守られた超ごっつい指になっている。そんな指で顔に触れ、輪郭を確かめてみる。
俺の顔は日本人特有の、彫りの浅い鼻も大して高くないそれは面長で鼻は高く彫りも深い、西洋人のようなそれになっていた。




