プロローグ編070/【斉縁 空琉サイト0】/【コミュニケーション】の練習8
【フェイバリット・トレジャーミュージアム】の企画も大成功した。
次は、【予言再現】だ。
色んな単語が書かれた紙がたくさん入っている【箱】が3つあり、それをお客さんに1つずつ引いてもらう。
それで出た【3枚の紙】に書かれた【3つの単語】で文章を作り、それを【予言】として、その日の内に、【空琉】が実現するという企画である。
【空琉】はそれを説明し、既にたくさんのファンが出来ていて集まってくれていた【ファン/お客さん】に引いてもらおうと思った時、
「【空琉ちゃん】、うちらも【単語】入れたいんだけど。
駄目かな?」
とお客さんの1人に言われた。
【空琉】は、
「え?
・・・そ、それは・・・」
と言って躊躇する。
一瞬、【エッチな単語】とか入れられて、【空琉】が実現する事が難しくなる可能性が高くなると言うリスクが頭をよぎった。
だが、そう言うリスクがある方が【お客さん】も盛り上がると言うのは彼女も理解している。
だから、少し考えて・・・
「あんまりエッチなのは困りますよ?
それでも良ければ・・・」
と言った。
すると、
「【下着】はエッチに入りますか?」
「【キス】とかは?
【投げキッス】くらいならセーフですよね?」
「【ハグ】は?
お触りはやっぱりNGだよね?」
「【シェイクハンド】。
【握手】は?」
「【拍手】なら良いかな?
【空琉たん】に褒めてもらいたいなぁ~僕」
「【サイン】書いてもらうのは?」
「一緒に写真撮ってもらうのは?」
「私、動画が良い」
「にらめっこは?」
「好きだよって言ってもらいたい」
「俺の名前を呼んで欲しい」
「顔近づけたい」
「肩組みたい」
「腕相撲したい」
「拝みたい」
「占って欲しい。
【くーりん】と私の相性占い」
「【くーちゃん】って呼んで良い?
それより、【空琉ちゃん】のニックネームは何て呼んだら良いのか決まってないんじゃない?
【空琉ちゃん】は私達に何て呼んで欲しいの?」
「待て待て。
質問攻めにするな。
彼女が困っているだろ?
俺が代表して・・・」
「何でお前なんだよ。
それなら俺の方が・・・」
「じゃんけんで決めようよ」
「いや、くじ引きが」
「待て待て待て。
勝手に決めるな」
「お前も仕切るな。
僕が仕切る」
「なんでやねん」
と言った感じで、色んな人が話しかけて来た。
それを見ていた【空琉】は、今まで【殊深】に対して、
【パズルプログラム】、
【フェイバリット・トレジャーミュージアム】、
【予言再現】、
だけでは全然勝てないと思っていた。
だが、蓋を開けてみたら、どの企画も大好評と言えるものばかりだった。
最低でも後、4つ・・・
7つは考えないといけないと思っていたのだが、この調子なら・・・と思う様になっていた。
最終的には7つは考えたいと思っているが、今の所は先に考えついたこの3つの【企画】を軌道に乗せる事の方が重要では無いかと思う様になっていた。
いきなり全部用意しても1つ1つの【企画】がおろそかになってしまう。
それよりは、まずは、
【パズルプログラム】、
【フェイバリット・トレジャーミュージアム】、
【予言再現】、
と言う3つの【企画】をやって、お客さんになれてもらったら、1つずつ、【新企画】を増やして行った方が結果としては良いのではないかと思う様に至ったのである。
何より、今までの不安要素だった、【コミュ障】が少し改善して来た感覚を持てるようになっている。
まだ、完全に克服したとは言えないけど、【他人が怖い】と言う感覚は薄れて行っている様な気がした。
それは一度、泣いた事とそれを励ましてもらった事が観客の温かさを知る、肌で感じるきっかけになり、少し打ち解けた様な気分になった事に起因する。
観客が怖く無ければ、彼女は本領を発揮出来る。
彼女は元々才能がある。
【コミュ障】と言う足枷が無くなれば、彼女は羽ばたけるのである。
【天才少女】/【空琉】。
彼女が覚醒を始めた。
彼女はもう、他人に怯える事はない。
自信を得たのであった。
こうして、彼女の【コミュニケーション】の練習は上手く行ったのである。




