プロローグ編059/【花畑 殊深サイト0】/【殊深ちゃんの物知りになろう】8
【殊深】と【瑠璃帆】が出ている番組を見た【上原 咲穂】が【殊深】に、
「【殊深】・・・
ちょっといいかい?」
と声を掛けた。
【殊深】は、
「はい、なんでしょうか?」
と聞いた。
「あんたの番組、見させてもらったよ」
「ありがとうございます」
「聞くけど、あれで、【パフォリス】としてやって行くつもりかい?」
「はい。
色んな専門家にお話をお聞きして【表現】しようと思っています」
「そうかい・・・
なら、ちょっと見直した方が良いかも知れないね。
あれじゃ不快に思う人が出るかも知れない」
「え?
それはどういう事でしょうか。
【殊深ちゃん】、何か気に障る事とかしましたか?」
「いや、あんたは悪意があってやっていないのは百も承知さ。
ただね・・・【唯価値遺産マニアッカー】の回を見る限りじゃ、ちょっと不味いと思うことがある」
「それは何でしょうか?
教えていただけませんか?」
「あぁ、もちろん。
それを指摘しに声を掛けたんだ。
あんたの事前の勉強は見事だったよ。
専門家も舌を巻くような知識だった。
本当に凄かった。
あんたが専門家と言っても過言じゃないレベルだったよ」
「ありがとうございます」
「お礼を言うのは早いよ。
・・・だけどね・・・
あれじゃ、駄目なんだ・・・」
「え?
どうしてですか?」
「知りすぎているんだよ。
・・・あんたも」
「えと・・・
どういう事でしょうか?」
「専門家はあんたに知識を伝えたいと思ってオファーを受けて居るんだ。
そのあんたが、何でも知っていたら、専門家の意味がない。
つまり、あんたは事前の勉強でガイドの仕事を奪って居るんだ。
もっと酷な言い方をすれば、あんたは知識で相手にマウントを取ってしまっているんだよ。
それじゃ、今までは良かったかも知れないけど、面白くないと思う者が出て来やすいんだよ。
聞く立場の人間はあくまでも知らないと言う体で話さなきゃ駄目なんだよ。
それが番組を作るって事だ。
専門家を立てなきゃならないんだよ。
馬鹿正直なあんたにウソを付けと言っても難しいだろう。
ウソを付くことに罪悪感を感じるだろうね。
だから、言っちゃなんだが、その・・・
【殊深ちゃんの物知りになろう】だったね。
これはあんたには向いてないんだよ。
あんたは何でも必要以上に出来すぎるんだ。
下手したら専門家を超えてしまう。
そしたら専門家達は立つ瀬が無いんだよ。
悪気があってやっている事だとは言わない。
あんたは本当に心がまっすぐでピュアだからね。
良かれと思ってやっているんだろう。
だけど、綺麗なままじゃ駄目な事もある。
あんたの溢れる才能はインタビュアーには向いてないんだ。
【パフォリス】となった時、その不具合が必ず出てくる。
だから、悪いことは言わない。
それをメインでやるのはおやめ。
違う【表現】を見つけるんだ。
せっかく、見つけたあんたの【表現】を否定する事になって大変申し訳ないとは思うけど、あんたのためなんだ。
あんたが傷つく前に、方向転換しな。
【殊深ちゃんの物知りになろう】をやるなとは言っていない。
やりたかったらやればいいさ。
だけど、【パフォリス】として【表現】するのはおやめ。
あんただけじゃない。
あんたの番組に協力した人間達も傷つくこともある。
あんたは優しい良い子だ。
本当に無垢な存在だと思う。
何度も言っているけどね。
私はぶりっ子は嫌いだ。
だけど、あんたは別だ。
あんたは筋金入りのぶりっ子で振り切っている。
そう言うやつには私は敬愛するし協力は惜しまないつもりだ。
だからさ・・・あんたが将来、傷つくことがわかっていてそれを見のがす事はしたくないんだよ。
あんたは黙っていても色んな才能が溢れている。
だから、今の内にメインの【表現】を変えるんだよ。
あんたを傷つけようと思って言って居るんじゃない。
あんたを守りたい親心から言っているつもりなんだけどね。
私の忠告を聞き入れては貰えないだろうかね?」
「ありがとうございます【咲穂おばさま】。
【殊深ちゃん】が誰かを傷つけると聞いては変更しなくちゃですね。
考えてみます」
と言う話になったのだった。




