24話 眷属
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ある日、仕事もないので草原を散歩していた。
風が心地いい。
今まで色んなことがあったな…。
アルフさんと出会って、青葉と再会して、
メリアさんに嫌われ、好かれて、えまや白くんとも再会して…。
他にも色んなことがあった。
サイネさんにも再会できた。あれからえまに内緒で
一緒に遊んでいたりしたんだよね。
…藻部さん…雨宮先輩とも再会できたな。
…先輩、どうして記憶を失ってしまったの…。
そう考えていると、いた。藻部さんが。
藻部「涼音さん、何だか久しぶりだね!元気にしてた?」
あぁ、本当に全部忘れてるんだな…。
涼音「げ、元気だよ、そちらも元気そうだね…」
あれから私と藻部さんは軽く世間話をした。
もうこのくらいでいいだろう。
涼音「ごめんなさい、こんなことする私を許して…。」
私は前にマリアさんから
買った前世の記憶を取り戻す魔法を藻部さんにかけた。
藻部さんはしばらく硬直する。
涼音「…雨宮先輩、思い出しましたか。」
藻部「…思い出したけど…。」
涼音「あなたの名前は?」
雨宮「おれは…雨宮和輝。」
涼音「前世でしていた仕事は?」
雨宮「オフィスでパソコンを使う仕事をしていた…」
涼音「…好きな人はいた?」
雨宮「…なんでここで出会ったばかりの
涼音さんに言わなきゃならないの?
てかなんでおれの名前知ってるの?」
涼音「別にどうだっていいじゃん。
他人だから言えることがあるでしょ、ほら、言ってみて?」
私はじりじりと先輩との距離を詰めていき、
私達はお互いの唇が
くっつきそうなほど、距離が近くなっていた。
雨宮「な、夏森さんって人だよ…おれの後輩で…」
涼音「そうですか」
私は先輩から少し離れ、カミングアウトする。
涼音「私、その夏森ですよ、夏森涼音。
あなたと同じで死んでここ(エスケープ)に来たんです。
私の死因ならきっと知ってると思います。
涼音だけで勘付いてほしかったですよ。」
雨宮「っ!おれが記憶ない頃から全て分かっていたの?!」
涼音「そりゃあもちろん。私のこと好きだったことも。」
先輩は信じられないと、恥ずかしがりながら顔を隠した。
雨宮「ご、ごめんね、先輩後輩の関係なのに
異性として見てしまって…」
涼音「いいんですよ、私は先輩の気持ちに
応えようと思っていますから。」
雨宮「でも、年の差とかあるじゃん…!」
涼音「ここ(エスケープ)じゃ年齢なんて関係ないですよ。
それとも、この姿の私じゃ嫌ですか?」
先輩は首を横にブンブンと振る。
雨宮「記憶がない頃から
涼音さんのことは可愛いと思っていた!
こ、こんなおれでもいいなら、付き合ってくれませんか…?」
涼音「最初からその気でいましたよ。」
私は先輩をそっと抱きしめる。
涼音「先輩、私の眷属になりませんか。」
藻部「眷属…?」
私は先輩に眷属とは何か教えた。
無種族の住民が種族のある住民の眷属になれること。
遠くにいても意思疎通できること。
でもお互い信頼していないと眷属には出来ないこと。
涼音「でも私たちは前世でいっぱい築き上げてきましたから
きっと眷属になれるはずですよ。」
先輩は私の眷属になることを拒まなかった。
私たちは両手を繋ぎ、私が魔法を唱える。
…しばらくして手を離す。
私には何も変化はない、でも先輩は違った。
私に近い姿をしていたのだ…
私と同じ三つ編みにリボン、丈の長いマフラー…
眷属って、姿も変わるもんなんだなぁ。
雨宮「ん…?なんにも変わってない気が…」
涼音「いや姿が変わっているよ。」
雨宮「そうなの…?…ほんとだー!夏森さんと同じだ…」
先輩は変わった姿の自分に驚いていてその反面喜んでいた。
先輩は次第に落ち着き、静かになった。
涼音「そろそろ家に帰らなきゃ、青葉が心配しちゃう。」
雨宮「夏森さん、最後にいいかな…?」
涼音「何が…?んっ…」
キスされてしまった。人生でキスしたのって青葉とぐらいだ。
好きな人とのキスってこんな感じなんだ…。悪くないな…。
涼音「いきなりですね。」
雨宮「ごめんね、我慢できなかったよ、愛らしすぎて。」
先輩はいたずらっぽく笑う。
雨宮「あとさ、お互い下の名前で呼び合わないかな?
あとタメ口で喋ろうよ、もう先輩、後輩の関係じゃないし。」
涼音「和輝さん、でいい?」
和輝「涼音さんって呼ぶね。」
私たちはもう一度抱きしめ合ってからキスをし、
解散となった。
離れていても話すことができるから
和輝さんがめちゃくちゃ話しかけてくる。
まぁ嫌じゃないしいいか。私は満更でもなかった。
青葉と夕飯を食べている時。
今日藻部さんと眷属になったこと、付き合ったことを話した。
青葉ならきっと祝福してくれる…と思っていた。
青葉「はぁ?!姉さん正気?姉さんはぼくのことが好きなのに、
なんであんなやつと付き合ったの?眷属にしたの?
ぼくが姉さんの一番の理解者なのに!
ぼくが一番姉さんが大好きなのに!」
ブチ切れられた。一体なんで…?
青葉なら私の恋を応援してくれると思っていた。
前から気付かないふりをしていたが、
まさか青葉は…私を異性として見ていたの…?
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