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奴隷スタートの古代ローマ転生で成り上がりRTA(実質強制)  作者: 九束
2章 ちみつな事業計画で最速奴隷解放RTA

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71話 みんな大好き活版印刷!

ハイでは皆さんお待ちかね!活版印刷でローマ君には情報革命を起こしてもらいましょう!


ローマ君、現状すでに欧州大陸どころか小アジア、北アフリカでブイブイ言わせてるので、特に情報革命の必要性はなさそうな気もするけど、ルクレティアお嬢様が不幸にならないためにはルクレティウス家には爆儲けしてもらわなければいけないのでね。


悪いけどローマ君には一日72時間働いてもらう身体になってもらいます。



そんな感じでいよいよ始まりました活版印刷回。


さて、皆さん転生したときに真っ先に思いつくであろう技術チートの活版印刷。


金属の版を作って大量生産すればいいんでしょ?簡単でしょ?早速活字を作って――と行きたいところだが落ち着いて欲しい。


忘れがちなんだけどね。活版印刷にも前提技術があるんですよ。


これを忘れて普通に印刷をしようとするとね、ぜーんぜん上手くいかないわけです。


さて、その必要なモノとは何か?


そうだね、油性インクだね!


活版印刷で用いられる版は近代以前は当然ながら金属。水性インクだとね、印刷のノリが悪いんですよ。


なので活版印刷をやるにはまず油性インクを作る必要があるわけですね。



そんなわけで油性インクを作っていくぅ!



材料は(すす)松脂(まつやに)、アマニ油。


全部大体酷使している金細工職人や木工職人の仕入れルートを使えるので、特に新規ルートを開発する必要もないのが便利な点だ。


作り方は簡単!まずアマニ油をどろどろになるまで煮込み、酸化した油にする。


本当はここで顔料としてそこら中にある酸化鉛を入れて油の酸化を促進した方が効率が良いのだが、普通に毒性があるので今回は頑張って煮詰めて酸化する方法を採用している。


そして油が酸化したら松脂(まつやに)(すす)を投入。


大まかに混ざったら水車型の石臼でひたすら練って(すす)の粒子を油分になじませる。


丁寧に丁寧に、気分はココアを練る時のように気長に待とう。


そして一日ほどひたすら練って、粒子が十分に油分になじめば油性インクの完成!


普段物を書くのに使っているインクと異なり、水あめのようにねっとりとしている。


出来上がった油性インクは一旦アンフォラに入れて密封する。



さて、油性インクもできたことだし、いよいよ活版印刷本体に突入だ!


転生したらまず着手したい活版印刷。定番中の定番だよね。


しかし活版印刷と一口に言ってもかなり幅があり、いわゆるルネッサンス期に発明された、ハンコの集合体のようなものから、漫画家や小説家が良く止めることで有名な輪転機を使った連続印刷までいろいろある。


本当はやっぱりこの時代でギリギリ作れそうな輪転機式の活版印刷を行いたかったのだが……。


残念なことに輪転機の版を作る前提技術である紙で作る母型『紙型』の開発が予想以上に高難易度(鉛版を作る時に普通に紙型が燃える)だったので、その一つ前の鋳造(ちゅうぞう)式鉛版をローマの技術で出来る範囲で再現したものを採用する。


材料と機材は以下の通り。


アルファベットと数字の真鍮製活字(金細工職人と鋳物職人を酷使して量産した)、精密鋳造(ちゅうぞう)用鋳物砂(鋳物職人から強奪)、鋳物職人(拉致)、先ほど作った油性インクと低サイジング仕様の紙、プレス機。


ここで一番重要なのは鉛版の鋳造(ちゅうぞう)なので鋳物職人さんはデキムス商会(うち)が取引している中でも腕っこきの人を拉致――連れてきました。


何気に極秘プロジェクトなのに初手で外部の人間の手を借りてますが、まあやってることは鋳物の延長線上なので、実は活版を作るという発想は別に外に漏れても問題はなかったりする。


重要なのは紙とインクなので、こちらはガッツリと製紙の際に頑張ってもらった奴隷の皆さんに抑えてもらっている。


そんなわけで活版印刷の活版作り。


まずは事前に精密鋳造(ちゅうぞう)用鋳物砂を薄めの型枠に平らにならし、その上にページ単位でまとめた真鍮製の活字を押し付けて母型と言われる凹状の型を作っていく。


そこに鋳物職人さんの熟練技術により鉛合金を流し、原版となる鉛製凸版を作る。


この時、欠けや誤植などがあった場合は象嵌(ぞうかん)という技法により修正を(鋳物職人さんが)行う。


そうして完成した原版を元を再び精密鋳造(ちゅうぞう)用鋳物砂に押し付け、原版と同じように鋳造し複製鉛版を作れば活版印刷の版が完成。


どうして態々原版と複製版を用意するかというと、実は活版印刷で用いる鉛版はそれほど耐久性があるものではなく、特に古代ローマで作れるレベルの鉛合金の場合、大体500部もすると摩耗し、印刷精度がかなり下がってしまうのだ。


そのため、印刷に使う複製版が摩耗するたびに原版を用いて複製版を作っていく必要があるという訳。


そんなわけで一連の流れを経て数日間の作業の成果としてできた鉛版。


鋳物職人さんに帰ってもらった後に、奴隷さんにプレス機を出してもらい鉛版を仰向けにして油性インクを塗布、紙を配置してプレスをする。


プレスが終わった紙を即座にはがし、インクを乾かす用の台に載せ、乾燥すれば印刷の完成だ。


ちなみに最初に印刷するのはプッさんの博物誌にすることにした。


理由はネームバリュー的に一番売れそうだからなのと、売れた時の続巻が腐るほどあるから。


プッさんは皇帝の腹心として要職を歴任していただけに、印税とかそう言うことは言ってこなさそうなので利益率もよさそうだしね。


今日の所はまず1ページ目、表紙と数ページ分の版しか作れなかったが、一度作れることが確認できれば俺がやる必要はないので、残りはアウ爺が貸してくれてる奴隷さんの中で文字が読める人に丸投げをしてしまおう。



そんなわけで活版印刷無事開発完了。


次の技術チートに移る前に活版印刷がどうやばいかをおさらいしようと思う。


まあ大半は説明する必要もないと思うが、活版印刷のやばいところは本の量産が可能となるところにある。


版組から鉛版の制作まではそれなりの工数がかかるものの、一度版ができてしまえば数百部、こなれてくれば万単位の部数が1日で製造される。


ちなみに現在本を作るの唯一の方法は手作業なわけで、書写職人さんが一日に書写できる枚数は精々十数ページ。


効率数百倍どころの話ではない。


なお、活版印刷の欠点として巻物への印刷には不向きという物があるが、そこは数の暴力で冊子本を普及してしまえばよいので問題はない。


そして現在に比べて数百倍の増産ができるということは、つまり部あたりの製造単価が下がるということ。


今までに比べておそらく本の値段は10分の1程度の価格となることだろう。

大規模化すればもっと下がる。


本の価格が下がると何を意味するかというと、情報のコストが下がることを意味する。


情報のコストが下がると何が起こるかというと、単純労働奴隷以外のすべての層で知識レベルが一段上がると思ってよい。


つまり産業革命に必要な4要素である『大資本』『高水準の労働力』『旺盛な市場』『大量生産に耐えうる技術・資源』のうちの1つ、『高水準の労働力』がPOPしてくることになる。




うーん、作っておいといてなんだけど。やばいね。


でもルクレティウス家を爆儲けさせるには必要だからね。仕方ないね。


これも政治的に結構やばそうだけど、そこは政治が得意な人(若様かマルクス様)に任せよう。




そんなわけで紙、活版印刷と2つ技術チートを完了させたわけだけど、まだ避暑に行くまで数日の猶予があるので予定通り3つ目に着手していこう。


最後の技術チートは物自体は既に作ってるけどそれの量産を狙う奴だよ!


ヒントは今後のルクレティアお嬢様のことを考えると絶対に必要なもの。


ちなみに紙とは無関係だよ。


そんなわけで技術チート3連続のトリ、行ってみよう!

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― 新着の感想 ―
もう物語じゃなくて技術紹介になっちゃってる
全ての道はローマにの有名な諺の道とは鉄路と海路とか言わないで欲しいw
解っていた事だけど西暦100年代には中世後期が始まるとか騎馬民族涙目な予感がヒシヒシとする 200年代には74門艦が地中海で暴れるのかな…オマケでナポレオン砲まで進みそうなのですが涙
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