電子書籍は売れるのか
「電子書籍なんて売れるの?」との疑問を持たれる方は多いでしょう。特に、なろう作品を電子書籍化するとなると、この「小説家になろう」では無料で読めるのに、お金を払う人がいるのか、との疑念が生じるのはもっともです。
加えて、通常の商業出版並みの価格設定となると、なかなか購入していただくのは難しいかもしれません。
けれど、購入までは至らずとも、収益化できる手段があるとしたら?
サブスクという概念をご存知でしょうか。(「そんなん常識だよ」という方はこの近辺は飛ばしてくださいね)
厳密な定義はさておき、月毎に一定額を支払って、なんらかのサービスを受けるような仕組みとなるようです。
映画やテレビ番組を月額固定でオンデマンド配信される、というサービスを思い浮かべる方も多いかと思います。
その書籍版が、ネット通販のAmazonにて提供されています。
Kindle unlimitedというのが、そのサービスになります。月額980円で、かなりの量の書籍、雑誌、マンガが読み放題となります。
もっとも、unlimitedと銘打ちながら、シリーズのうちの一冊めしか対象になっていないこともよくあります。これはおそらく、他の電子書籍サービスで一冊無料、二冊目以降有料とされている作品が、一冊目がunlimited対象、二冊目以降が通常販売という扱いになっているのかと思われます。ただし、特に少し古めの作品などは、小説でもマンガでも、最終巻まで読めるものも多くあります。念のため。
一方で、Kindle unlimitedで提供されている書籍の量が充分かとなると……。どのような読み手かで、大きく変わってきそうです。
ライトノベルを含めたエンターテイメント系小説をある程度の速度で濫読するタイプには、正直なところ、不足気味かと思います。量としては多いのですが、読みたい本が読みたいときに、常に見つかるとなると……。
はい、お察しの通り、この項の書き手はそのタイプです。
となれば、Kindle unlimitedの中に投入する形であれば、なろうで連載しつつも出版に至らない作品でも、読んでいただく余地があるかもしれない。
それが、今回の取り組みに至った思いつきとなります。
何冊か出してみたところ、ある程度多くの方に読んでいただけた書籍もありますが、ほとんど人目に触れていない書籍もあります。
そのあたりも含めて、実例に即してご紹介していきたいと思っています。