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過去 Ⅶ
大晦日の前日。
シャーッ。サッサッサッサッ・・・・・・
美術室にほうきの掃く音だけが聞こえる・・・・・
「望月、お前とどっかで会ったときあるか?」
その瞬間望月は少し目を見開いた・・・・様な気がした。
「え、・・・・・っと・・ですね・・。私と葉山さんは廊下でぶつかったときに初めてお会いしましたよね?」
初対面・・・?俺の勘がはずれてたのか?
いや、俺の言ったことは事実。
なぜなら―――――。望月の左右交互にしどろもどろしている瞳。
うつむいて手に力が入り明らかに嘘っぽい。
―――――――ていうか何故?
もし仮に会ったことがあるといてもそんなに言いにくいことを俺は幼い時にしでかしたのか?
――――いや、そんな記憶はさらさらない。
「――――望月。」
「え?」
「それ、嘘だな。」
「―――――へ?」
「本当のことを言えよ望月。俺はガチで何も覚えていない。」
「―――――――あ・・・蒼穹のメモリー・・って、ご・・ぞんじです・・か?」
蒼穹のメモリー・・・・・?