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雨後の小さな箱
雨の隙間に生き物のにおい
存在が跳ね返す水滴
誰からも知られなくとも
そこに居ることに
お互いが気づいている
目を合わせては
離れて行く存在は
緻密な会話を1秒ほどで終わらせた
エールでありながら
何処か懺悔でもあり
労いでありながら
何処か死に場所を探している
メッセージはかき消えて
お互いの時間が壁になり
住む世界が違うことを実感し
そのくせ
一度、振り返るのだ
心配ではない
頑張れの言葉でもない
精一杯の名前の無い感覚を置いて
誰にも拾われない感覚を置いて
通じる存在の居ない箱を置いて
終わりの鐘が鳴り
記憶からも消えて
今の騒がしさに存在を置く
数年後に自分だけが思い出すような
小さな物が
雨に降られながら置かれている
形は変わらない
その時のまま置かれている
時間も風化も関係無く
その時のまま置かれている
アレを思い出す時
どちらかは
この世に居ない存在だろう
それをちゃんと開けれるか
分からないことだが
存在を定義する為には
必要なことであり
存在を大切だと言い切る為には
重要なことなのだが
僕らは思い出すことすら
忘れてしまうかもしれない




