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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
闇夜のその先

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68/119

2-3

「そんなに前の話か···

ぼくが吸血鬼になって80年ほど。

生物学を研究し始めて120年くらいか。

その間に純血統吸血鬼を調べてくれと依頼されたのは数件しかない。

ぼくにはそのような女性吸血鬼の検査はこなかった」


でも興味はあるらしい。

太陽を克服した吸血鬼?

それが本当なら24時間好きな時に好きな場所にどこへでも行ける。

制限されることはなくなる。

それどころか他の苦手なものまでが失くなる。

吸血鬼なら誰しもが無視できない内容。


「つまり、なんだ、あなた方はその女性吸血鬼を探しているというわけか。

今のぼくにはわからないが探してみる。

ところで、他の研究者には会ったかね?」


「ドクター方円という人には会って話を聞きました。

そこでグレゴール博士のことも聞いたのです。

だからここまでやって来たんです」


「そうか、彼に会ったということは東京から来たのか···」


「そうだよ、タクシーに乗って来た」


ちよがゴクリとジュースを飲む。

15日周期の中で5日間しか飲むことができない。

リンゴジュースを口にしたのはいつ以来だろ?


「ほぉ、それはそれは···

ジュースならもっとあるので遠慮せずにポンペイに言っておくれ」


この少女の隣に座る女が母親なのか?

そしてこの2人は人間。

若い男の目を見ると純血統吸血鬼。

最も気になるのが1歳くらいの赤ん坊。

このくらいの眷属は見たことがないし聞いたこともない。

そもそもが体力的にも眷属に変われるはずがないのだ。


グレゴール・ウォーター博士もこのことに関しては多大な興味があるようだ。

なにかわかったら連絡すると約束してくれてスマホのメールアドレスを教えることになった。


月読たちが滞在していたのは1時間半ほど。

カッツェ委員会や他の吸血鬼たちの動向などを知ってる限り教えてもらえたのはありがたかった。

月読たちは情報不足すぎて後手に回ってピンチになったことが何度かあった。

とにかく人数が少ないので情報戦には不利だ。

頼りになるのはつぐみだけだが眠りの時間になると行き当たりばったりでバタバタしてしまう。

それが功を奏する時もあったりするのは面白いのだが。




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