2-2
他にはポンペイと呼んでいるアシスタントがいるだけ。
たった2人だけで不用心だなとそのアシスタントをよ〜く見るとサル。
グレゴール博士の説明によると生体実験としてサルの脳をいじってみた。
さらに補助的にちょっとした機械をつけ加えていると自慢気に話してくれた。
最初にパッと見た時は子供がいると思っていた。
小粋なジャージ姿でいるからだ。
あとはリスとイヌがいる。
どちらも脳を活性化させているらしい。
「それにしても妙な組み合わせだな。
2人が吸血鬼。
2人が人間か···
まぁ、そういうこともたまにはあるか···
で、用件はなんだ?」
グレゴール博士にとっては吸血鬼とか人間とかにはたいして興味がないらしい。
自分の研究のことしか頭にないんだろう。
研究のテーマは生きものの進化だそうだ。
例えばイヌ。
なぜ鳥のように飛べない?
魚のように自由に海を泳げない?
飛べたっていいじゃないか、泳げたっていいじゃないか。
つまり今の状態から次にどうやって進めるかってことを研究しているらしい。
いきつくところは万能生物になるのか?
月読はここに来た目的を説明していった。
グレゴール博士は静かに聞いてくれた。
まるまると太っていて頭がまっ白でいかにも博士といった雰囲気を持つ独立眷属だ。
忍野村は静かではあるが少々不便でもある。
なぜこの場所をということになると近くから富士山が見えてやはり近くに山中湖があるからだそうだ。
そういった自然に対してあまり興味がない月読やちよにとってはふ〜んと聞き流すしかなかった。
反対に時雨とつぐみは興味があるようだ。
「なるほど···
内容はわかった。
そういうことか···」
月読たちはリビングに通された。
人間である時雨とちよの前にはリンゴジュースが置かれている。
吸血鬼であるグレゴール博士が飲むわけがない。
おそらくサルのポンペイが日頃飲んでいるんだろうと思われる。
ジュースを持ってきてくれたのはポンペイだ。
「どうです?
なにか知ってることはありませんか?」
「頼まれて血液検査や生体情報を調べてくれと依頼がくることはある。
しかしなぁ···
その話はいつ頃のことになる?」
月読はおおよその年月を伝えた。
日本に来たのが、たぶん500年前後の昔。
昔のことだから一般的には年号なども国民は知らなかっただろう。
せいぜい武士とか寺院関係者でなければ年代とか気にしてる者はいなかった。




