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本部に戻るなりウィッカー少佐はデンゼルと足立から直接話を聞くことになる。
同じ話になるかもしれないが直接報告を聞くことになるだろうから2人を待たせておいた。
デンゼルからはちよとシレーヌの戦闘状況について、足立からは氷の能力を使う奇妙な眷属の吸血鬼の話を細かく聞き出すことになった。
それと突然現れた血獣のことも。
ウィッカー少佐は報告を黙って聞いていた。
なるほどそういうことかと思った。
天童副隊長も気づいてるはずだ。
会議室の対応で2人の博士も同席していた。
ブランケル博士はまったく反応が薄かった。
その反面、ドクター方円は興味深そうに2人の話を聞きいっていた。
「大久保に調査に向かわせましたが反応はありません。
現在も数名で調べさせてます」
天童中尉はよくやってくれていると思う。
だがそれは無駄足に終わるだろうと思っているが口には出さない。
天童中尉もそれはわかっているのだろうが念のためってことだろう。
そんなことよりもその謎の吸血鬼たちがどこへ行ったかだ。
「了解」とだけ応えて、さぁ、どうすると考えなければならない。
シレーヌは第6SSには属してはなかった。
それでも純血統吸血鬼が殺られたとあっては黙ってるわけにはいかない。
純血統吸血鬼は眷属と違って人数が少ない。
敵討ちといったわけではないがその吸血鬼たちは倒しておかなければならない。




