第57話□魔王襲撃
暑い日が続きます。皆様体調に気をつけてお過ごしください。よろしくお願いします。
あれからいくら探しても猫獣人の姿は見えなかった。 諦めて私は家へ戻って異常がないかどうか調べてみた。
プロテクションはそのままの状態になっていたので中には入られていないようだ。 家の方はそのままにして鉱山の方に行ってみた。こちらのプロテクションもそのままになっていたのでどうやら私だけが目的だったようだ。
鉱山の中に入って宝石や魔鉱石を採取していく。今日は一番奥まで行ってみようと思う。綺麗な宝石類がたくさん出ているのでそれを拾ってマジックバックに入れていく。もう300メートル位は中に入ったかな。たくさん拾ったので十分な気もする。
ここら辺が一番奥だと思うんだけどあっちこっちと坑道が伸びているんで何とも言えない。引き上げよう。
坑道と家にプロテクション3層をかけて転移の羽でテウル市のホテルアリエスに帰って来た。
しかし、いくら私が抹殺対象だからってこう何度も襲われたんじゃかなわないわね。
「う〜ん····む〜ん·····」
「あらセイ戻ってきたのね?トイレに行きたいの?」
「ちがいますー!行く先々で魔王軍に襲われるので何とかならないかな〜って思ってたんですー!」
「あーなるほどね。厄災は元から絶たなきゃだめよね〜」
はーなるほど。魔王を倒してしまえば指令を出す人がいなくなるわけね。それはそうね。でもさっき攻めてきたやつよりもっと強いわけよね。う〜ん。
でも、敵を知ることは大切よねー。何とか居場所を確かめられないかしら。そうだ!ミーミルちゃんに教えてもらおう!
「ねえ?ミーミルちゃんはどこかな?」
「ミーミルならさっき食堂でお菓子をつまみ食いしてたわね」
全く懲りない娘ねえ!探してくるか。ホテルの食堂に妖精は?あらいたわ!またイタズラしてるー。男の人の頭に生クリームをぬろうとしてる!
「ミーミルちゃんちょっとお願いします」
彼女は賢いからこれでついて来てくれている。人がいないところまで来ると話しかけてきた。
「セイ様どうしたんですの?私の仕事を邪魔するなんて」
「イタズラは仕事じゃないでしょ?ちょっと聞きたい事があるのよ。部屋に来て」
部屋まで来たのでミーミルちゃんに魔王の居場所について聞いてみた。
「今魔王って何処にいるの?ああお金なら出しますよ」
「お金はいいのですが知ってどうするんですの?あんな超危険生物の居所なんて?」
「いつも襲われてばかりいるから、たまにはこちらから挨拶に行こうと思ってね」
「ひえ〜なんて事をおっしゃいますの?魔王にご挨拶に行く?セイ様は変態ですの?死にますよ?」
「で?何処にいるの?」
「ほ、本気ですのね。分かりましたわ。んー魔王はー·········魔王軍前線基地にいますわ」
「それは何処の辺りかな?」
「ここからよりロッドレイ王国の方が近いです。王国の北約100キロメートルです。目印は黒いお城です」
「ミーミルちゃんありがとう。ちょっと行ってくるね」
「ちょっとセイ本気なの?やばいわよ?」
「危なくなったら転移の羽で戻ってくるわよ」
2人ともすごく心配そうな顔をしている。アホな2人にこんな顔をさせるなんて魔王ってすごいのね。
「セイ?お土産買ってきてね」
「魔王領特産の地獄卵がいいですわ」
「そんなの売ってるの?」
転移の羽でロッドレイ王国の北の平原に飛んだ。ここからあと100キロ北ね。
ワイバーンゴーレムを出して北へ向かって飛んだ。敵に発見されないようになるべく高いところを飛んでいる。下の方では魔王軍だろう。たくさんの飛行する魔物が飛んでいた。
黒いお城?黒いお城?あああれか?確かに真っ黒な城が見える。だけど空には飛行系の魔物がたくさん飛び交っている。
見つからないように降りるには転移の羽を使うしかないわね。あの屋上がいいわね。ワイバーンゴーレムをマジックバッグにしまってすぐに転移した。
「はぁはぁはぁ!ひえ〜怖かった!足がガクガクする〜」
一瞬だが空中に投げ出されて恐怖を味わった!しばらくすると回復したので前線基地を探検し始めた。だいたい偉い奴がいそうな所って奥の方よね。
うわっ見張りがたくさんいるわ。どうしましょう。うーん。何かないかな?取りあえずこの部屋に隠れよう。
ここは更衣室かな?なんだ?これは?うわ誰か来た。私は一番奥の棚の後ろで小さくなっていた。
「早く着替えて魔王様の昼食を運ぶのよ」
「係がいるでしょう?何やってるのよ?」
「魔王様の御息女様が急に来られる事になったの。だからそちらに人数を取られちゃったのよ」
「んもー偉い人はみんな気まぐれね!」
「行くわよ!」
魔王には娘がいるのか。まあそんなことはどうでもいいがこれは給仕服だったのね。これを着て潜入しましょう。
ドレスアーマーを脱いで黒の給仕服を着た。なんかゴスロリ服みたいね。鏡を見たがこれじゃあ人間だって丸わかりだわ。そうだ!この前の宝石販売会で使ったカチューシャがあったわ。うーん。銀色の丸い玉が2つポヨンポヨンと動いている。まあいいか。
更衣室を出て魔王の所へ行こうでしたが途中でサキュバスの女につかまってしまった。
「あなたこの忙しいのに何ウロウロしてるの?早く魔王様のところにこれを運びなさい」
「分かりました」
これはベビーカーかな?魔王の娘って赤ん坊なのか。しばらく行くと魔王がいた。間違いない。なんか強者のオーラみたいのが出ている。
頭には立派な角が2本脇から生えていた。髪は黒で腰まである。黒い鎧に剣を携えている。
待ってろー、今にストロングバニッシュを喰らわせてやるから!ベビーカーを押して魔王の脇まで来ることができた。隣に奥さんと子どもがいた。奥さんが子どもを抱いてこちらに来た。
「あなたご苦労様ね。さあレビライムここにお入り」
「だあーう、あうー」
「君は面白い角をしているな」
今がチャンスだわ!
「え、はいポヨポヨ族のセイです魔王様。ストロングバニッシュ!」
「え!なに?!うぐぁ!」
「きゃあーあなたー!」
魔王に確実に当たると思ったのだが赤ん坊に抱きつかれて狙いが外れた!魔王の右腕を吹き飛ばしただけになってしまった。
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