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本物の家族

僕は、慌てて3人に別れを告げ、家に向かって走る。


さっきまで、凍えて動けなかったのが嘘みたいに僕はとにかく走っていた。


「はぁ、はぁ、はぁ」


僕は、玄関の目の前まで来た。リビングに明かりがついていることが分かる。きっと、お母さんが僕を待っているんだ。僕は震える右手を、左手で支えながら、恐る恐るドアを開ける。


「ただいま。遅くってごめんなさい」


僕は、何も返事が返ってこないことを不思議に思い、顔を上げる


「いいのよ。体調が悪くて保健室で休んで寝ていたんでしょう?先生から聞いたわよ」


僕は、肩の荷が下りた。よかった。今日のお母さんは機嫌がいい日だ。


お母さんは、僕の頭を撫でた後リビングに僕を連れていく。


「さあ、ご飯にしましょうか」


違う。この反応。機嫌がいいお母さんじゃない。


本当に、機嫌がよかったら、先にお風呂に入らせてくれる。ご飯だって、冷めないうちに食べさせてくれるはずだ。


なのに、今日は違う。

お母さんは笑っている。


――まただ。


背筋が凍った。

今夜のご飯にも、何かが入っている。


毒かもしれない。

そう思った瞬間、喉の奥がひゅっと縮んだ。


本当に機嫌が悪いお母さんは、笑顔で僕を陥れる。

前にも同じことが何回かあった。


最初は、お母さんが料理に失敗したのかな?って思った。

けど、毎回僕が何かやらかした夜。笑顔のお母さんの料理を食べたら必ず、食べている最中に意識を失ってしまう。


それだけだったらまだいい。起きた時に体中があざだらけだった時の恐怖。


また、僕はドクン、と心臓が跳ねると同時に、胃から何かが込み上げてくるのを感じる。僕は咄嗟に片手で口を塞ぎそうになったのを、慌ててやめる。



僕はリビングの椅子にふらつくのを悟られないようにしながら、座る。


「…いただきます」


お母さんは、必ずこういう日は僕が料理を口にするまでじっと見てくる。そのプレッシャーや食べなかった時に、何をされるか分からない恐怖から僕は、脳ではなく体が動いていた。


僕は、夜ご飯のカレーを飲み込んだ直後、喉の奥に違和感が走った。

気のせいだ、きっとそうだ。そう思おうとした。


けれど、またいつものように頭と心臓が締め付けられるような感覚に襲われる。

どんどん心臓が速くなっていってる。


視界が反転した。


バタッ


僕は、倒れる直前初めてお母さんが無表情になっているのを見た。



ごめんなさい、お母さん。お父さんみたいな僕じゃなくてごめんなさい。



そもそも、元の始まりはお父さんがまだ家にいたころ、僕が小学生のころテストで70点を取ったことから始まった。

僕のお父さんとお母さんは、優しく、大学も優秀な大学だった。


だから、僕が七十点を取ったことが、そんなにも衝撃だったのだろうか。

優秀な二人の子どもなのに。

たった七十点しか取れないなんて。


あの頃の僕は、そう考えることしかできなかった。

お母さんは、僕のことを優秀に育てなければと、塾に行かされたり、家庭教師を雇ったりした。


その頃の僕は、まだ甘い考えだった。お母さんは、ちょっと僕の事で必死なだけだと。


甘かった。


だって、誰も想像つかないだろう。まさか、あんなことで幸せな家庭が壊れるなんて。

第四話目からは、土日に投稿しようと思ってまーす。まだ、誤字脱字やつながりが雑ですが、今後直していくつもりです!これからも、宜しくお願いします!

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