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ネフィル、陛下に報告

ネフィルは今、王の元へ歩いていた。

お嬢様の伝言を伝えるために…。


コンコン


「失礼します、ネフィルです。

入ってもよろしいでしょうか?」


陛下はこの時間帯は執務をなさっているはずです。

きっとこの執務室にいらっしゃるはずです。


「入れ」


中から陛下の声が聞こえて良かった、と一息つく。

なんと言ってもこの王城は広いですから、

次に陛下がいる可能性が高い、謁見の間までとても遠いのです。


「失礼します」


陛下に一声かけ、部屋の中に入る。

陛下はずっと執務に励んでいらっしゃったようで、

腕を前後に回していた。


「少し休憩にする。他の者は隣で休んでいてくれ」


「「「はい」」」


陛下とその他大臣の方々が執務室から直接繋がっている、

休憩室へと足を運ぶ。

その様子を見届けた後、陛下の座ってらっしゃる所まで歩いて行く。


「帰ったのだな、ネフィル。

早速報告を聞こうか…」


「はい、この度は態々騎士の方々を私の為に

動かして頂いたこと、誠にありがとうございました。

お蔭でお嬢様を城まで、安全にお連れすることが出来ました」


私は陛下に深々と頭を下げた。


「よい。結局この城へ連れてくることは出来たのか?」


「いいえ。お嬢様には言ったのですが、

王には会わない。とはっきり言われてしまいました。


もう一つ、メイベの森にある、あの城は自分の物だと。

メイベの所有地に自分の城が含まれるのなら、

メイベの所有地は自分の物だと。

それでも何か文句でもあるのなら、

王自ら城に来い。


そう伝えるようにと言われました。」


私の話を聞くと、陛下の眉間にしわが寄った。

とても難しい本を読むときのような

難しい顔をしている。


「はぁ…。一体、あの城の主は何様のつもりなのだ!

一国の王に文句があるなら城に来いだと?

ふざけているのか!」


思いっきり机を叩く陛下。

見る見るうちに顔を怒りに染める。


「馬車を寄越してやったのは誰だと思っているんだ?

折角こちらが友好関係を持とうとしておると言うのに!」


全く、それぐらいで怒る陛下もどうかと思います。


「それに他国に所有権を握らせて困るのはあちら側で、

こちらとしては、そうならないよう、助けてやろうとしているのではないか!


恩知らずめ!」


バンバンと陛下は机と叩きながら怒鳴っていた。

王として情けない姿です。


「気が済みましたか?陛下。


陛下は一国の王なのですから、

こんな風に上から目線では、陛下の目指す、豊かな国など創れませんよ?

それに!こんな大したこともない事ですぐ怒ってどうします。

もう少し冷静になられてください」


私はなるべく落ち着いた声で、やんわりと陛下を叱る。

そうすると、陛下は自分の過ちに気が付く。


「すまない。

少し仕事に息を詰め過ぎていたようだ。

言ってくれて助かった」


陛下の性格上、ストレスが溜まっていたり、イライラしている時は怒りやすい。

本人はその性格を直したいらしいけれど、

気が付けば怒鳴っている事が多いそうで、

周りに自分を注意するように言っているほどです。


陛下は常々、もう少し民の事を考えられる優しき王になりたいと

口を溢しています。

陛下の願いの為にも、陛下の周りで仕事をする者達は

やんわりと注意するということを覚えた。


「折角ですから、仕事の息抜きも兼ねて

お嬢様に会いに行ってはどうでしょう?


お嬢様からの許可も頂いたことですし…。


フェリスさんの入れる、紅茶という飲み物が

とても美味しいのです。

きっと陛下も気に入ります」


「そうだな…。城の主とはちゃんと話しておくべきだろうし。

これは仕事になるから大臣から小言を言われることもない。


我が国の自慢の菓子を持って行く事にしよう。

早速準備してくれ」


立ち上がって、楽しそうな顔で私に言う陛下に

私は笑顔で答えた。


「はい、分かりました。

今すぐ用意しますね」


仕事のスケジュールと話し合いをしながら、

いつにするか悩む陛下はまるで子供の様でした。

なんだかんだ、お嬢様にお会いするのを楽しみにされてるのかもしれません!

こちらも気合いをいれなければ!


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