表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/80

フェリスが質問

「お待たせしました。

お嬢様の好みが分からなかったので。

ミルクティーにしました。

宜しかったでしょうか?」


ミルクティーか。

別に嫌いじゃないから、いいや。


「ええ、嫌いじゃないわ。

ミルクティー」


フェリスに差し出されたミルクティーを一口飲んだ。


「へぇ~、フェリスって紅茶を入れるのは上手いのね」


「ありがとうございます!!」


ねぇ、フェリスって女子なの?

嬉しそうに笑って、おぼんで口元を隠すって。


「そうそう、フェリスは私に聞きたいことないの?」


「えっと、お嬢様についての質問ですか?」


「それ以外に何があるの?」


おぼんを口元から離したフェリスは考え始めた。


「では、好きな物はなんですか?」


ふ~ん、てっきり私のスキルの事かこの城の事を聞かれると思ってた。


「ちなみに何で聞こうと思ったの?」


「はい、お嬢様の好みが分からなければ、

お嬢様の好みの食事を出すことが出来ませんから。

個人的に僕も知りたいですし……」


とフェリスは照れ笑いを浮かべた。

まあ、嫌いな物ばかり出されても困るわね。


「そうね、甘い物が好き。

洋食より和食の方が好き。

だけどたまには洋食も食べたくなるし」


よくお菓子は食べてたなー。

洋菓子よりも和菓子を食べてた。


「分かりました!

和食だけではなく洋食もお作りしますね!」


おぼんを脇に抱え、せっせとメモ帳に書くフェリス。


「週に2回ぐらい洋食の日を作って」


「はい!」


「他に質問は?」


「では、嫌いな物はなんですか?」


今度は嫌いな物かー。

いつになったら聞かれるんだろう。


「辛い物」


辛いの本当に無理なんだよね。

辛いお菓子を辛い物だと知らずに食べた時は吐きそうだった。


「分かりました」


「じゃ、最後の質問は?」


「えっ最後ですか!?」


フェリスは書いていた手を止め、私を見た。


「そ、最後。

もう答えるの面倒になったから最後」


「……分かりました」


凄く残念そうな顔してる。

どんだけ聞きたかったんだろう?


「……」


凄く悩んでる。

うんうん、唸ってますよ。

そんなに悩むこと?


「ねぇ、スキルの事とか聞かないの?

城の事とか」


「えっと聞きたいですけど。

スキルはその人にとって個人情報のようなものですし……。

城は別に聞かなくてもいいかな、と」


「そう、言うつもりだったから、言うけど。

フェリスに掛けたスキルは『主の加護』」


フェリスにスキルの説明をした。


「と言うわけ。

数値が100を超えれば、私は認めるつもりだったの。

つまり100は合格ライン。

そして見事、フェリスは124だった」


100は大抵の事は何でも話せる・裏切る気はないぐらいに信頼していると言うこと。

よくもまあ、124なんて数字出せたものね。


「そして、『主の加護』でフェリスのステータスは全て上がってるはずだけど…。

何か変わったことある?」


そういえば、とフェリスは話し始めた。


「今日は朝から、色々変でした。

物を持つ時に、何故か異様に軽く感じたり。

歩くスピードが速くなっていたり。

この違和感の正体はお嬢様のスキルだったのですね!」


「そういうことね」


やっぱり、ステータス上がってるんだ。

スキルを疑ってたわけじゃないけど、神は信用してないからね。


「さて、これで質問は終わりね。

昨日入ってないから、私はお風呂に入りたい」


「分かりました。

朝お風呂に入られるかと思い準備しております」


うわー、凄い。

フェリスって意外と使えるのね。


「やっぱり、執事みたいね」


「はい!僕はお嬢様の執事です!」


そうだ、お風呂に入るのはいいとして、服がないんだった…。


「服がないのだけど…。

洗濯すぐ終わる?」


「はい!魔族でしたら、魔法ですぐに乾かすことが出来ます!」


フェリスが張り切ってる。

自分に出来ることがあって嬉しいみたいな表情だ。


「そう。じゃあ、お風呂場まで案内してくれる?

私、この城のどこに何があるか把握出来てないから」


「はい!」


フェリスが扉を開けてくれる。

フェリスに促されるように廊下に出ると、

私が廊下の真ん中を歩き、

フェリスが私の斜め後ろをついて歩く。

ほんとにこの城って大きいのよね。

廊下の長さと広さ。

疲れるじゃない…。


「フェリス」


「はい、何でしょう?」


私は止まって斜め後ろにいるフェリスを見た。

フェリスも止まって私を見る。

その表情はどこかうきうきとしている。

私はこんなにも疲れていると言うのに、

何故フェリスはこんなにも元気なの?

これが魔力の違い?


「疲れた」


「では、僕がお嬢様を運びましょうか?」


運ぶって簡単に言うわね、フェリス。

フェリスの細い腕で運ぶことなんて出来るの?


「まあ、運んでくれるならありがたいよ。

魔力は体力のような物と言っていたけど、

大丈夫なの?昨日みたいに苦しくならないの?」


「はい、すみません。

僕の説明の仕方が悪かったですね。

考え方が体力と同じと言うだけで、

魔力と体力は同じものではありません」


そう、魔力と体力は別物なのね。

だったら、今は体力が切れただけで、魔力は切れてないってことか。


「そう。フェリス、運べるなら運んで」


「分かりました。では、失礼します」


フェリスは私の両膝の裏に片腕。

私の肩よりも少し下あたりに片腕を持って来て、

横抱きにした。

そう、所謂お姫様抱っこと言うやつだ。


「あのさ、フェリス」


「何でしょう?」


フェリスは私を抱えて歩き出した。

とても私を抱えているとは思えないぐらい

涼しげな顔をしながら。

私はフェリスの両肩あたりに捕まった。


「なんで横抱き?」


「嫌ですか?」


「別に、嫌じゃない」


てっきりおんぶかと思った。

運ぶと言ったらおんぶくらいしか出てこなかった。

横抱きなんて腕がしんどいだろうし。


「良かった。

僕、お嬢様にしたいと思っていたんです」


「これ?怠くない?」


「はい!魔族は魔力で身体強化が出来ますし、

お嬢様ぐらいなら魔力を使わなくてもへっちゃらです!

それに、お嬢様のためなら頑張れますから」


「そう」


ほんとうに変な人、人のために頑張りたいと思うなんて。

それに凄くニコニコとしてる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ