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第四章 吊るされた影

夜が深まり、館の空気はますます重くなっていた。

 僕と蘭丸と碧華以外は部屋に戻っていた。

 碧華は机に突っ伏して寝ているようだった。

 僕は眠気と戦っていたがもう限界を迎え寝ようとしたら、蘭丸に体を揺すられた。

「何?眠いんだけど」

「僕は眠くないんだ!怖いんだ」

 蘭丸が僕の体を大きく揺さ振りすぎて机に強く当たってしまい、碧華が起きてしまった。

「すみません」

「大丈夫、君たちに聞きたいことあったし。」

 その言葉に僕と蘭丸は顔を合わせた。

「君達、特に蘭丸君は何でここに来たの?」

「招待状が送られてきたんですよ2枚」

「そう」と言い碧華は何か考え出したようだった。

「貴方は、何で来たんですか?」

 蘭丸が聞いた。

「思い出の場所なんだ。」

 そう言うと碧華は席を立ち、何処かに行こうとしていた。

「何処に――」

「トイレ」

 言葉を遮り早足で向かった。

 僕はまた眠気と戦ってまた負けそうになると後ろの扉が開き、大声が聞こえた。

「碧華さんは何処だー!!!」

 勝也は周りをよく見て僕に近づき肩をつかんだ。

「碧華さんは?!何処?まさか!?」

「ここだけど?」

 碧華が食堂に帰ってきた。

「うぉすみません。へへ」

 勝也はニコニコしながら裏へ戻ってった。

「なんなんだ?」

 碧華はため息をつき言った。

「私ここの常連だから仲いいのよ」

「こんなところに何回も来てんのかよ」

 蘭丸はドン引きながら小声で言った。

 それが聞こえていたのか碧華は蘭丸を睨みつけた、蘭丸はビビり僕の後ろに隠れた。


 食堂は静まり返っていた、外の風の音がよく聞こえる。

 すると館の奥からかすかな軋む音が聞こえた。

 まるで、何かがゆっくり揺れているような音。

「なんだ?」

 蘭丸は顔を上げた。

 僕たちはそっと音のする方へ歩いていった。

 廊下の突き当たり、物置部屋の扉が半開きになっている。

 中を覗いた瞬間、息が詰まった。

 その先にミステリーサークルの水鳥川美希が吊るされていた。

 足が左右に揺れていた

 それが、さっき聞こえた軋みの正体だった。

 僕は美希に駆け寄ろうとしたら

「やめろ!」

 と言い航が手を伸ばし止めた。

「触れるな」

 その声は異常なほど冷静だった。

 航はゆっくり近づき、椅子を引き寄せロープを外す。


 美希の体をそっと床に降ろすと、静かに目を閉じた。

 航は、低い声で呟く。

「……三人目。」

 その瞬間、背筋がぞっとした。

 まるで“カウント”しているような口ぶりだった。 

 ふと視線を窓に向けると、

 そこに赤い影が映っていた。

 今までよりもはっきりとした人の形。

 吊るされた女子と同じように、首をかしげて笑っているように見えた。


 俺は思わず後ずさった。


 これ以上、ここにいたらヤバい

 でも、外は相変わらず濃い霧に覆われ、

 山道は塞がったままだ。

 逃げ場は、どこにもなかった。

「蘭丸!」

 蘭丸は、物置を出ていった。

 僕は全力で走り蘭丸の肩をつかんだ。

「蘭丸待てよどうしたんだよ。」

「見えたんだよ赤い影が!」

 幻覚じゃなかったのか、今はそんな事じゃない何とか蘭丸を落ち着かせなければ。

「あれは誰かのいたずらだ。」

「いや違う!あれは紅影だ!みんな殺されるんだ!」

 蘭丸は震えていて涙声だ。

 僕は蘭丸を落ちつせるため背中を擦っていた蘭丸は大きく深呼吸をして言った。

「俺はもう寝るお前も寝ろ。」

 蘭丸は部屋へ戻っていった。

 すると、後ろから英雄が話しかけてきた。

「あの子かなり参ってるみたいだね、君はあまり参ってないようだ慣れているのかい?」

「まぁ事件に遭遇したことありますし」

「じゃあわかるよね、これは紅影の仕業じゃないのな?」

 肩を強くつかみ質問されたが僕は何も言えなかった。

 僕を強く突き飛ばし英雄は去って行った。

 なんなんだあいつはこっちだって一生懸命考えてるってんのに。

 僕は調べに事件現場向かった。

「何で入るんだ?」

 物置部屋に入るのを止めたのは瑛士だった。

「見たいものがありますし」

「駄目だ!」

 僕を強く引っ張り物置部屋から遠ざけた。

 目を盗んで入ろうともしたが入り口に瑛士がずっといて入れなかった。

 気を取り直しアリバイを聞こうと美桜に近づいたら、航が遮り言った。

「お前が一番怪しい、美桜に触れるな」

「いや僕にはアリバイがありますよ。」

 さっきからなんなんだ?逆に君等のほうが怪しいと言いかけたが止めた乱闘にはなりたくない。

 

「可哀想に」

 ヘラヘラしながら海助がやってきた。

「俺のアリバイ聞きたい??」

 どうせ無いし無視して勝也に聞きに行くことにした。

「何で無視するんだ?なんとアリバイありませーん!」

 殴りそう。

 

「勝也さん貴方のアリバイと英雄さんのアリバイを教えて下さい。」

「あぁいいよ僕と父さんは食器を洗っていたよ、その後は二人で裏で休んでて、僕は少し食堂に確認に言ったって感じ」

「ありがとうございます」


 少ししたらもう夜遅いということで皆部屋へ戻って寝ることになった。

 僕は事件現場をみるチャンスと思い近づいたが、勝也に止められ見れなかった、肩を落としながら帰っていると瑛士の独り言が聞こえた。

「あいつ鋭いな色んなこと聞かれたらボロが出ちまう」

 いいことを聞いた。

 僕は部屋に戻ったがどうしても気になったので部屋を抜け出し、事件現場に向かった。


 死体には目立った傷が無い、死因は窒息死みたいだな、死後硬直していないのを考えると死亡時間は発見される二時間前ってところかな。

 だが疑問がある首を絞められたのに首に抵抗した跡がまったくない。

 寝ているところを襲ったのか?違うはずこんな状況で鍵を閉めず寝る人なんていない。

 部屋の外で睡眠薬入りの飲み物を飲ませ、ここまで運んだそれが一番いい考察だ。

 

 推理をしていると、僕の方が掴まれた。

「うわぁ!」

「何してんの?」

 それは美桜だった。

「こっちのセリフですよ」

「私のセリフでもある」

 沈黙が続く、言い訳を考えてなかった僕は急いで自分の部屋に戻った。

 部屋に戻って落ち着いた時に疑問に思った、何で美桜は、こんな時間に事件現場に?

 疑問を一旦置いといて推理を始めた。

 あの時確実なアリバイがあるのは俺と蘭丸ずっと一緒にいたから、碧華は一瞬トイレに行った。

 ほんとうかわからないが英雄と勝也にもアリバイがある、一瞬英雄は一人になったがその間で犯行は難しい。

 アリバイ無い、不明の人は航、瑛士、美桜、海介その中で一番怪しいのはボロが出ると独り言を言っていた瑛士だ。


 ……駄目だ眠い頭がもう回らない寝よう

 明日晴れてるといいな

 僕は深く息を吐き、目を閉じた。

 このときの私は知らなかった。

 ――次に目を覚ましたとき、あの惨劇を目にすることになるなんて。

 

 

 

 

 

 

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