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死にたがりは、悪役令嬢を降りて最高の終わりを探す。  作者: シルクティー


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5/8

フローレス公爵家

「エヴァ!!!!!!」

「これは一体どういうことか、説明していただいていいだろうか。第四騎士団団長・ジルバ殿。」


公爵家についてまず出迎えてきたのは侍従やメイドなどではなく、フローレス公爵と令息本人だった。


「旦那さま、ここで話すようなことではございませんよ。お部屋を整えましたので、そちらで。」

「ああ、セバスか。それもそうだな。ご案内いたします。が、お先にエヴァをこちらに預けていただいても?」


公爵からそう言われ、ジルバは葛藤を表に出す。


数時間だけではあるが、番とずっと共にいた。

彼女から手を離すのが惜しい。


「彼女とのことについても、お話がございますので、できればこのままでもいいでしょうか。」

「エヴァについて・・・?そういうことなら、かしこまりました。」

「父上!!こんな男にエヴァを預けておくのですか!」

「今だけだ。落ち着け、アベル」


アベルは難を示したが、父である公爵に宥められ、悔しいが黙る。


そうして部屋に案内され、ソファ席に座るように促されたので彼女の体に負担がかからないように寝かせてからジルバも腰をかけた。

座るジルバの足には眠るエヴァの頭が当たり前のように載せられており、ジルバもまた、当たり前のようにエヴァの頭を撫でる。


「まず、エヴァ嬢についてですが、なぜか本日、魔物の森にいました。」


「なぜそんなところに!」

「それは本当ですか!」


出会った時のことを詳細に話すが、2人はやはり信じられないというような顔をする。


ジルバからしてもなぜあんなとこであんな目に遭っていたのかは理解はできない。


「一番の本題はここからです。」


ジルバに真っ直ぐと見つめられ、2人の背筋が伸びる。


「エヴァ・フローレス嬢との結婚を認めていただきたく、こちらに参りました。」


その言葉に部屋の中にはシンとした空気が張り詰める。


「ははは。耳がおかしくなったようだ。」

「父上、奇遇ですね。私もです。」


「彼女との結婚を申し込みに参りました。」


聞こえていたが理解したくない2人にジルバは追い打ちをかけていく。


「あなたは竜人族です。それに対してエヴァを含めて、我々は人間だ。竜人である貴殿が意味もなく人間と婚姻を結ぶ理由はなんですか。」


フローレス公爵家はやはりエヴァを嫁には出したくないらしい。

だが、ジルバは必ずここで結婚をもぎ取りそのまま彼女を連れて帰りたい。


「彼女が、私の番です。」


「いやいやいやいやいや」


妹が番に選ばれてしまったことを理解したくないアベルは全力で拒否の姿勢をしめす。


「ここで、貴殿の提案を拒否したところで、全く無意味だろうな。」

「ええ。了承を得るまで私はここを動きません。」


竜人の番に対する詳しい認識を、公爵は持っているらしい。


「可能であれば、今すぐにでも彼女の居住を私の屋敷に変えたいところです。」

「それは!!・・・エヴァの婚姻についてはエヴァ本人の意思を一番としてるんです。」


ということは、皇太子の婚約者候補辞退も、彼女の意思だったのだろう。


「竜人は番を手放すことはしない。」


ジルバの意見は何を言っても変わることはない。


そのジルバの態度に、アベルも諦めが勝ったのか、激しく反対してくる様子は見られない。


「家として反対はできませんが、全てはエヴァ次第です。今日はもう遅い。客間を用意いたしますので、どうぞとまっていってください。」

「では、お言葉に甘えて。」


エヴァの部屋に案内してもらい、ベッドの上に彼女を優しく下す。


「見張りをつけていただいて構いません。ここにいても構いませんか?」


公爵に懇願する。


「番を見つけた竜人に離れろというのも酷というものでしょう。魔力が不安定になって屋敷に被害が出ても嫌なので。わかりました。簡易ベッドになりますが、了承してくださいね。」

「もちろんです。」


彼女の部屋の中に簡易ベッドが運び込まれ、隅には護衛という名の見張りが変わるがわる立つことになった。


「なぜ君は死のうとしていたんですか。」


あの場に軽装でいたこと。尚且つ大蛇の前で微笑みを浮かべていたことを考えると、そう考える以外、理由がはっきりしない。


「ようやくみつけた私の愛しい番。どうか、私の目の前からいなくならないでください。」


彼女のベッドに腰をかけ、ハニーブロンドの柔らかい髪を撫でながら意識のない彼女に懇願する。

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