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沼ハマの入り口  作者: 夏目 碧央


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モンスター

 ベビーカーは小さいものだが、思ったよりも楽ではなかった。路肩(道路の端っこ)がこんなに斜めになっているとは知らなかった。水はけの為に道路の端が下がっているのだが、そのせいで歩道は斜めだ。ベビーカーで道の真ん中を移動できればいいのだが、車が来るからそうもいかない。端を通らざるを得ない。だが、片方が下がるとそちらの腕ばかりに負担がかかる。それに、あまり斜めだと乗り心地が悪かろうと、ついつい端の方を持ち上げようとする自分がいる。

 また、アスファルトは凸凹で、ちょくちょくガタンとなる。里奈が舌でも噛むんじゃないかと気が気ではない。だが、里奈は大人しく座っている。前を向いて進んでいるのが楽しいのかもしれない。時々何かを指さしているのが後ろから見える。子供って本当に可愛いな。

 朝陽と里奈の家に着いた。ベビーカーは玄関に畳んで置けばいいのだろうか。畳む?どうやって?ま、とりあえず里奈を下すか。

 里奈を下ろし、靴を脱がせ、やっぱりベビーベッドに乗せた。これからどうすれば?

「里奈、お腹空いてるか?うーん、まんま?」

「まんま!」

やけにハッキリと言った里奈。しかし、何を食べさせていいのやら。ちょっとネットで調べるか。1歳児の食事を検索。色々出てきた。いやー、手の込んだものばかりだな。冷蔵庫を開ける。卵はあるか。うどんもあるな。うどんを煮るとかでいいか?

「まんまー、まんまー」

里奈の方を振り返って焦った。里奈がベッドの柵から乗り出していて、今にも落ちそうだったのだ。

「危ない!」

子供は頭が重い。あまり乗り出すと落ちる。今、かなり落ちる寸前だったような気がする。これは下ろしておいた方がよさそうだ。里奈を抱っこして床に座らせた。すると、里奈はすくっと立ち上がり、よちよちと歩き出す。何をするんだ?

「あー、ダメダメ!」

いきなり本棚の本を落とし始めた。止めて、本を戻していると、次は台所の方へ。ちょっと、あの辺包丁とかあるんじゃ。里奈の先回りをして通せんぼをすると、今度は玄関へまっしぐら。自分で靴を履こうとしている。おいおい、どこへ行こうと言うのだ。

 あー、ダメだ。これじゃ料理なんてできない。絶対に出来っこない!

「ただいま!祐作さん、遅くなってごめん!ほんと、ありがとう!」

そこへ、朝陽が帰って来た。

「あさひ~!」

靴を履きかけている里奈の真上で、朝陽を思いっきり抱きしめた。

「どうしたの?祐作さん?」

「お前、毎日どうやって生活してるんだ?このリトルモンスターを抱えて。」

俺は涙目でそう聞いた。


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