とある上層部にて
とある、会社の上層部会議場にて1人の男が呼ばれていた。その見た目とキレのある意見でのし上がって部長という地位を手に入れた男田中と、呼び出した社長が向かい合って座っていた。
「とうとう、定年退職引き継ぎをしてもらっていた畑岡君がぎっくり腰で退職してしまった」
脂汗が凄い社長が背の低い田中を持ち上げ困ったように目を向けていた。
脂汗が凄い社長に触られた為についた汗が気になって仕方ない田中はおざなりで言う。
「かわりを寄こせばいいじゃないですか」
それに対し、イラついたようにデスクをトントンと響かせた社長は息を大きく吸うと
「お前ら動物科の人間枠に入りたいやつがいないから困ってるんだよ田中スワン君?」
「そんな、大声で怒鳴らないでくださいよ社長、私たち白鳥は水の中で必死に足かきを動かしています、でもそれを一切外に出さずに優雅でいるのが美しいというものでしょう。イライラしていますというのを、全面に出すなんて全然優雅でなく、むしろみっともないですよしゃ・ちょ・う」
そう、田中はこの会社の動物科に努めている前世返りした白鳥なのだ。だから、彼は社長よりも背が低いし、見た目は美しい。しかも、この星には前世返りを保護する義務がある。まさに、田中は恵まれていたのだ。
「大体、君たちが持ってくる悩みというのが解決しにくいものだから、中々人が入らないのではないか、それを何だわしが醜いのだ何だ」
キャンキャン吠えてる社長はまるで犬のようだな、そうか犬なのか、会長に媚売っている犬なのか、納得。そんなことを、考えていた田中は、タコのように真っ赤になった社長を見て折半案を出した。
「なら、適当に最近大きなミスをした人材を回してください、それならいいでしょう?」
要は、脅せと言っているのだ。
なるべく穏便に済ませたかった社長は驚いて目の前の白鳥を見る。
「なんか変なことを言いました?」
さも、当然のことを言ったとでも堂々としている白鳥に実は小心者の社長がのまれた。
「い、いや」
こいつ何考えているのだ……顔色を窺うにも、顔が白鳥なので何を考えているのかイマイチ分かりにくい。それが、返って恐怖をましている。だが田中は見る人には、分かり易い顔なのだが……。要は、そこまで社長は田中の顔の区別をしようとする努力をしなかったという事だ。
「いや……あ、そんな事をして我社の信用が落ちたらどうするんだ」
名案を思いついたとでもな勢いで田中に迫っていく社長。
「ご安心を、私達がきちんとその辺の対処を致しますので、ではこれで」
優雅に立ち去っていく田中に社長は一言。
「ああ」
そして、会長の娘の元に婿入りして社長になった、小心者の社長は、白鳥に押されて、要求を飲んだのであった。
その、数日後。本来必要な分よりも数多くの注文をしてしまった林 日菜子の元に動物科異動届が届くのであった。
相変わらず少ない文章数……そして、主人公が名前しか出てこないって




