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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第四話『最強最悪の敵』
21/88

#20

「ゆうこちゃーん、2年の朝霧さんって人知らない?」


「朝霧はん? 悪いけどあたし、その人のことあんま知らんねんか。あ、でも、ウチのお姉ちゃんなら知ってるかもしれんわ。何にもお役に立てへんで、ごめんなぁ」


「わかった、ありがとね!」


まずA組の蔀屋ゆうこさん。けど、朝霧さんのことは知らないという。



「朝霧学はん? うーん、名前だけなら聞いたことあんねん……けどなあ。その人は名前しか知らんわ。かんにんな!」


「あー、そっか。こっちこそ無理に聞いてごめんヨ」


同じくA組の、ゆうこさんの姉リサさんもダメだった。名前だけしか知らなかったらしい。


よし、次はB組じゃい!

ヒロユキのやつなら顔は広そうだし、何か知ってるかも。


「おい、寺辺」


「何だ、マサキじゃねーか。オレに何の用だい?」


「おまえ2年生の朝霧さんって人知らね?」



「あー……朝霧さんね。オレなあ、この前の休み時間に廊下でアキヒコと話してたら、あの人にシメられて注意されちゃってさー……」



超高速でヒロユキの話から要点のみを抜き出し、

すかさずメモに書き記す!


「そうか、だいたい分かった。じゃあな!」


「お、おい、マサキ!? 人が話してるのに!」



▲▲△



小うるさい寺辺くんから逃げたところで、今度はC組……おっと、あとにしよう。

先にE組からだ。C組のレンは、最後の頼みの綱だからね。


E組には、この前体育の授業で競争した敦賀ミカさんがいる。

ガラは悪いが気のいいねえちゃんだ。面倒見のいい人なんだぜ。


「朝霧さん? この前C組のアヤちゃんがお世話になったらしいよ。刃野くんさえよかったらあとで寄ってみなよ」


「ありがとう!本当に感謝している!」



ぷう。先にE組の教室に入っておいてよかったぜ。

さて、皆さんお待ちかね。C組へ行こうじゃないか。




「颯爽登場!」



さあ、戦いだ!

まずはアヤさん。彼女のフルネームは、橘アヤさんらしい。



「えっと、確かに怖い感じの人だったけどすごく優しかったよ。

この前運動場で足くじいちゃったんだけど、その時に保健室までおぶってくれたんだ。エリノ先生の前ですごーくデレデレしてたっけ」


「ふむふむ。そっか、そんなことがあったんだね。続けて……」



実に興味深い。やっぱり、いい人なのかな。



「とにかく、女の子には優しい人だったよ。でもよくケンカしててケガ多いから、エリノ先生に厄介になってるみたい」


「ふむふむッ! そうかッ! なるほどッ!

じゃあ、これからエリノ先生にも聞きに行くね。アヤさん、今日は本当にありがとう!」


「いえいえ。どういたしまして~♪」



アヤさんに別れを告げ、俺はきれいな女神様が待つ保健室へ――




「マサキ……ぃいいいいいいいいいいィ!!!」



「あうおー!?」



そこにレンがゾンビさながら、いきなり飛びかかってきたではないか。



「アヤちゃんにハナシ聞いておきながら僕はスルーしようたって、そうはいかないぞ……!

さあ、聞きたいことがあったらドンドン聞いてくれ。僕たち、友達だろ?」


ちょっと悩んだ。けど、すぐに答えを出した。



「すまん、もう情報はじゅうぶん集まった。なので君に話すことは何もナッシング。アディオス、アミーゴ! ハッハー!」



「ともだちィイイイイイイイイイイイイ!!」



我が友の悲痛な叫びを聞きつつも、その足は既に保健室へと進んでいた……と。

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