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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第四話『最強最悪の敵』
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20/88

#19

それはある帰りのバスの中でのことだった。




「あっ……盗まれてるぅ~!」



俺はケータイをカチャカチャ触ってアプリでゲームをやっていたのだが。




「おれのチキンが喰えねえのかぁ~~~~!?」




ふとケータイをしまい、外の景色を眺めていたら言い争う声が聞こえてきた。

自分の向かいで酔っ払いのおっさんが、わけの分からない事を言いながらきれいなお姉さんに絡んでいたのだ。

おっさんの方は見るからにくたびれていて、お姉さんのほうはおっとり系の優しげな人だった。



「やめてください、離して!」



か弱いレディが襲われている姿を見て俺がブチ切れ金剛にならないわけがないだろう。

天誅だ! 天誅を下してやる。





「あ、あんた何やってんだ。その人から離れてください!」



そこから先は、さながら電車男のよーな展開だった。



「助けてくださってありがとうございました。あの、よければお名前を……」



俺は酔っ払いを追い払ったことでお姉さんから感謝された。

とても癒される笑顔だった。俺も嬉しくて、ちょっとテングになっちゃったくらいだ。



「名乗るほどの者ではありません。それじゃあまた、どこかでお会いしましょう」




■□■



「ってことがあったワケよ~、そのおねえたんとはその後会ってないけどな~」



「てめェ……フラグ立てやがったな……ギギギ」



何があったかというと、この前あった出来事をリョウたちに話してあげていたのだ。

くふふ、あのクールでキザなリョウが嫉妬に狂う顔は実に愉快じゃのう。




「つまりそのお姉さんはエルメスたんで、マサキが電車男ってことかー。でもさ、君って場所的に電車じゃないでしょ」



「バス男ってか?」




3人で納得すると、豪快に笑い飛ばした。

ただ、廊下からも聞こえるほどでかい声だった為エリカに注意されてしまった。

ダメじゃん俺、最近エリカたんに怒られてばっかりだお。このままじゃ嫌われちゃうお……。




■■□






その人の噂は、何度か聞いたことがある。



その人はとてもケンカが強いと、聞いたことがある。



その人はガラがすごく悪いと、聞いたことがある。



「今日も先公うざかったなぁ!」


「ホント、ホント! あんなキモガリ野郎より美人な姉ちゃんに教えてもらうほうが嬉しいっつうのによォ!」



でもその人は、悪い人ではないらしい。





「おいおい、他人の悪口はそうそう言うもんじゃないぜ?」



「げえぇ朝霧さんッ!?」



「す、すんませんしたァ!」



見上げるほど身長が高く、目付きもとても鋭く見るもの全てを震え上がらせるほどのコワモテ番長なんだって。めちゃもて委員長じゃねーぞ。



でも義理堅いその人は、ケンカはしても女の子は絶対殴らない主義でフェミニストらしい。



すっげーな、カッコいい!



「なあリョウ、その朝霧って人は何年生?どこで会えるの?ねーねー、教えてよ!」



「騒ぐなよ、うっさいなぁ~……2年生らしいぜ、朝霧さん」



リョウによれば、そのカッコいい朝霧さんは二年生だと。だがもっと、俺には情報が必要だ……聞き込みと参ろうか。

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