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クリスマス会

「ター君、おっはー!」

「あれ??みーちゃん?」

「なによ。」

みーちゃんが居るとは思わず驚いてしまった。

いつものように母さんと喋って朝ごはんを食べていた。

みーちゃんは目の周りが少し腫れてるようだったけどどこかスッキリしたような顔つきをしていた。

「今日行けなくてごめんねー!みんなにも謝っておいて!」

「うん。分かった!」

「昼はおばさんとケーキ作るんだぁ!今日はお父さんとクリスマス会だからね!」

「みーちゃん美味しいの作るわよー!」

「おーよ!」

いつものみーちゃんだ。良かった元気で。


「僕はもうバイト出るから。終わったらそのままみんなの所行ってくるよ!」


僕が玄関を出ようとしたときみーちゃんがやって来た。

そして、後ろから抱きついてきた。

「昨日はごめんね…困らせちゃったよね。でも私は後悔してないよ!伝えられて良かった!」


みーちゃんは満面の笑みで僕を見送ってくれた。


「よーし!今日もバイト頑張ってこい!そんで夜は楽しんで来い!茜をカッコよくエスコートしろよ!!行ってらっしゃい!」

バーンと強く背中を押してくれた


「うん、ありがとう!行ってきます!」

みーちゃんありがとう。



「おい。大沢、今日私達も行く事になったから。」

「え!?」

「茜が来いって。人が多い方が楽しいからって。」

「そーなんですか。」

「嫌そうだなお前。」

「そんな事ございません!」


バイトも無事に終え、店長と橋本さんと一緒に向かう事に。

「こんなおじさん混ざって良いのかなー??」

「全然大丈夫と思います!店長なんかノリが若いし。」

「若い!?嬉しいなー!」

「見た目は完全なるオッさんだけどな。」

「ひどーいマイちゃーん!」


僕達は集合場所に着いた。


「カラオケかよ。」

「田中がここが良いって聞かなくて。」

「あのオタメガネか。」

「良いじゃんカラオケー歌う歌うー!」


302号室にお連れさんが待たれていますーごゆっくりー

僕はカラオケが初めてだった

「メリークリスマス!!!」

パンッパンパン

クラッカーが鳴り響いた。


「メリクリでござる!あっ体育祭の時の美女ではないか!」

「あ、こちらはうちのバイト場の店長と橋本さん。」

「メリクリーおじさんも参加しちゃいまーす」

「橋本さんいきなり誘ってすみません!」

「お、茜。いいよ。どうせ暇だったしな。」

「マイ姉も来るなんて…」

「おー居たのかちびっ子。見えなかった。」

「チビって言うなー!」

「ルリリンをイジメるなぁー!!」

「気持ちわりー。オタメガネ私とハセちゃんビールな。」


「お、大人な…皆はジュースでござるな!」


飲みモノが揃ったところでカンパイをした。

盛り上げ隊隊長の田中が歌いだす。

う、うまい。なんなんだこの美声は…


「お兄…バカ兄貴は歌だけは上手いんだよなー。アニソンばっかりだけど。」

店長も負けじと最近のJPOPを歌いだす。

かなり上手い。田中なんか比にならない。


「店長さん上手ー!」

「うん、上手かった。」

「いやいや、とんでもない!」

「くっ…持って行かれたでござる。」


「茜さんは歌わないの?」

「んー私はカラオケは苦手で…いつも聴くだけ!」

「北条先輩ルリと一緒に歌いましょー!」

「えー!」

無理矢理歌わされている。

でも、全然歌えてるじゃないか。

「次はブタミ氏でござるな!」

「僕カラオケなんて初めてで….」

「気合いだ。」


気合いで歌った!

みんな笑っている。

「あー腹痛っ。お前下手だな。」

「初めてなんだから仕方ないじゃないですか。」

「琢己くん大丈夫!歌えてたよ!」

なんて優しいんだあなたは!


カラオケは田中と店長の力でめちゃくちゃ盛り上がった。

「大沢ー。ちょっとトイレ連れてって。」

「えー橋本さん出来上がってるじゃないですか!」

「マイちゃん大丈夫かい?大沢きゅん連れて行ってあげて!あっ僕の番だ。あ〜あ〜」


トイレまで連れて行ってあげた。

「あースッキリ。」

「酔ってます?」

「まだまだ。全然もっと飲むぞ。クリスマスだからな。」

「大丈夫ですか?」

「なぁ…大沢。私今日ハセちゃんに言うから。」

「言うって?」

「気持ちを…伝える…」


「え??」

「だからお前も頑張れよ。今日そんなに話してねーだろ。私も頑張るから…お前もな。戻るぞ!」


橋本さんは店長になんて言うのだろう。

僕も頑張れか…茜さんに…。


「店長とのデュエット最高だったでござる!」

「君もなかなかやりおるねー!」


「ルリ眠たくなって来ちゃったー!」

僕はグイッとジュースを飲んだ。

「あ、大沢。それ!」


「ん?あーなんか喉の辺りが熱い気がする!!」

「ハセちゃんのチューハイ。」

「えー飲んじゃったの!?大丈夫?大沢きゅん」

「なんかこれが酔っ払うってやつなんですね…」

僕は意識を失った。

「琢己君大丈夫??」

「こいつどんだけ弱いんだよ。初めてでもここまでならんぞ。」

「寝かせてたらすぐ起きるよーじゃもう一曲ー!」

僕が気を失ってる間も凄く盛り上がっていたようだ。

何時間寝たんだろう。

「は!」

「あ、起きた?」

「え、茜さん?」

「そーだよ!大丈夫ですかー酔っ払いさん!」


「あれ、みんなは?」

「さっき帰っちゃった。瑠璃ちゃんも寝てしまって田中さんがおぶって…橋本さんも結構酔っちゃって、演歌とか歌いだして店長さんが連れて帰った。」

「2人?」

「ふた…りだね!」

しまったーなにしてんだ僕は。


「ごめんなさい!なんか寝てしまって!」

「んーん。全然。私達も行こっか!」

「はい。」


帰り道、大きなツリーがあった。

「わぁ大っきいね!キレイ!」

「そうだね。」

あれから橋本さんどうしたのだろう。

お前も頑張れとかみーちゃんも応援してるとか僕はどうしたら良いのだろう。


「うちにも小さいツリーがあってね…」

やばい。会話が全然入ってこない

「それでねうちのワンちゃんがね…」

あー。僕は…僕は…


「僕は茜さんが好きです。」


時間が止まったようだった。

道行く人たちまでも止まって見えた。

いや、本当に時間が止まってたんじゃないか。

言ってしまったのか?声に出てた?心の中で言っただけじゃないのか?

僕は手汗が流れ出るんじゃないかって程熱くなっていた。


「え…あ…あの……」

何か言いそうな言わなそうな感じで涙を流し茜さんは走って行ってしまった。

「え……………?」


なに?どう言う事?やっぱりフラれたって事…だよね。まぁそうだよね、僕みたいな奴があんな可愛い子と両想いなわけがない…。

分かってた、分かってたけど悲しい。失恋って言うのはこんな辛いことなんだ…

でも、人を好きになるってなんか楽しかったなぁ。


「帰ろ」


明るかった街も次々と電気が消えていく。

今の僕の心の中のようだった。なんかなにも考えたくない。


そこにはベンチがあって座った。

「ふー…」

ただただ無心で居た。


「ちょっと君。」

警察だ。補導されるかも。

「君何歳?」

「じゅ、17です。」

「こんな時間に?どこの学校?」

あーやっぱり。今日はツイてない。

「あれ!?てか、ちょっと前のヒーローの青年じゃない??なんか見た事ある体型の奴と思ったら!」

「え?あ、あの時の交番の!」

「よぉよぉなにしてんのよーこんな所でクリスマスによぉ?あの時の可愛いお嬢ちゃんにでもフラれたのかい?ガハハハハ」

「はい…。」

「え!?マジで!?ごめんなさい。」

「あ、いえ。なんか分かってましたから。」


「なんだよそりゃ!よっしゃおっちゃんが温かいコーヒーを奢ってやるよ!」


「……財布忘れた。」

「良いですよ、僕が出します。」

「悪いな!助かるよ!もー寒くて寒くて。なんでこんな日に見回りなんてせにゃならんのだ!」

おっさんはタバコに火をつけた。


「仕事なんでしょ…」

「まぁな!クリスマスくらい早く帰って息子の顔が見たいぜ。」

「フラれるってつれーんだよなぁー。でもフル方も結構ツライんだよあれ。好きとか愛してるとか言われるのは嬉しいもんだからよ!それを言ってくれる相手がどれ程いるかって考えたらそれを断るってのも勇気がいるのよ。」

「まぁ兄ちゃん。女の1人や2人でくじけんなよ。もしかして初恋だったのか?」


「初恋では無いんですけどそれに近いですね。」


「ほぼ初恋かぁ〜。いいねー俺にもそんな時期あったっけな?まぁ初恋は実らねーって言うもんな。」

「ははは…」

「わりぃわりぃ!まぁ女なんて星の数ほど居るよ!数打ちゃ当たるぜ。俺は仕事に戻っから!兄ちゃん気をつけて帰れよ今日は見なかった事にしてやるよ!じゃ。」

「ですかね…ありがとうございます。頑張ってください。」

おっさんは敬礼してまた自転車で見回りに出て行った。

あの人と喋っていたら少し気が楽になった。

「帰るか…」



プルルプルルプルル

携帯が鳴り響いていた。

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