表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/82

六十七話 召喚魔物

 



 50階のボスは大きいゴーレムが三体いただけで雑魚だった。ドロップ品も鉄ぐらいで大したことないので魔石だけもらいエマにあげた。

 オーブ前で



「ねぇね…エマちゃんと写真撮ってもいい?」


「いいけど…もれなく俺がついてきます」


「問題ないわ」


 3人とエマで写真を撮りダンジョンを出る。


 魔石はこれから出す必要がないので珍しいドロップ品があった時しか本部にはいかない。

 最近エマのツイート多めだったので今日はさっき撮った写真をあげる。


『偶然ダンジョン内で会いました、今日のエマは一段と可愛いです』


 24階に行くと部屋の前に御子神さんがいた。


「どうしたんですか。こんな時間に」


 今の時刻は20時すぎだ。


「社長がお呼びです。今すぐ来てください」


 急ぎの用事みたいだ。

 社長室に向かう。


 ノックをして入ろうとすると


 バンッ!!


 扉が開き汗だくの社長が姿を現した。

 筋トレでもしてたんだろうか。


「おまえっ!…おせぇ…っ!」


 どうやらそういうわけではないらしい。

 何かあったようだ。


「どうしたんですか?」


「…!?ニュース見てないのか!?」


 なんのことやら?…でもニュースになっているということは余程のことがあったのだろう。


「ダンジョンから帰ってきたばかりなので」


「……愛媛の松山市が壊滅状態だ。わかっていることは『言葉を話す魔物』が地上に出て暴れていることだけだ」


「……!?」


 この時が来てしまった。恐らくそいつは召喚された魔物だろう。いずれこうなるだろうとは思っていたが…


「壊滅とは…どれぐらいですか?」


「…生存者は不明だ。松山市にあるダンジョンを中心として1キロほどが瓦礫の山だ。10人ほど協会の者が討伐に向かったが…全滅だ」


 そうか…。協会もばかじゃない。それなりに強い人を送ったのだろう。それで全滅。さらに言葉を操る魔物。推測に過ぎないが400レベルは超えていると思う。これは…



「俺の出番ですか…」


「ああ。お前にその魔物の討伐を頼む。成功報酬は20億だ。お前が戦うのと同時に救出班も動く。…カバーできるか?」


「相手のレベルにもよりますが…頑張ります」


「よしっ!ヘリを用意してある。御子神、案内してくれ」


「承知しました」


 社長室を出て案内のもとヘリに向かう。


 まさかダンジョンから出たらこんなことになっているとは。ツブヤイターでも松山市の話題でもちきりだ。

 もしかしたら危険があるかもしれないので真琴にも連絡をしてみるが…出ないようだ。まだダンジョンにいるな?

 短文で現状と松山市に来るように伝える。


 今回の件は世界的にも取り上げられているようだ。危険を顧みない記者だろうか。松山市の瓦礫を写している。他にもいそうだな。


 ヘリに乗るが御子神さんはここまでだ。


「案内ありがとうございます」


「…お気をつけて」


 ただそれだけの言葉だが「絶対に帰ってきなさい」という意思が感じられた。


「はい」


 それだけを答えヘリが飛ぶ。


「きゅい!きゅい!」


 珍しいからだろうか。めちゃくちゃはしゃいでいる。


「エマ。今から向かうところは危険な場所なんだ。パパはある魔物を倒さないといけないんだ。その時は我慢して待っててくれ」


 真剣にそう伝えるが…


「きゅいぃ…きゅいぃ…」


 泣き出してしまった。


 ぐっ…!耐えろっ!俺!


「…泣いてもダメだ…!そろそろ親離れしなさい!」


 まだ産まれて数日だが。これもエマを危険にさらさないためなんだ。


「きゅいぃ…!」


『一緒に行く!』みたいに聞こえる。


「だめだ。エマがもっと強かったら連れていけるがまだ弱い。無茶をしてついてくるのは今じゃない。頭のいいエマならわかるだろ?今から戦うのはエマを一瞬で殺せるような存在だ。何がなんでも連れてかないからな」


「きゅいぃ…」


 渋々ながら了承しているようだ。

 絶対に安全な場所と安全な人に預けよう。


「松山市まで1時間30分ほどかかります。それまではご自由にしててください」



「わかりました。魔物の上空につく少し前に起こしてください」





 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「こんなもんかぁ?」


 それは今人間の頭を持っている。


「…くそ……が…ッ…」


「どいつもこいつも弱ぇなぁ?人間ってこんな雑魚ばっかなのかぁ?」


 頭を持たれた人間は必死に抗うが…無駄な抵抗だった。


 殴ってもびくともせず剣で腕を斬りつけても斬れず…なす術がなかった。


「はぁ…つまんねぇなぁ。もういいや」


 グシャッ!!


 頭部は握り潰され男はそれっきり動かなくなった。


 そいつが立っている場所は真っ赤に染まっている。決して1人の血でこうなったわけではない。10人ほどが戦い敗れていった人たちの血だ。


「もう人間いねぇし移動すっかぁ」


 ドス…ドス…ドス


 体高3mほどの赤黒い鬼は人間を求めて移動を始めた。








「私は今治市の避難施設に来ております。危険区域指定が出され松山市の住民は避難をしており、現在このシェルターで待機しています」


 そういうのはアナウンサーだ。


「探索者協会の探索者が魔物の討伐に向かいましたがここからでは状況がわかりません……」


 そこで


「大変だ!魔物がここに近づいてる!」


 男性がそう言うと避難施設はパニックに陥った。

 我先にと皆が出口に向かい女、子供は置き去りにされるものが多かった。アナウンサーが現状を伝える。


「!?ただいま、魔物は今治市に向けて歩みを進めているそうです!私たちも避難した方がいいかもしれません!」


 そう言うとカメラは回したまま撤収作業を始めるが……。



 ドゴォォォォンン!!!ドゴォォォォンン!!


「「「きゃーーーーー!!!!」」」



 段々と建物が壊れる音が近づいてくる。

 避難施設の建物も壊され姿を現したのは赤黒い鬼だ。


 アナウンサーたちは恐怖で身動きが取れなくなりその場に立ち尽くしてしまった。そのせいか、


「おぉ?人間いるじゃねぇか!はっは!殺し合おうぜぇ!」


 赤黒く大きい鬼が一歩一歩向かってくる。

 常人ではこのプレッシャーには耐えられないだろう。その場にいたカメラマン、アナウンサーは失禁していた。


「んあぁ?くせーな。死ねや」


 大きな足でカメラマンとアナウンサーの頭部を踏みつぶす。


 グシャッ!


「よぉーし」


 そう言うとまた歩を進め、逃げ惑う人間を追う。





読んでいただきありがとうございます。

もしこの作品が面白いと思ったら下にある評価を押していただけると嬉しいです。

感想とブクマもよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ