【詩】名を
あの時言えなかった言葉 空っぽの胸で音立てる
いつも思っていたのに一度も伝えられなかったなんて
照れくさいなんて思わず伝えときゃよかったなんて
今思い返したって もう二度とは戻らない時
抱えていたら痛いままだから 忘れてしまおうとするんだ僕らは
笑ってしまえたら楽だから 隠してしまおうとするんだ僕らは
だけど それで一体君は何に微笑むの?
忘れようとしなくていいよ 大事だから泣いても抱きしめているんでしょう?
笑おうとしないでよ 分かりきった嘘なんて、見たくないんだよ
助けてってもっと頼ってよ 僕の名はそのために在るんだよ
あの日君を護れなかった痛み まだずっと突き刺さったままで
何度思い出しても何かできたんじゃないかって 後悔が
幾度の夜を越えてもふと聞こえる気がするから あの声が
どれほど涙に溺れることがあっても 生きていくんだよ僕らは
ボロボロに擦り切れた心でも 見ていかなくちゃいけない僕らは
だから 一人ではできないことなんだよ
ただの一度も思っちゃいなかった ”当たり前”が幸せだと気付くこと
ただそばにいられたらさ 他に望むものなんて何があるというの
君の名を呼ぶためのこの声だよ
忘れたってその過去は なかったことになるわけじゃない
笑おうとしたってその表情は 嬉しいわけじゃない
どうせ苦しむのなら 泣いたっていいんでしょう、忘れないために




