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16、魔女は捕まり焼かれ
「ベラ……!」
「随分とお楽しみの様で」
全く何をそんな驚いた顔をしているのだろう。
私のターゲットがその子である事に気づいていなかったのだろうか?
可能性はあるか。あの子はそういう事言えなさそうだし。
「ベラ……! 僕を裏切りどこかに行ったのに、今更何の用だ!」
「私はあなたが今手を握っている相手に用があるのですよ。その子が私の探していた呪いなので」
ひぃ、ふぅ、みぃ。足音からして背後からもたくさんの兵士が来ていそうだ。
こんなか弱い乙女1人に何人かけるつもりだろうか?
全く根性なしなんじゃないか? 魔女だというのがそんなに怖いか?
「逃げたばかりでなく、僕の大事な人まで奪うつもりか! ベラ!
もう僕には君が必要ない! 死ね! 火炙りだ!」
「バカな事を」
あの子の呪いの元と対決するには肉の身は必要ない。
あの子に憑りつく呪いと戦い、打ち負かせば終了だ。
これが終わったら彼との因果が断ち切れ、私は屋敷に引き籠ってゆっくりできる!




