時間の闘い
我々が景観条例の問題を指摘してすぐに、その週明けニ月二六日にはタワラコーベンが条例による届出を持っていった。これは市役所で鉢合わせした私たちが目撃したとおりだ。しかし、それ以降のタワラコーベンの動きはなかなか読みにくい状況と成った。解体工事は終了し、唐田工業による水盛り、仮囲いの移動が行われて、次の説明会を三月四日と指定してきた。しかし、それはすぐに延期となり、三月に入ってからは現場での動きは無くなった。一方で、デイズタウンにあるモデルルームは改装が始まり、マンションの販売体制を整えつつあるようであった。
住民は各個人が市役所に働きかけることにした。電話を入れては、お願いを繰り返すのだ。景観条例の届出を受理するな。重機の搬入を許可するな。それが住民の要求で市はそれに答えるべきだ。それぞれの言葉でそんな電話を入れた。反応として、様子が掴めることもあった。
住民側は、道路課に対して重機通行許可を出さないようにガス管問題でのお願いを繰り返した。景観形成条例のチェック項目「周辺との調和」をてこに、審査済証の発行をしないように要請を繰り返した。高度地区に関しては知事の認可が下りるのを待って市への陳情攻勢をかけるつもりでいたが、三月七日には市がホームページで三月二〇日告示を発表してしまった。景観条例の厳格な適用を要求し、まちがっても三〇日以前に審査終了証を発行することのないように働きかけたが、先例では市はすぐにでも審査済証を発行してしまいそうだし、道路も二〇日まで粘るのはどう考えても苦しい。
しかし、苦しいのは住民側だけではないはずだ。タワラコーベンも、何時重機が動かせるのか、いつ着手が可能になるか確定していない。三月は年度末だ。下請けを手配して、短時間に工事を進めることはそう容易くないはずだ。杭打ちまで進めるには一週間くらいかかる可能性があるし、山留めだけで着工と認められるかどうかには決まっていない。やるとすれば、重機が搬入できるようになった時点で一気に工事を進めるはずで、工事現場の不気味な静けさは、水面下で着々とその準備を進めている様子であると考えられた




