【最終話】エピローグ
全てが終わり、ネクロによって掛けられていた催眠の魔法が解けると、眠りに落ちていた兵士達は次々と目を覚まし、城の惨状に目を白黒させた。
肝心な時に王を守れなかった王国兵士達は罰則を願い出たが、国王であるシューザに却下され今まで以上に励むようにと言葉を送った。
責任を感じていたのは兵士達だけでなく、宮廷魔術師であるスリザリンはその職を辞するとまで言い出し。さすがに彼女ほどの魔術の使い手が居なくなっては困ると説得のしあいとなり、最終的に1年間の減俸処分と言う事でシューザが何とか納得させた。
同じ様に聖女であるメグミも責任を感じていたが、そもそも、この国、この世界の人間ではない彼女に責任を負わせる気はないとして、それでも納得いかないという事であれば、今後も国の為に聖女として励んでほしいという事で決着がついた。
城下町などに関しては、目立った被害はなかったが、傷一つの無い魔物や魔術師の死体が転がって居たり、ゾンビが干からびて居たりと、別の意味で大騒ぎとなった。
「アドラ殿、此度の助力には本当に感謝してもし足りぬ。」
「かまわん、私が個人的に動いただけの事だ。」
「だが、魔物達の後処理迄して欲しかったがね。」
「そこまでは私の責任の範疇外だ。騒動の間寝ていた兵士達にでもやらせればよかろう?」
「ぐぅ… そうであるな。」
「では、我々の用事は済んだ。国もあとは貴公達で何とか出来るであろうからな。そろそろ帰らせて貰おう。」
「うむ、褒美に関してだが…」
「必要ない。以前の約束を守ってくれればよい。」
そう言うとシューザはアドラを、アドラはシューザを見、ニヤリと笑う。
その不敵な笑みは、どことなく似通っている様で、ローズは二人の横顔を見て涙が流れた。
「アドラ陛下、今後も壮健であられます事をお祈りしておりますわ。」
「ああ、王妃殿下も。そして王女殿下にもよろしくお伝えください。」
アドラは最後にそう言い残し、マントを翻し謁見の間を去ろうと足を踏み出すと、そんなアドラを留める様にシューザがポツリと零す。
「良いのか? スリザリンとメグミには黙ったままで。」
「構わん。スリザリンには旅の間には世話になったがそれだけだ。メグミに関しても中学時代の同級生と言うだけの関係だ。」
「で、あるか。解った。ワシから彼女らに言う事はせぬ。で、将よ今後はどうするつもりだ?」
「急に爺ちゃんモードになるなよ… 今後かぁ、取り敢えず仲間達と色んな所に行きたいな。いろんな所に行って、んで色んな物食べて。あ、この世界って娯楽がボードゲームと本くらいしかないから小説でも書いてみようかな。」
「ほう、小説か?」
「うん、自分で言うのもなんだけど、俺の人生ってフィクションみたいな事の連続じゃん。だからそんな俺の人生を小説にして出すのも良いかも。」
「ハッハッハ。ならばその小説が発売された時は是非買わせて貰うとしよう。それで、その小説のタイトルはどうするんじゃ?」
シューザの質問にアドラ…将はう~んと考えるそぶりを見せると、何かを思いついたように振り返り、仮面を外し満面の笑みで答える。
「俺達の旅はこれからもまだまだ続くと思うんだ。だからさ…」
「うむ。なんじゃ?」
「だから今ん所は。タイトルは未定って事で!」
エピローグと言う名の最終話でしたが
コレでこの物語は一応の完結です。
気が向けばサイドストーリーとか書くかもしれませんが
取り敢えずのアドラの物語はここで一区切りとなります。
ここまで読んでくださった読者の皆様本当にありがとうございました。
やや駆け足気味での進行でしたが、自分が書きたい物を書けたので私は満足です。
感想、評価、ブックマーク、レビュー頂けるとた作品の執筆の際の励みになりますので
何卒よろしくお願いいたします。
重ね重ねではございますが
ここまでお付き合いいただき
本当にありがとうございました。




