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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
普段の日常と、ちょっぴりSF
81/138

無限に続く廊下に迷い込んだユキとキララ(5)

 また、自動ドアの部屋。


 二人別々のドアから出ることが前提。

 自動ドアは近づくと閉まってしまう。

 自動ドアの横の壁から、壁を通り抜けて部屋の外へと出る。


 部屋をまわりこむと、ドア。


 ドアを開ける。


 さっきの幅5センチの白い廊下が中心のほうへ伸びている部屋。


 ユキは時計の文字盤で例えると6時の位置にある丸い床の上に立った。

 キララも同じように12時の位置の丸い床の上に立った。


 白くて細い廊下が自動的に時計回りで回転をはじめる。


「今度は中心へと行かずに9時と3時の位置にある丸い台へ飛び移ってみよう…

次のタイミングですぐに飛び移ってくれる?」キララからの提案。


「わかった」ユキは返答した。そのときの位置は4時のところ。

 6時の位置をすぎて9時の位置が近くになる。


 キララは3時の位置に…僕は9時の位置の丸い台へと飛び移る。


 がこん。ユキは丸い台が不安定で、台が水平に固定されていないことに気がついた。


 ユキはキララのほうを見る。キララは台の上に立っていたが、落ちていくユキを見て、とっさに手をのばそうとした。

 キララもバランスを崩して落下する。


☆☆☆


 気がつくと下の床がせまっていた。


 どすん。


 ベッドの上に落ちる。


 そして、僕の真上にキララが落下してきた。


 とっさにぎゅっと抱きしめる。


「ありがと…」キララの体の重みと体温、それときつね耳の毛の感触を感じる。

 キララは横にずれた。


 ユキはキララをぎゅうと抱きしめたまま顔をキララの狐耳におしつける。

 ちょっとだけすりすりする。


「また落ちちゃった」ユキはそのまま言う。


「うん」しばらくユキはキララを抱きしめていた。


 キララもしばらくそのままにしていたが、2人してまた起き上がる。


「ねえ。疲れちゃった。休憩しない? またご飯食べてから横になって寝たほうがいいのかな?」ユキはキララに言う。


「うん。僕の感覚だと、夜の22時ぐらいに感じるし…温かいスープだけ食べて…ちょっとだけお茶飲んで寝ようか」

とキララ。


 僕たちはまた、テーブルの用意をする。


 鍋の蓋を開けるとシチューのようなスープだった。

 夜食を食べ終わりひといきつく…

 そのあと、ベッドに入り、2人で横になる。


「しっぽ布団。お願いできる?」ユキはキララのしっぽをみる。


「うん」キララはしっぽを前のほうに移動させる。

 ユキとキララは向かい合わせに、横向きに横になって寝ている姿勢。キララのしっぽを2人ではさむ。


 キララのしっぽはいつもと同じに感じる。どうみても仮想世界ではなくて現実に思える。

 まあ、一眠りして明日考えよう。

「おやすみ…」

「うん。キララ」

 キララとユキは目を閉じた。


☆☆☆


 ユキは目をあける。


 目の前にキララの顔があり、キララと目があった。


「おはよ、ユキ君」

 キララはユキの髪の毛に手をあてる。

 キララの手がやさしくユキの髪をなでる。


「うん。なんか変になってた?」ユキはキララに聞く。


「うん。ちょっと寝癖になってるよ」

 優しいキララ。


 ユキはキララのきつね耳に手をあててなでる。


「ここで一生暮らす? 2人きりで…」ユキはキララの耳を優しくなでながら言う。


 キララは「まあ、一生出られなかったらかな… 残りの命が1つになったら考えようね」


「うん。でも怖いんだ。また落ちるの…」ユキはキララに言う。


「うん。そうだね…実は前回。台の上に立ったとき、僕のしっぽが震えていたんだよ。怖くてね…」

 ユキはキララのしっぽを見て、キララのきつねしっぽを触る。


「ぜんぜんわからなかったよ…」ユキはキララのしっぽをそのままなでている。


 ユキとキララはしばらく見つめ合っていた。


「さてと、次の作戦だけど… そもそも回転する丸い台に乗るのがいけないということも考えられるんだよ…」

 キララは言う。


「それはどういうこと?」ユキは考えた。今までの仕掛け。気づきが必要だった。見た目には惑わされないこと。


「別のところに出口がある可能性。

回転する白くて細い廊下の中心へ行こうとしたり、横の丸い床へと乗るとだめなんだよね」


「うん」


「考えてみて…難しいと思わない?」


うーん確かに。正解と思うものを一つずつ試していたら、死んじゃう…


「うん。死なずにいろいろ試すのは無理かな…」

 落下したときのことを思い出して怖くなるが、キララのきつねしっぽをなでて気を落ち着かせるユキ。


「まずはドアを開けたら他になにかないかを探すこと…それと落ちないようにすること…」キララが言う。


「うん。わかった」

 ユキとキララはベッドから降りて、階段へと足を運ぶ。


 バツの印は2つ増えている。丸の印は残り6個。


☆☆☆


 ユキとキララは再び、白くて細い線の廊下がある部屋へと向かう。


「じゃあ、そのドア付近とか、横の方に何かない?」キララがユキに聞いてくる。


「うーんとね。まだ見つからないよ…」

 ユキは何か変わったものを探すが見つからない。

 ユキはよつんばいになり、床を手探りでさわる。見えない床とかがないかどうか…


「ねえ。ユキ君なにか見つかった?」キララがこっちを見る。


「いや。ないよ…」ユキはいったん立ち上がる。


「もうちょっと探そう…」キララの声。


「うん」

 ユキは入ってきたドアを見る。


 再びドアを開ける。


 さっきの自動ドアの部屋の壁がある。


 壁をまわりこむ。


 自動ドアがあった。


 更に自動ドアをすぎて壁を回り込むとまたドアがある。


 ユキは試しにドアをあけてみた。


 また、丸い床と白くて細い廊下がある部屋がある。


 廊下を挟んで向こう側にキララがいる。


「ドアの向こうはなにか違いはあった?」ドアから入ってきたユキを見つけてキララが声をかけてくる。


「いいや。おんなじだよ。ドアを開けて、自動ドアの部屋の壁をまわりこんで、自動ドアを過ぎて進んでみたんだけど、そこにもドアがあって開けたら、今のように出てきちゃった」


「そっか。こっちもなにもないよ…」


 ユキは床のうえに座り込む。


 ボーン、ボーン、ボーン。と3回鐘の音がどこからか聞こえてきた。


「なんだろ」

「なんだろうね」


 再び見落としがないかを調べる。


 キララは、丸い床の上に乗る。


 白い廊下は回転しない。


 おそらく、両側に2人乗らないと回転をし始めないのだろう。


 キララはよつんばいになって、中心のほうへとのびる白い廊下に片手をのせる。


 いろいろ調べているようだ。


 ユキは下のほうを覗き込む。


 かなり下に床が見える。


「おーいユキ君。白い廊下。渡ることができたよ」キララの声。


 顔をあげると、中央の丸い床の上に立っているキララ。


「なにかある?」ユキはキララのほうを見る。


 うーん。と言いながら探すキララ。


 ボーン、ボーンとどこからか鐘の音が鳴る。


「まただね…」キララは中央の丸い床を調べる。


 何度もしらべてみるが、何もない。


 キララは白い廊下から、もとのドアのところまで戻ろうとする。

 白い廊下へと一歩踏み出す。


「あ。キララ」ユキは声をだした。


 とすん。白い廊下の両脇の何もないところに立つキララ。


「大丈夫」キララが言ったときだった。


 ボーン。鐘の音が1回鳴る。


 そして、この部屋の床が崩れだす。


 端のほうから…


「え?」

 ユキは後ろへと下がる。


「だめだよ…うしろもくずれている…」


 キララの声が聞こえたときは遅かった。


 ぐらっとバランスをくずして落ちていく。


 キララが立っている白い廊下も崩れだす。


 どすん。ベッドの上に落下するユキ。


 上をみていると、しっぽがみえた。


 どすんとユキの横に尻もちをついて落ちてくるキララ。


「また死んちゃった…」

 真横にあるキララの狐しっぽを手でさわるユキ。


「僕。わかったかも…」というキララ。


「え? それ本当? どうすればいいの?」


 ユキはキララの考えを聞く。


 2人はベッドの上から降りる。


 階段の途中のバツの印。いつのまにか10個になっていた。丸の数はゼロ。


「なんで一気に減っているんだろう。これってやばいよね。もう失敗できない…」

 キララが言う。


「さっきのキララの考えが違っていたら死ぬってこと?」


「うん。僕のこと信じる?」


「キララなら…」


 部屋の中央で2人。またハグをする。ユキはキララのきつね耳をなでて、キララはユキの胸に顔をくっつける。


「さてと、準備はいい?」


「うん」


「じゃあ。行くよ…」


 キララとユキは別々の自動ドアへと向かう。


 そして、自動ドアの部屋から出てまわりこむ。


 ドアがある。


 ユキはドアの前に座り込む。


 鐘の音。3回、2回、1回の鐘の音が鳴った後にドアをあける。


 それがキララの作戦。


 もし、鐘の音が時間制限のタイムアップの音なら、床が崩れて落ちてしまい、こんどこそ死ぬ。


 しばらく待つ。


 鐘の音が聞こえるまで待つ。


 けれどもこのドアを締めていても鐘の音は聞こえるのか。


 ふと気になってドアを開ける。


 その直後3回鐘の音が聞こえた。


 うん。聞こえた。


 もし、ドアを開けることがだめだったらもう手遅れ。


 またしばらく待つ。


 2回の鐘の音。


 うん。後一回。


 しばらく待つ…


 ボーン。1回鐘の音。


 そして部屋の中の床が崩れだした。


 ユキはドアを閉める。


 崩れていく床の音が聞こえる。


 そのあと静かになった。


 ユキはそっとドアを開ける。


 「あれ? 部屋が違う」ユキが部屋を見ていると、反対側のドアも開きキララのきつね耳がみえた。


 ユキは新しくなっている部屋に入った。


 部屋の中央でキララと会う。


 中央には台があり、透明のルービックキューブのような、立方体が2つ乗っている。


 ユキとキララは手に取る。


 一辺を手でふれると色が変化する。一つの面だけ色が変化しなかった。


「なんだろ」ユキはさわる。


「これ。見たことがあるよ…面に触れて立方体の面の色を僕と同じ色にしてもらいたいんだ」

 キララは色が変わらない面を下にして持って、手前を黒、逆側を赤、左右の両面を黄色、上の辺を水色にした。


 ユキがキララの手に持っている立方体をみながら色を揃えていく。


 キララの体がひかりだした。


「キララ…待って」消えてしまうとおもった。


「色を揃えて待ってたら同じところに転送されると思うよ…」

 言ったあとにキララの姿は消えた。


 ユキは手のひらに立方体をのせて待つ。


 ユキ自身の体も光りだした。


 ユキは目を閉じる。


☆☆☆


 どこかの星。


 海岸の砂浜近くにユキは立っていた。


 周りをみる。


 キララはいなかった。


 ユキは手の上の立方体をみる。上の面の水色の面を手でさわる。


 すると、ちょっと色が薄い水色になった。


 あれ。水色にも2種類ある?


 ユキの体はまた光りだした。


☆☆☆


 ユキは目を開けた。


 目の前にキララがいた。


「ああ。良かったユキ君。色を間違えたのかと思ったよ。出てくるのが遅いんだもん」

 キララはユキに抱きつく。

 ユキも抱きしめかえす。


「実は水色。間違っちゃって。違うところに出たんだ。またこれの色を違うのに変えて… ここに来たんだ」


 ユキとキララ。

 砂浜に座り込む。


「ここどこだかわかる?」

 キララは聞く。


「なんか見覚えがあるような…」


「追いかけっこした砂浜…」


「あ。あそこの?」

 ユキは周りをみる。


 たしかにこの砂。普通のとは違う。鉱石が砕けてできた砂浜。

 しばらく海を眺め、波の音を聞く。


「自然の音っていいね。波の音。風の音」

 キララのきつね耳が前のほうを向く。


「うん」

 キララが立ち上がる。


「図書館に帰ろう」

 ユキとキララは、キララに言われて抱き合う。キララはユキの体に手をまわして、TMRを操作する。

 自動ドアをあけずに、一人用の転送モードで移動する2人。

 あとでキララに聞くと機能追加してもらったみたい。


☆☆☆


 図書館のロビー。

 TMRで転送すると見覚えのある子達。


 うさ耳の子がみつける。

「キララちゃん。ユキ君どこに行ってたのよ…」ミアお姉さんがキララに抱きつき、ミミアはユキに抱きつく。


「こっちは大変だったのよ、惑星の根菜まつりに参加していたら、いつのまにかゾンビに囲まれていて、そのあと変な空間に出ちゃって、ドアから出たら、小さい立方体が台の上に置いてある部屋に出たの。そのあと立方体の色をオレンジ色に揃えたら文明のある惑星へ転送されて」


「そうなのよ。ララお姉さんはTMRを壊しちゃって、変なところに移動しちゃったから大変だったの」

「そうそう。真っ暗な空間に床しかないようなところに飛ばされて、そこから出るのも大変だったし…」

 うさみみの子たちが言う。


「やっとあたしのTMRが動くようになったからここに戻ってきたのよね。ああ。ゾンビ怖かった」とララお姉さんが言う。


 うさみみお姉さんたちはキララとユキから離れる。


 シマくんとミケア・ミレイちゃんも近づいてきた。シマ君はユキ君に抱きつく。

 ミケア・ミレイちゃんはキララに抱きつく。


「あーよかった」とシマ君。ユキはキララにするのと同じようにきつね耳をなでてみる。


 ユキはキララを見る。


 キララもミケア・ミレイちゃんの耳をなでる。

 ぴくっとシマ君のきつね耳が動く。


「キララとユキ君はどこに行ってたの?」ララお姉さんがユキに聞いてくる。

 ユキはハグしているシマ君を引き剥がして言う「最初。キララのTMRが調子悪くてね。自動ドアを開けたら、渦巻きみたいな感じに続く変な廊下がある空間につながっちゃって…その廊下が変なんだよね。廊下の両脇に急須がのったお盆が無限にならんでいたり…近づくと閉まる自動ドアの部屋があったり…白い細い廊下がある部屋とか… 脱出できずに落下して死んじゃったりね…」


「へ? 死んだって…」シマくんはユキとキララの足をみる。


「あー。大丈夫。仮想空間だったのかも…」


「えーとね。ちょっと待って。聞いたことあるその空間の話…

怪空間に住む生命の時間をうばう生物のことじゃないかしら…

この図書館にも記事があるんじゃない?」

 ミミアが言う。


「それ本当?」ラミちゃんがミミアに聞く。


「あ。それ聞いたことがある」ミケア・ミレイちゃんもユキの話を聞いて言う。

「僕も… 地元でテレビの特集でやってたのを見たよ…」シマ君。


 シマ君とミケア・ミレイちゃんはそれぞれ異世界の出身。

 その話を聞き、キララは怪現象を特集している図書館のブースへとみんなを案内することにした。


☆☆☆


「みんなで体験した空間が載っている書籍や記事を調べてくれるかな」

 ユキとキララは図書や記事を検索する。

 ニュース記事。宇宙の航海日誌など…


☆☆☆


「あった」ミミちゃんの声。


「ほーどれどれって。お魚の記事じゃない…」ラミちゃんがミミちゃんのしっぽを引っ張る。


「ごめん。たまたま見つけた記事に反応して声を出しちゃっただけよ…」

 ミミちゃんはペつのページをめくる。


「あ。にんじん」ラミちゃんが言葉を発する。


「あんたもじゃない」さっさとページをめくるミミちゃん。


「あー人参の記事…まだ読んでいる途中なのに…」

 どん。ラミちゃんが床を踏む。


「こら。静かに… ここは図書館だから… うるさくすると水族館にいる巨大魚の餌にするよ…」

キララが怒る。


「ごめんなさい」

「ごめん」


 うさみみの子と猫耳の子はキララに謝る。


「ねえ。これじゃない? 渦巻きの廊下。降りる階段が無限に続く部屋。時計のように白い廊下がまわる部屋…」

 ミアお姉さんがとなりのミミアに見せる。


「こっちにもあるぞ… 黒い空間に浮かぶ床。ドアが2つある部屋。ドアを通ると同じ部屋へ入ってしまう」


「怪空間からの脱出者の証言。出口に置いてある立方体の解析結果。立方体はこれ?」

 シロが記事に書いてあることを読み上げながら、ポケットからキララとユキが持っているのと同じ立方体を取り出す。


「あ。それ…持ってる」ユキはポケットから立方体をとりだす。


「あんたたちも持っているのね。ねえこの記事一番詳しそう…」ミミちゃんはユキ君とキララを手招きする。

 その言葉にユキとキララは記事に何が書いてあるかを読む。どうやらニュース社に努めている人の体験記事らしい。その人が書いた挿絵も出ている。


『不思議な空間へとつながってしまった。社用で同僚兼恋人のユミと他星系の事件の取材のため自動ドアを開けてくぐり抜けた。

そのあとTMRの調子が悪くなった。どこかの部屋の中につながり、部屋を出るとそこは白い廊下だ。廊下の両端には台があり、台の上にはおまんじゅうがのったお盆が無限にならんでいた。なんでおまんじゅうなんだと独り言を言ったら、ユミはちょうど他星系の名産品におまんじゅうがあるので、食べたいと考えていたらしい。

そのせいかもしれない。

しばらく歩くと、ドアがあり、ドアをあけるとまぶしい光源があった。廊下の真ん中にドアのほうを向けて光源が設置されているらしい。

更に廊下は続いていた。廊下の両脇には今度は鉢植えの根菜が植えてある小さい鉢が台上に置いてある場所だった。あんたなら持てるだけ鉢植えを持ってくでしょ』ミミちゃんが言葉を区切って言う。


「そんなのもってかないわよ」ラミちゃんはそっとミミちゃんの足をふんづける。


「あたしの足が平べったくなったらどうするのよ…」ミミちゃんは足をずらす。

 ラミちゃんの足をミミちゃんが踏む。全部の体重をかけてラミちゃんの足を踏む。


「しっぽ。ひっこぬくわよ…」とラミちゃんが言う。


「また喧嘩しないのほら続き…ミミちゃん」ミアお姉さんがせかす。


 そのすきにララお姉さんはユキ君の背後に回り込み、後ろからユキ君をハグする。

 ララお姉さんは、胸の膨らみをユキ君の肩の上に乗っける。ララお姉さんは両腕をユキ君のおなかまわりにまわす。


 ユキはララお姉さんのほうを見る。

「ほら。続けて…ミミちゃん」ララお姉さんが言う。

 ララお姉さん。ミミちゃんが読み上げている間僕を、もふるらしい。いつものことなので…ユキはミミちゃんをみる。


『廊下をさらに進むと右にまがっているところがある。廊下を進み、何回か右だけに曲がる廊下があり、進むにつれて曲がる頻度が多くなる。最後の突き当り、廊下を曲がったあとにドアがあった。入ると正方形の部屋。中央の台にはおまんじゅうがあった。

ユミはおまんじゅうを手にとって食べようとした。おれは止めようとしたんだが遅かった。ユミはその場から消えてしまった』


「なんか長くなりそうだから個人用のブースへ移動しない?」ミミアが言う。ミミアはうさ耳を横のほうへと向ける。







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