眼に映ったのは鮮やかな金髪ともみじの手
初めての作品です。
誤字、脱字、おかしい点などお気づきになった所があれば指摘していただけるとありがたいです。
「南先生すいませんでしたね、結局3日も夜勤していただいてしまって、ほんとにお疲れ様でした。しっかり休んでくださいね!」
婦長さんに労い(と呼べなくもない)の言葉をかけてもらいながら病院を出る。
7月の終わり、朝日が昇り始めたばかりの人気の少ない国道沿いを愛車のママチャリで疾走する。
「今日こそ絶対にお風呂に浸かるんだー草津~くさーつ~」
3日間中、1度しかシャワーを浴びれなかった自分に決意表明をしていると、この時間によく見かける秋田犬を連れた男子高校生を見かける。
うん、見た目はチャラいけど相変わらずイケメンで賢そうな顔立ちだ、眼福眼福。
交差点で彼らとすれ違う瞬間、聞きなれない音が左側から聞こえた。
キキキキ――ッ、ガシャーン バーーン ドンッ わあああああああーー
私は、自分の体が壊れる音を聞いてしまった。
…ワンワン…ワンッ!
ピーポーピーポーピー…
意識が消えていくのがわかる中…
「あ、斎藤さんとの退院の見送りの約束、果してあげられなかったなぁ」
ふと思い浮かんだコレが私の心残りだったのなら…医師としての自分は結構誇りを持ってちゃんと患者さんと向き合って来てたと言えるんじゃ無いかなと思いながら「南 梓」の平均より短い一生は幕を閉じた。
・・・・・・・・・・
そんなわけで、私ったら多分死後の世界に居る?はずなんですけど、ここがそうだとしたらもう凄い圧迫感、むしろさっきからどんどん苦しくなってる。
なんで?
何度目かの波に乗るように体をねじっていたらヒヤリとした空気を頭に感じた。
あ、出れそう
と思ったら今までで一番キツイ圧迫感が!?
ポンッ
っと音が鳴ったんじゃないかってくらいの開放感を感じていると暖かい布の様なもので体中を拭かれる。
暖かいお湯につけられて全身をくまなく洗われる
ちょっとヌルヌルしてたからありがたい
でも目がなんかボヤけててピントが合わないんですけど…
周りに何人か大柄な人たちがいるのは分かるんだけど何か聞いた事の無い言葉で大騒ぎしているし、どこだろうここは?
そんなことを考えていると、さっきより大きく柔らかい布で私の体がつつまれた
てゆーか、なんで私されるがままにしちゃってるんだろう
うーん、でもなんか身体が上手く動かない…何故?
そっと布ごとベッドらしき感触の上に置かれた私を見下ろす顔がようやくちゃんと見えてきた。
「おおお、なんと可愛らしいんだ!」
「ちちうえ、ぼくにもみせてください」
「勿論だ、ほら」
(あ、もう一人金髪が増えた!?)
「わあ!なんてかわいいんだろう!」
「眼の色はあなたと同じキレイな藍色ね、ジョージ」
「ああ、兄妹そろって美しい瞳だ」
「おそろいだね!かわいいね!」
「…(英語じゃない、ドイツ語でもない、スペイン語でもないし)」
息つく間もなく話しかけられるがさっぱり理解できない言語に頭の中から「混乱」の二文字が消えない、巻かれた布がきつくて体を動かすと少し緩やかになったので伸びをしてみる。
映ったのは NICU(新生児集中治療室)でしか見られない極小サイズのもみじの様な赤ちゃんの手
って、
「おぎゃあああああ!(はああああああああ!?)」
「わあ、おっきいこえだねちちうえ!」
「そうだな、ジョージお前の妹が元気な証拠だぞ!」
「ぶれいくにもみせたいなぁ、いいでしょははうえ?」
「ええ、いいわよ」
私はどうやら、外国人に生まれ変わったようです。
で…どこなんだろう、ここは?
てゆーか、言葉話せるようになるのかな?
第1話、読了していただきありがとうございました。




