ヒロインとはなんぞや。後
遅いとか、そういう次元じゃないので、気まぐれ更新になるかと。
さて、一番大事な事を最初に記そう。
ヒロインのかわいいは作れない。
かわいいヒロインを描きたい人には申し訳ないが、実は人間ドラマを描くときに、最も大事な要素である事を念頭に置いて、エッセイを読んでいただきたい。
かわいいヒロインを描けるよ!
と言う人は、いったんその思想を置いてほしい。作者が可愛いと思うヒロインと、読者が可愛いと思うヒロインは全く別の存在であるからだ。
では、そこから解説していこうと思う。
作者が可愛いと思うヒロインと、読者が可愛いと思うヒロインは違う。と言うのは、それはもう、視点から違うのだから抱く感情も違うのだ。
まず、作者がヒロインを可愛いと思うのは、それは娘や家族の女の子に対して抱く、親愛の感情に近い物だ。
妹、または姉とパイルダーオンしたいと考えている特殊性癖の人々は、ちょっと隅の方に寄って置いてほしい。そのパターンばかりは、亜細万にもどうしようもない。
さて、上記で大体わかってくれたと思うが、分からない人の為に、簡単な解説を置いておこう。
小説の登場人物は、作者の頭の中に住んでいる。
脳内空間と言うのは、結構広いもので、昔書いたヒロインや主人公がひょっこりを顔を出す事もある位、広い世界だ。
故に、作者とキャラクターの立ち位置と言うのは、同居人、そして親子なのである。
現実の親は血肉を分けて、子供を産み出す。
しかし、架空の親、作者は、自身の経験と知識を練り合わせ、子供たるキャラクターを産み出す。
血肉を分けるか、経験と知識によって産み出すかの違いはあるが、そこに抱く感情の差異はない。あるのはその感情が強いか弱いかの違い位である。
自身の娘や息子とファイナルフュージョン承認したい人は、やっぱり隅っこのほうに移動してほしい。理由は以下略。
して、読者が思う、かわいいヒロインと言うのはなんぞや。
という話もしよう
読者にとってヒロインとは、突如として来訪した異性である。
作者は脳内にヒロインのプロフィールが入っているので、どういった所が魅力的か、なんてのは初めから理解しているが、読者にとっては他人故に、まずは第一印象で判断する他ないのだ。
人間の第一印象と言うのは、まず見た目から入る。
小説上でヒロインの魅力をうまく伝える手法としては、全ての容姿をこまごまと描写しないのがコツだ。何故なら、人間にはある程度の理想と言う物が存在し、少ない情報から読者は、こんな容姿かなと想像し、勝手に美少女に仕立て上げてくれるからである。
読者が勝手に魅力を引き上げてくれるので、作者は余計な事をしない方が、ヒロインとしての可愛さは引き立つだろう。
労力をカットするのは、経済活動を行う上で重要な事だから仕方ないね。
さて、容姿はある程度、読者の理想に任せるとして、ヒロインの性格をどうやって伝えるか。と言うのが問題になってくる。
ここからが、ヒロイン達の性格を描写するテクニックの公開になる。
テクニックその1。
ヒロインが主人公の傍に居る理由を変化させよう。
最初に傍に居る理由書いただけでいいんじゃないの? と思う作者も多いだろうが、それだけでは物足りない。
人の心は移ろいやすいので、そう言った心の揺らぎをヒロインの読者好感度を高めると言う手口に使ってしまおう。
致し方なしに傍にいたヒロインが、主人公に惹かれ、傍に居たいと思うようになる様は素晴らしい物だ。
傍に居る必要がある、のではなく、必要が無くとも傍に居たいと思わせる描写を心がけよう。
テクニックその2。
主人公に対するスタンスを明確に。
テクニック1の応用みたいなものだ。
仕方なく傍にいるヒロインは、それなりに仲良くしてはくれるが、主人公の内面までは踏み込んでこない。読者はやきもきするだろう。
要するに、好感度がさして高くもないのに、内面まで踏み込んでくるのはメンヘラである(暴言)
傍に居たい、主人公の事をもっと知りたいと考えたヒロインが、彼の事を知った時、何を思って、主人公に何をしてやるのかを、彼女の性格から考えよう。
自分に厳しいヒロインなら、叱咤激励するだろう。
優しく、母性溢れるヒロインならば、抱きしめてくれるだろう。
こう言ったテクニックは必要不可欠な為、ヒロインの設定はしっかりしよう、な!
テクニックその3。
内面の魅力はギャップ萌え。
わかりにくいので、例題を出そう。
そうだな、例えば、こんなヒロインが居るとしよう。
「えー☆ 主人公君ってアニメ好きなんだ、キンモーイ☆」
彼女はバリバリのギャルである、爪とかネイルアートで人が殺せそうな威力を誇り、髪型はばっちり決まって、シャーマンのようになっている、バリバリのギャルだ。
で、こんなヒロインを見た読者はこう思う。
「こんな男を引き付ける恰好をしているんだから、売春とかしているビッチに違いない(童貞特有の被害妄想)」
して、反感を抱いてしまった読者と、アニメを馬鹿にされて、イラッとした主人公君と読者達は部分的に感情がリンクしている。
共感と言う。
イライラした主人公君は、怒りを収める為に、買い物に行くなり、散歩に行くなりして、外部的にストレスを発散させると言う行動をとる。
そこで見てしまう訳だ、学校ではイケイケな彼女の意外な姿を。
主人公が向かった先は、スーパーで、そこでは左手に買い物かごを持ち、右手には小さな少女の手を握っている訳だ。
で、ヒロインはこう言う。
「妹、今晩何食べたい?」
妹はこう答える。
「スパゲッティ! たらこのやつ!」
「よし、お姉ちゃん、頑張っちゃうぞ☆」
で、読者はこう思う訳だ。
そんなに悪い子じゃないし、夕方から買い物している奴に売春出来る訳がない!
それでも粘着してくる読者は、頭がおかしいので無視しましょう。
話を戻そう、読者のヒロインに対する好感度は、ここでマイナスから一気にゼロになる。
あくまで、ゼロになっただけなので、ここで、酷い行動をとらせると、炎上してしまうから気をつけよう。
誰かに対する優しさを見せたなら、次は主人公に対する優しさを見せよう。
例題を入れよう。
そんなに悪い子じゃないなぁと思い始めた主人公は、翌日学校へ向かう。
そうだな、体育の授業の描写をしておこう、彼はいじめっ子に足を払われて、転んでしまう。そして、別の場所で授業を受けていたヒロインが寄ってくるわけだ。
「ちょっと、大丈夫?」
足を挫いてしまった主人公は立ち上がれない事を、彼女に伝える。
するとだ、本質は優しいあの子は、こういう訳だ。
「あたしが肩貸すから、保健室に行くよ」
と。
そして、肩を貸してくれた彼女は冷やかされる。
いじめっ子に出来てるんじゃねーのと、揶揄われるが、彼女は言い放つ。
「だったら、お医者さんは浮気者だね」
誰かを助ける事が、そう言う事になるのなら、お前の中ではそうなんだろうと、出来れば、いじめっ子君の親が医者で、ここで顔真っ赤になると尚良しだ。
こうなると、好感度はグーンとあがる。
誰でも出来る事だけど、キンモー☆と言った相手に迷う事なく手を差し伸べた事が大事なのだ。
後は、設定を守りつつ、物語に巻き込めばよい。
最後だけ長くなってしまったが、ヒロインの魅力。内面の魅力を伝えるテクニックは以上だ。
基本どころが、基礎の基礎になってしまって申し訳ないが、応用は自分で培ってもらいたい。教えても身に付かないからね、しょうがないね。
では、今日はここまでにしよう。