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祭と狼  作者: 佐藤佑
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太鼓と狼

あいつは中一のころから浮いていた。


今は中三の夏休み前日。

俺は小学校のころまでは仲の良かった幼馴染の桜を眺めていた。

中学に入ってから桜は誰に対しても愛想が悪くなった。

俺はもしかして自分も避けられるんじゃないかと怖くて、

今まで話しかけることすらできなかった。


でも、今日こそは!


祭りに誘おうかと・・・いや!

誘うんだ!そう決めたんだ!


というわけで俺はいつも一人で帰っている桜を待ち伏せすることにした。


こそこそと道の方を覗いていると・・・

「何をやってるんだ?」

ちょっと怒ったようで懐かしいような桜の声が聞こえた。

もちろん俺は飛び上がってしまったわけで・・・

「怪しいな。何をしてたんだ?」

久しぶりに桜と話せてなんか嬉しい。

「まさかお前まで・・・」

あ、なんかヤバイ予感。

明らかに怪しんでる表情だし・・・

フォローしないと。

「えーと、俺はお前を待ってたんだ。」

桜があからさまに驚く。

そのまま桜が何も言わないので俺は当初の目的を遂行することにした。

「桜、俺と祭りに行かないか?」

桜がさらに固まる。

なので俺は呼びかけてみる。

「おーい。桜さーん?」

あ、目覚めた。

「行くなら行くぞ。」

桜が俺の手を引く。

おい、そんな勢いよく歩いたら肩に羽織った学ランが落ちるぞ。

とは言えなかった。

頬が少し紅潮しているように見えたからだ。


俺の耳には翻る学ランの音と、太鼓の囃子が残っていた。

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