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信頼

黒山衆の乱が終わり、部隊が天水へ帰還。新選組も凱旋する。

そしてその翌日、

天水警邏隊及び新選組は戦後処理に追われた。黒山衆と官軍の戦いによって壊滅させられた街の治安維持や戦災復興の手伝いをしていた。

そして隊舎でも


「班長。書類まとめてきました」


「ありがとう。そっちにおいてくれる?」


「え・・・と、この区域の警邏報告書はと・・・・」


「ねえ、これ計算間違っているぞ?ちゃんと計算しろ!」


「あ、はい!すみません!」


「次は西地区の警邏ね。どこの班だっけ当番?」


「第2班と第4班だろ?」


と、桜花や蘭花などの幹部士官や班長格の下士官級の隊士たちが書類仕事に追われていた。

戦いとは始めるより終わった後が大変というのはまさにこのこと。

黒山衆の乱終結後、前線に赴いた部隊は戦果や戦線の報告書の整理、そして戦死者リストのまとめ。後方部隊は物資の残数や、武器の修理などの依頼、そして町に残った部隊はかく地区の警邏などであった。


「いったいこの書簡。いつになったら終わるんすかね・・・・」


「私に聞くな・・・・えっとこれは密偵からの報告書だな」


「ええっと・・・・・この計算どうやるんだっけ?」


「鄧艾さん。この書類まとめて経理部に渡してくれる?」


「あ、はい!」


「おい、羊祜。外回り(パトロール)にいくっすよ!」


「あ、はい!郭汜班長!」


と、大忙しであった。そして隊長格である吹雪も書類仕事やらで大忙し、休んでいる暇などなかった


「誠華。これから月や詠に事件報告しに行くことになっている。同行してくれ。時間は18:00だ。覚えておいてくれ」


「あ、はい・・・・それよりも隊長」


「ん?どうした誠華?」


「最近休まれていないようですけど・・・・大丈夫ですか?この頃隊長は事後処理や、町の警邏、そして書類の仕事で徹夜続きでしたし、今日は休まれては?」


誠華は心配そうに言う、確かに吹雪は事件後、休まずに仕事ばかりし続けていた。そのことを心配した誠華は吹雪に休むように言うが


「あはは…大丈夫だよ」


と、そう言い、席を立ち上がろうとした瞬間、


ぐらぁっ・・・・


「(あ・・・れ?)っ!?」


突如目の前の景色が歪みだした瞬間、吹雪はバランスを崩し倒れそうになるが


「隊長っ!!」


誠華が吹雪を受け止める。そして誠華、そして吹雪の顔色が悪いことに気づき額に手をやると


「っ!?熱があるじゃないですか!今日は休んでください!」


そう言うと誠華は吹雪の肩を抱き、運び


「雪風。私は隊長を部屋に運ぶから残りの仕事、お願いできる。運び終わったら戻るから」


「分かったわ」


雪風にそう言うと誠華は吹雪の肩を貸りを運ぶのだった










吹雪の部屋


「・・・・まったく。体調が悪いなら悪いと言ってください。あのまま倒れたら怪我していたかもしれないんですよ?」


「あはは…すまないな誠華」


部屋に運ばれベッドに寝かされた吹雪は苦笑して誠華に言う。吹雪が倒れた原因は医務員の診断では過労とのことだった


「それにしても、やっぱり君に怒られるのは怖いね。隊士たちが怖がる気持ち少しはわかったな」


「私は真面目に言っているんですよ隊長」


呆れながら誠華はそう言うと吹雪は起き上がり


「あはは・・・・すまないな・・・・もっと俺がしっかりしないとな」


と頭を掻き申し訳なさそうに言うと誠華は


「隊長…隊長が私たちに気を使って人一倍に働き、そして具合が悪いことを言わなかったのはわかっています。確かに私たち警邏隊・・・いえ新選組は結成し始めたばかりで新人隊士が8割以上いて、熟練幹部もほんの僅か・・・・しかも隊士もこの頃増えて、例の黒山衆事件の後処理ときていますので隊長がいろんなことに対応せざるを得ず重圧も何倍です・・・・・・・ですが、その強さ、を支えるために私たち幹部がいるんです」


そう言うと誠華は吹雪を見て


「それとも・・・・隊長は私たちのことをそんなに頼りない存在なのでしょうか?」


そう心配そうにそして真剣な目つきで吹雪にそう言うと、吹雪くは小さく笑い首を横に振り


「いいや・・・・いつも信頼しているよ」


「隊長・・・・」


「誠華・・・・俺がこの国出身じゃないのは知っているよな?」


「はい。隊長は天の国から来た人・・・・ですよね?」


「まあ、天の国というのはちょっと違うかもしれないが、まあ、異国出身なのは当たっているよ・・・それでな俺は何も前触れもなく突如この国に飛ばされた。それが神の意志か何かの悪戯化はわからないけどな・・・・突如違う世界に飛ばされた俺はどうすればいいかわからなかった。もし母さんや月に出会わなかったらきっとどっかの盗賊に襲われ死んでいただろうな・・・・」


「いや、黒山衆の盗賊たちを倒してきた隊長が言うのはちょっと説得力が・・・・」


「まあ、飛ばされた時はまだ学生・・・いや、一般市民の感じがあったからな・・・・まあ、極論を言えば俺は居場所を・・・今いる場所にいたくて、必要な人間だと思われたくて必死になっていたんだなって・・・・」


「隊長・・・・」


「だが、今の発言で目覚めたよ。…ありがとう誠華。心配してくれて」


そう言うと吹雪は誠華の頭をポンポインと撫でた。撫でられた誠華は顔を赤くし


「べ・・・別にそうして欲しくて言ったわけではありません」


と、そう照れ気味にそう言う誠華に吹雪は微笑み


「それより誠華。仕事は・・・・」


「その件なら大丈夫です。先ほど雪風にお願いし、書類関係は蘭花が、密偵の任務は雪風が、外回りの警邏は桜花がすることになっています。そしてわたしはこれから、月さまのところに行って今回の事件をまとめた報告をしに行きます」


「そうか・・・・頼りにしているよ副長」


と、そう言うと誠華はニッコリと笑い


「はい。お任せください…隊長」


誠華がそう言った時、突如、地響きがし、何かが近づく音がすると


「隊長!大丈夫ですか!!」


「具合は大丈夫ですか!!」


「実家から持ってきた薬もってきました!!」


「私、体にいい果物買ってきましたよ!!」


ドアが勢いよく開き、そこから桜花の他、新撰組隊士たちが雪崩のごとく部屋に入ってきた。しかもその手には薬箱や果物やらいろんなものを持っていた


「おまえら・・・・」


「隊長が倒れたと聞いていても経ってもいられず、休憩時間を利用し見舞いに来たっすっ!!」


桜花がそう言い敬礼すると他の隊士もう頷きながら敬礼する。それを見た誠華は


「隊長…みんな、あなたを慕っているんですよ?」


「ああ・・・誠華も含めて自慢の仲間たちだよ・・・・」


と、そう言うと吹雪は笑い


「・・・・ここまで信用されて俺は幸せ者だなっ!!」


と、笑い心の底から嬉しく思う吹雪であった。

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