新選組隊士選定訓練開始
説明会から翌日、志願者たちは新選組及び警邏隊が泊る隊舎へと集まる。
人数はちょうど2500人。
まず最初に名簿で名前を確認し、本人かどうか確かめる。あり得ない話だが関係ない他者がいるかもしれない。あくまで念の為だ。
名簿を確認すると、書類にサインをさせた大部屋に移す
俺は彼女達の前に立ち、指示を出す
「名前を呼ぶので、呼ばれた方は前に来て軍服と靴を受け取ってください」
そして名簿順書かれている隊士希望の人たちに漆黒の軍服。新選組の軍服を渡す
通り配り終えると、その場で着替えて貰う。無論希望者には女性も多数いたため男子とは別室で着替えてもらった。というより天水警邏隊の件と言い新撰組志願者と言い、なぜか志願者は女性が多い。今回の志願者2500人中、約半数が女性。しかも10~20代の若者ばかりだ。
この世界に来てから現代との違いさに驚かされるばかりだ。まあ華雄や霞たちのことも考えると女性軍人はこの世界が男性よりも多くそして当たり前のようだな
まあ、それでもやることは変わらない。俺は男女差別はしないし、訓練をするに至っても男女平等だ
そして私服を脱ぎ隊服を着た希望者の感想は・・・
「なんかこれ、ぴっちりしているな?」
「首元が閉まってちょっと息苦しい・・・」
「でも動きやすいね?」
と、様々な感想があった。まあ初めて洋服を着た人たちからすればそんなもんだろう。そして脱いだ私服は、こちらで一時保管。
名前タグを付け、別室にしっかりと保管される手筈になっている。
返却は今回の入隊訓練が終了、又は本人が訓練に脱落し途中で辞退した場合返却する予定だ。
そして隊士希望者たち外の広間に集まった。
だが皆はそれぞれおしゃべりをし周りはざわつくすかさず俺は
「誰が喋っていいと言った!!」
俺のの怒声にざわつきはぴたりと止む。
「ここはお遊びの場じゃない!ここは訓練所だ!今までの生活を捨て、命を懸けて戦う兵士を育成する場!この訓練を終えたとき、各人は優秀な兵器となる。私たちが愛する平和を踏みにじる奴らを死へと叩き込む死神へとなる!わかったか!」
「は・・・はっ!」
「声が小さいぞ!!もっと腹の底から声を出せ!!」
「「「はっ!!!」」」
俺の怒声に、すかさず希望者たちは兵舎一杯に響く声を上げる。
「それではこれより訓練を開始する! 足腰立たなくなるまできつくいくから覚悟しろ!!」
「「「「はっ!!!」」」」
俺の言葉に彼らは返事をする
「桜花」
「はっ!お任せを」
そう言い桜花は俺に敬礼すると、一歩前に出て
「それではさっそく訓練を開始する。始めは軽く走り込みをするっすよ?」
「「「?」」」」
桜花の言葉にみんなきょとんとした顔をするてっきり拷問に近い厳しい訓練でも始めるかと思っていたからだ
「どこの部隊でも同じ、走り込みは一番必要っす。警邏で泥棒を追いかけるにも、戦場で走り敵陣へ素早く動くにも体力と持久力が必要不可欠。なのでまずはこの天水の街を覆う城壁を取りあえず走り込みながら一周をするっすよ~」
飄々な態度で言う桜花に希望者たちは
「何だ走り込みか~」
「もっと厳しいかと思ったら楽勝じゃない」
「そうね、私たちいつもの野原を走り回ってたしね~」
「まったくだ。これなら俺たちすぐに合格できるな」
「ああ、もしかしたら幹部にも慣れるかもしれないな」
と、完全になめた表情で言うが、彼らはまだ知らない。
「そうっすか~それならさっそっく・・・・・・・」
これが最初の試練だということに、そしてこれが地獄の門の入り口だということに
「・・・・始めるっすよ」(凶悪な笑み)
数分後
楽だと思っていた。簡単に合格できると思っていた数分までは彼らはそう思っていた。だが今は地獄のような苦しさが襲っていた
「イッー!!イッー!!イッーアール!そぉーれ!!」
「「「イッー!!イッー!!イッーアール!そぉーれ!!」」」
「声がちいせっ!もっと声上げろ!!イッー!!イッー!!イッーアール!そぉーれ!!」
「「「イッー!!イッー!!イッーアール!そぉーれ!!」」」」
大声を出しながらの走り込み最初は楽だと思ったが半分も行かないうちに息が上がり足がまるで鉛のように重くなる。まるで重い鎖を引きずっているみたいだ。だが、隣にいる訓練教官の郭汜が鬼の形相で怒鳴り、そして入隊志望者たちは彼女の歌を復唱しながら真夏の暑い道を走る
「我らは精鋭新撰隊!『我らは精鋭新撰隊!!』目指すは平和な街づくり!!『目指すは平和な街づくり!!』朝日の『朝日の!!』旗を『旗を!!』掲げて!!『掲げて!!』敵陣!!『敵陣!!』突き進む!!『突き進む!!』」
と、喉が枯れるまで歌いながら走る。まるでフルメタルジャケットのようだ
「俺たちゃ、無敵の新選隊!!『俺たちゃ、無敵の新選隊!!』恐れるものなど何もない『恐れるものなど何もない!』俺たち無敵の新選隊!『俺たち無敵の新選隊!!』敵軍、賊軍ぶっ倒す!!『敵軍、賊軍ぶっ倒す!!』」
大声で走りながらランニングを続ける。すると女性隊士と若い男性隊士が倒れ吐いてしまう。そしてそれを見た数名も動きを止めてしまう
「コラッー!何寝ているんだっ!さっさと立てっー!!」
桜花の怒声に、希望者たちは
「も・・・もう走れません・・・・」
「もう限界・・・少し休ませて・・・・・」
「俺も一歩も歩けないぜ」
と、そう言うと、彼女たちに刀を向けるものがいた。副長の誠華だ
「立て・・・・そして走れ。走らなければ士道不覚後として私が斬るわよ」
「「「ひっ!!!??」」」
「入隊希望書に著名し、そしてこの軍服を着た以上。入隊訓練期間は入隊訓示の最中教えた新撰組隊規以外法律は全く通用しない。今のあなたたちにある選択肢は2つ。今すぐ走るか、ここで士道不覚後として私に斬られて死ぬか‥‥…どっちか選べっ!!!!」
「「「は、走りまーす!!!」」」
誠華の威圧に動きを止めていた訓練者たちは涙目で走り始めた
「やれやれ…文句が言えるということはまだまだ元気がある証拠だな・・・・・」
「でもさすがに斬るのは可哀そうじゃないっすか?」
「あんぐらいでもしないと、ああいうのは動かない者よ」
「確かに・・・・・じゃあ、誠華。私は戻るっすから」
そう言い桜花は訓練兵たちの元に戻る。そして先ほどの広場につく
「はぁ・・・はぁ・・・・やっと一周終わった・・・・」
「ただの走り込みだけなのに疲れた・・・・・」
と、みんな息を切らして座り込むと、到着した桜花は
「おや、おや?お前らまだまだ余裕そうっすね?まあこれで体も温まってきたことだし、そろそろ本番いくっすか」
「「「は?」」」」
「それじゃあ、今さっきのを5回続けて見るっすよ~!!」
「「「「っ!?」」」」
桜花の笑顔に皆は絶望した表情をする。さっきのが準備体操だとは思わなかったからだ。そしてその後、桜花の地獄のランニングが再び始まり、時は過ぎ、空は茜色に染まっていた
「よぉーし!今日の訓練はここまで!!」
ランニングが終わり桜花は訓練終了の号令をかけるが希望者たちみんなは地べたに倒れ白目をむいていた
「それじゃあ、明日もこんな調子で頑張ってみるっすよ~えいえいおっー!!」
「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」
と声をかけるのだが誰一人返事できるものはいなかった・・・・・この3人だけは
「「「は・・・はい・・・が、がんばります」」」
ふらふらながら膝をつきそう返事をする訓練者に桜花は
「おっ!元気な子たちっすね?名前はなんていうんすか?」
と聞くと3人の少女はは筋肉痛ながらも腕を上げ敬礼すると
「は…はい私は鄧艾と言います・・・・」
「自分は杜預です」
「わ、わたしは羊祜・・・です」
と、そう答えたのだった。




