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不良武人、郭汜

「隊長。今日の警邏の報告の資料と事件の内容です」


「ありがとう誠華」


あれから数週間。俺はいつものように見回りを終えた後の書類整理をしていた


「ふぅ・・・・」


「隊長。お疲れですか?もう休まれては?」


「いや。大丈夫だ。この書類を終わらせたら、休むよ。それにしても。治安が良くなったのはいいが、なんかな・・・・」


「平和なのはいいことじゃないですか?」


「まあな。でも・・・・・なんかいやな予感がする。なんか事件が起きそうな・・・・そんな予感がする」


「事件ですか・・・・あまりいいとは言えませんね。人員を増やしますか?」


「そうだな・・・・・最近警邏の志願者も出てきたし。でも士官級の人が足りないんだよな・・・・」


そう言い俺は腕を組み考える


「なあ、誠華。お前の知り合いになんかそう言う人いないか?」


俺がそう訊くと誠華は考えるそぶりをする。この頃、警邏隊に入隊したいという人が増えているのはいいのだが、それを指導する人、つまり教官や小隊長各の人が少ないのだ。ベテランの隊士はいるのだが、それを新人に教えるとなると話は別だ。

出来ればベテランだからって鼻に掛けて威張らず、ちゃんと指導でき手本となるような人がいいのだが、今現在、そのような人物は極端に少ない。ほとんどが高齢で除隊している


「そうですね・・・・・・・・一人だけ心当たりがいるんで、私と樊稠・・・・雪風の同僚で元警邏隊士だった人物なんです」


「へ~どんな人?」


「はい。私の幼馴染で郭汜というんです」


郭汜・・・・・たしか俺の知っている歴史では 董卓の配下。李傕の相棒で、母さん・・・・・呂布と共に曹操を迎撃し、曹仁の部隊と対する。

 董卓死後、李傕と共に長安を制圧。後に、李傕と交戦する。和解してのち、共に官軍と戦闘して曹操に敗北後、李傕と別れ、各々山賊となる。やがて、部下の伍習に討ち取られる武将だったけ。


「その人は今どこに?そう言えば元警邏隊士って言っていたけど・・・・」


「はい…その…なんといいますか。以前暴力沙汰やらの問題を起こして謹慎処分を受けたのですが、それが納得いかないで辞めて今は何処かでチンピラを集めてブイブイと荒れていると聞いています」


「つまり、ぐれたってこと?」


「言いにくいですがそうです。根は真面目でいいやつなんですが・・・・・」


少し困った顔でそう言うと


「沖田隊長!失礼します!!」


と、そこへ雪風が戸をノックした後、入ってきた


「雪風。どうしたんだ?」


「ん?誠華も一緒か。ちょうどいい。隊長。実は『隊長に合わせろ!』と騒いでいる者が複数の部下を連れて来て・・・・・」


「ん?俺に?」


「……おい、雪風。まさかと思うけど・・・・・・・」


俺が首をかしげると誠華はその来訪者に心当たりがあるのか雪風に訊くと雪風は気まずそうに眼を横に向け


「ああ…誠華。そのまさかだ。あいつ(・・・)が・・・・桜花の奴だ」


ため息交じりに言う雪風。桜花・・・・恐らくさっき誠華が言っていた郭汜のことだと思うが。俺がそう思った瞬間


「たのもー!!!」


と、ドアが勢いよく開き、そこから黒髪のショートヘアーでくせっ毛左もみあげを三つ編の少女を先頭に複数の、なんというかチンピラ風の少女たちが入り込んできた


「桜花・・・・・何の用だ?」


誠華が桜花と呼ばれた先頭の少女を怪訝そうな目でじっと見てそう言う


「久しぶりだな誠華。だけど、今回はお前に用はないんだ。用があるのはそっちの優男だ」


と、ビシッ!!と俺に呼び指してそう言う。ああ、あれだなあれって喧嘩売るパターンだな。俺は動揺せず、湯呑を手に取りお茶を少し飲み、穏やかに対応することにした


「えっと・・・・・君たちはもしかして入隊希望者かな?」


「あ?ちげぇーよ!私はお前に勝負を挑みに来たんだ!!」


「勝負?」


彼女の言葉に俺が首をかしげると取り巻きの子が


「おう、うちの総長様が、あんたら警邏隊に直々の勝負を挑みに来たんだ!そうですね総長!!」


「おうよ!そんな弱そうな男が警邏隊なんて務まらねえ!斗志もなんでこんな奴に真名なんか預けて言いなりになったんだかわからねえぜ!」


と、彼女らはそう言い、郭汜の言葉に誠華は少しむっとした表情になる。俺は小声で


「誠華。彼女がお前の言っていた幼馴染か?」


「はい。彼女が先ほどお話しした人物・・・郭汜です」


と、誠華は少し困った顔をして俺に言うと、郭汜は目をきっと吊り上げ


「それでてめぇ。勝負を受けるのか?逃げてもいいけどお前の負けになるぜ」


「隊長どうします?応援呼んで帰ってもらいますか?」


雪風が呆れた顔しながら俺に訊く


「う~ん・・・・・・えっと・・・・郭汜さんだったよな?話を要約すると。勝負に負けたら俺がお前の手下になって事実上警邏隊はお前の傘下になるってことか?」


「そうだ」


「じゃあ、逆に言えば、俺が勝負に勝ったら、君が俺の部下になるっていう考えでいいか?」


「ああ。それでいいぜ。私が負けるなんてこと絶対にないからな!!」


腕を組んで自信満々に言う郭汜。


「隊長・・・・無理に付き合わなくてもいいんですよ?なんなら私が話して追い返しますので」


誠華が申し訳なさそうに言うと、雪風も


「私も、華雄将軍や張遼将軍呼んできましょうか?なんか面倒ごとになりそうな気がします」


雪風も無理に勝負を受けない方がいいと言ってくれる。だけど・・・・


「いいよ。その勝負。受けた」


「「え?」」


あっさりと承諾する俺の言葉に誠華と雪風は若干驚く


「た、隊長。いいんですか?」


「ああ、受けた勝負は買うのが礼儀って死んだ父さんによく言われていたからな」


そう言い俺は郭汜の顔を見て


「いいよ郭汜。あんたの勝負。この警邏隊長の沖田吹雪が受けた」


と、そう言うと郭汜はニヤッと笑うのであった


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