その9 学園頂上決戦の予感
なんか、時代錯誤な不良を引き連れて、冬姉がお弁当を持ってきてくれたときは驚いたけど・・・・
友美っちと私達は、家庭科室で食事済ますとすぐに外に出た。
冬姉は不良リーダーらしい大黒雅人とか言う奴に、玄太の話をしながらどっかいっちゃった。
あの冬姉にも友達が出来たのかな。驚きだね。
学校ってすごいよ。そんでVっちの采配も凄い。
私達は芝生で時間を潰そうと思ったけど、荒川餡ちゃんや兼松実羅ちゃんが芝生でお弁当を食べていた。
二人を囲むように、何人も取り巻くが座って食事をしている。
この二人も取り巻きが多いなあ。
美羅ちゃんの周りは優雅なセレブがいっぱい。
餡ちゃんの周りは、オタクっぽいひとや、正統派のスポーツ選手みたいな人が多いみたい。
そこに友美っちが歩き寄った。
荒川餡が私達を見つけると、立ち上がり手招きをしてきた。
「君達、一緒にお弁当を食べないか?」
友美っちはニコニコ手を振り返す。
「ごめん、もう食べ終わっちゃった。」
そして二人の横に座った。
私達も、友美っちの傍に座る。
それをほかの生徒達は遠巻きに見ている視線を感じた。
四つの学校が合併したことになっているこの学園で、
元、『セント兼松学園』のリーダー的存在の兼松美羅。
元、『真田学園』のリーダ的存在の荒川餡。
そして『ペルシア学園』のリーダーとおぼしき天道友美っち。
この三強が、それぞれの取り巻きを引き連れて、芝生で談笑しているんだから、注目度が高いのは当然かもね。
だけど、しばらくしてこの雰囲気を壊すような奴が現れた。
元、『竹内館』のリーダーの大黒雅人だ。
今時絶滅したと思えるような不良を引き連れて、バンカラ姿でこちらに歩み寄ってきた。
「おいおいお嬢様がた、この学校で随分でかい顔をしているようだが、この学校の頭が誰かはっきりさせないか?。」
友美っち、美羅、餡の三人は、急に現れて訳の分からないことを言い出した大黒雅人に「は?」という顔をした。
だけど、三人を無視するように大黒雅人は続けた。
「別に逃げても良いんだぜ。そしたら俺の配下にしてやるからよ。それが気に入らないようなら戦って頭を奪い合おうじゃないか。誰が頭かハッキリさせないといけないだろ。出身学校対抗でやりあおうぜ。セレブ達はSPでも執事でも好きな手ごまを使えばいいさ。オタク学校も、凄い武器とか出してもいいぜ。最後に相手を踏んづけて勝利を宣言したところが支配者になるんだ。わかりやすだろ。」
友美っちが見下すように言い返した。
「あんたバカじゃないの?さっきはお弁当を運んでくれたから今のは聞かなかったことにしてあげる。馬鹿な事言ってると叩き潰すよ。」
大黒雅人は不敵に笑う。
「おもしろいじゃないか。やれるものならやってみろよ。返り討ちにしてこの学校は俺が制覇する。お花隊といえども向かってくるなら痛い目みせて可愛がってやるぜ。」
そいいいながら笑う雅人の後ろの不良たちも、一緒に笑った。
ムカ!ちょっと喧嘩に強い程度の一般人がムカつくよ。
すると友美っちもムカついたみたい。
「馬鹿な不良にはお仕置きが必要ね。私のESP部隊の力を思い知らせてあげる。」
するとエスパー部隊は全員立ち上がって構える。
大黒雅人は笑いながら近寄ってきた。
「なんだよ『良いSP部隊』って、子供みたいなネーミングだな。だが本当の喧嘩を経験したらお花隊達が摘み取られちまうぞ。」
そこで荒川餡が友美っちの前に飛び出した。
「友美は下がっていて。僕がこういうバカにお仕置きしてやるから。学園制覇とかに興味は無いけど、無茶な暴力を振るうなら逆に叩き潰す。」
「おもしろい、荒川餡なら俺の学園制覇の最初の生贄としては文句ないな。ここで十代最強の座から引き摺り下ろしてやる。」
そう良いながら学ランを脱ぎ捨てた。
一触即発だ。
どうしようかな、餡ちゃんを助けようかな・・・でもなんか一騎打ちの空気だから邪魔しちゃいけないのかな。
わたしがそんなことを考えていたら、後ろから冬姉がジャンプして飛び込んできた。
「二人とも待て!Vさんの後継者である私を倒さぬ限り、この学校を制覇したとは言わせない!。二人とも私が相手だ!」
な・・・冬姉!なんで話をややこしくするの!
この人は、相変わらず自分の都合優先だな。
もう!
すると、餡ちゃんが雅人を無視して冬姉に食って掛かってきた。
「ちょっとまって。あなた冬美さんだね。V兄さんの後継者は僕が狙っているんだ。君が後継者を名乗るのは納得いかないね。」
冬姉は、大黒雅人に完全に背を向けて餡ちゃんを向く。
「いや、私こそがVさんの一番弟子にして、Vさんから唯一、真荒神流を習った弟子だ。だから私が正当なVさんの後継者だ。」
なんか、すごく寂しそうにしている大黒雅人を無視して餡ちゃんはさらに冬姉に食って掛かる。
「V兄さんは、僕を弟子にしてくれなかったのに!なんで冬美さんは弟子にしてもらえたのさ。そんなの嘘だ!。」
「嘘じゃない!Vさんがちゃんと私を一番弟子だと言った。さらに言えばそこの芽衣が二番弟子。そしてそこの友美の取り巻きESP部隊たちもVさんが鍛えた娘達だ。これは真実。受け入れろ。そしてお前をVさんの弟子である私が倒して、Vさんにとって荒神流など敵ではないことを証明する。」
二人の後ろで、情けない顔で「仲間はずれにしないで」と言いたげにオロオロしている大黒雅人を無視して、餡ちゃんは顔を真っ赤にして怒って叫んだ。
「冬美さん、僕は絶対に君を倒すよ。そして僕がVさんの後継者である事を証明するよ。」
冬姉と餡ちゃんお間に「ゴゴゴゴー」という迫力の空気を感じる。
読んでくださりありがとうございます。
天道冬美マメ知識:空気が読めません。




