その10 学校一武道会
すると美羅ちゃんがスタスタと二人に近づいてきた。
そうだ、この娘なら二人を止めてくれるかも。
私は少し期待したよ。
そしたら、二人の間に割って入って、美羅ちゃんが意外なことを言い出したんだ。
「おほほほ、喧嘩はよろしくないですわね。ですがこのまま終わることも難しいと感じましたわ。
では四校によるスポーツ的な競い合いという事でいかがでしょう。
ちゃんとしたルールを決めてきちんと勝負をいたしませんこと?。
そうですわね・・・学校一武道会を開きましょう。
ですがかならず審判がついて勝負をし、負けたら大会から脱落・・・そんな感じで切磋琢磨いたしませんこと?」
そこになんと、
いきなりだけどVっちの声が友美っちの通信機の外部スピーカーから響いたんだ。
『よし面白いぞ美羅!ならばこの学校一武道会の実行委員長は俺がやろう。
審判はここの教師。参加者は明日に実行委員長である俺にチーム登録をしろ。
そこで俺が用意する参加者用の端末を友美から受け取るんだ。
負けたらその端末は没収だ。最後までその端末を持っていたチームが優勝でどうだ?。
反則をしたチームの端末は俺のほうでリモコンを使って爆破する。
それならば文句があるまい!。』
うわあ、いきなりVっちの声がしてビックリしたよ!
一触即発だった冬姉と餡ちゃんはびっくりしてにらみ合いをやめた。
友美っちはあわててVっちに返事をする。
「Vちゃま!そんな事をしたら通信機の電池がすぐになくなっちゃうでしょ!。Vちゃまが実行委員長なんて私が許さないから!。」
すると、Vっちが少し弱気な声で返してきた。
『ええ・・・、でも俺がもう国持所長には端末の注文はしたんだよね。俺もこの戦いを見たいわけだし・・・ぜったい3ヶ月以内に帰るから俺に委員長をやらせてよ。』
でも友美っちは怒った声で言い返す。
「だめ!あとで戦いの録画を送りますから、リアルタイムでの監視はゆるしません!」
すると、餡ちゃんが友美っちに走りこんで、通信機を奪い取って会話に割り込んだ。
「V兄さん!いま本当にV兄さんなんだよね。僕の事は弟子に出来ないって言ってたのに、冬美さんは弟子にしたって言うのは本当なの?。」
うわあ、餡ちゃんが超必死な顔をしている。
すると、Vっちのいつもの呑気な声が返ってきた。
『ああ、餡か。そりゃあお前は無為叔父さんの一門だから、無為叔父さんの許可無く弟子には出来ないよ。まして俺は荒神流を追放されているから当時は荒神流を人に教えられなかったしね。
でも冬美は爺ちゃんが鍛えていた子で、それを引き継いで俺が爺ちゃんから習った真荒神流を教えていたんだ。
餡と冬美では状況が違うんだ。そのくらいは分かるだろ。』
「でも、でも・・・・。」
餡ちゃんは友美っちから奪い取った通信機を掴みながら、何か言おうとしたけど・・・。
こんどは大黒雅人が餡ちゃんから通信機を奪い取った。
「武威さん、雅人です。お久しぶりです。あの・・・その・・・お元気ですか?」
私はずっこけたよ。
雅人が凄い勢いで通信機を奪うから、なにか言いたい事があるのかと思ったら、ただ話したかっただけで、用事はない見たいじゃん。
でもVっちは優しいから返事をしてあげたよ。
『お、雅人か。玄太君から話は聞いているよ。随分立派になったらしいな。おれが戻ったらまた組み手でもして遊ぼうな。鍛えてやるよ。』
「はい!ありがとうございます!」
すると、今度は美羅ちゃんが雅人から通信機を奪い取った。
Vっち人気者だねええ。
「Vお兄様、ワタクシのアイディアに賛同していただき感激いたしましたわ。
Vお兄様が見ていらっしゃるのでしたら、ワタクシも真の力を出させていただきますから、是非ご覧になっていてくださいませ。
そして真荒神流という流派の一門に是非ワタクシもお仲間にいれて頂きたいですわ!。」
『美羅か。矛美叔母ちゃんから許可とってきたら、いつでも鍛えてやるよ。ただし充分に荒神流を身に着けていないと真荒神流は真価を発揮できない。まずはその力を見せてみろ。』
「はい、お母様に鍛えられたワタクシの荒神流の力をご披露いたしますわ。」
そこで、夏子さんがひょこり通信機を奪い取った。
・・・え?夏子さん??
え!いつのまに!
私は思わず叫んじゃったよ。
「うわあ!夏子さん、いつのまにそこに居たんですか!。」
その場に居た人たちは、みんなビックリして夏子さんを凝視している。
すると、ゆっくりな言葉で夏子さんは答えた。
「え~、雅人君が『この学校の頭をはっきりさせないか』ってあたりから、ずっと友美ちゃんの隣にいましたよお。気づかれないなんてお姉さん寂しいですよ。まあいいか、今はVさんに用があったんです」
すると通信機の向こうから、あきらかに脱力したVっちのが声がする。
『夏子・・・・またヒョッコリあらわれたな。まあいいや。で用事って何だよ。』
「そうそう用事ですよねえ。なんか友美ちゃんがVさんの実行委員長に反対していたじゃないですかあ。ですから私が適任の実行委員長を連れてきましたので、その人に任せませんかあ?」
「誰かよんだの?誰?。」
すると、まるで上級将校のような歩き姿のイケメンが歩いてきた。
いやイケメンと言っても男性ではないよ。ここの学園長の兼松矛美さんだった。
「武威、私がお前の代わりにこの学校一武道会なる遊びに付き合ってやろう。わたしがお前の代理ならだれも文句は言えないだろうからな。どうだ武威よ。」
そしたら、通信機の向こうでVっちが少し笑った気がした。
そんでVっちは返事をした。
『OK、矛美叔母ちゃん。さすが叔母ちゃんは察しが良くて嬉しくなるね。宜しく頼むよ。国持所長には学園長室に端末を持ち込むように頼んでおく。ついでだからルールを足したいね。優勝者には一千万円か、俺の武道の秘術のすべてか、もしくは俺が持つ超武道兵器のどれかを進呈しよう。どうさ。』
矛美さんは少し口元だけで笑うと、小さくつぶやいた。
「なるほど、イケメンマスター争奪戦の第一幕の開始というわけか。驚くほどお前の計画通りだな。」
こうして、私達の戦いが始まったのだった。
次回予告
始まった学校一武道会。
そこに、それぞれの思惑をもって生徒達が参加をしていく。
戦いを見守るVたち。
不満をもらす教師達をよそに、戦いはドンドンエスカレートしていく。
そん中、歌田芽衣が意外な本音を吐露するのだった。
「私はVっちから武道の秘密を教わり、ESPに頼らない女になりたいんだよ!だから友美っち、私もこの戦いは絶対に勝ちたい!」




