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151/159

無に返す魔王の黒炎

第151話 無に帰す魔王の黒炎

白い羽。

一斉に。

動く。

「来る!」

《心眼》。

開く。

全部は見ない。

カシエル。

羽。

仲間。

必要なものだけ。

白。

降り注ぐ。

「《聖壁》!」

エリシア。

光の壁。

展開。

羽。

激突。

――ガガガガガッ!!

「っ……!」

壁。

軋む。

カイル。

前へ。

槍。

振る。

「おおっ!」

抜けた羽。

弾く。

アン。

《紅月》。

赤い斬撃。

白を薙ぐ。

ベラ。

黒炎。

羽を焼く。

それでも。

多い。

そして。

ほとんどが。

僕を狙ってる。

『最優先排除対象』

カシエル。

僕を見る。

『ソル』

翼。

広がる。

さらに。

羽。

増える。

「人気者だな」

カイル。

「嬉しくない」

「だろうな」

エリシア。

僕の前。

立つ。

「下がってください」

「エリシア」

「狙いはソルさんです」

「うん」

「なら、前へ出る必要はありません」

「あるよ」

「ありません」

即答。

「まだ言ってない」

「分かります」

「……」

ベラ。

僕を見る。

『お主』

「何?」

『また変なことを考えておるな』

「まだ何もしてないよ」

『顔で分かる』

カイル。

頷く。

「俺も分かる」

「なんで?」

「付き合い長いからな」

エリシアも。

「私も分かります」

「……」

全員。

分かるらしい。

アン。

僕を見る。

「聞きましょう」

「アン」

「はい」

僕。

カシエルを見る。

輪。

翼。

羽。

さっき。

輪へ。

亀裂。

入れた。

でも。

同じ方法。

もう。

通じない。

だったら。

「僕が囮になる」

「駄目です」

エリシア。

即答。

『却下じゃ』

ベラも。

即答。

「早いって」

「駄目です」

『駄目じゃ』

「だから、まだ作戦言ってない」

「囮の時点で反対です」

『先ほど最大出力の《無拍》まで使った者が何を言っておる』

「でも」

『でもではない』

ベラ。

僕を睨む。

『お主は自分が狙われておる意味を分かっておるのか』

「分かってる」

『ならば』

「だから使える」

『……何?』

僕。

地面。

指でなぞる。

「カシエルは僕を一番警戒してる」

アン。

頷く。

「そうですね」

「僕が正面から行く」

「駄目です」

エリシア。

「まだ途中」

「途中でも駄目です」

「エリシア」

「はい」

「最後まで聞いて」

「……」

不満そう。

でも。

黙る。

「僕が正面から突っ込んで、カシエルの意識を全部こっちへ向ける」

指。

右。

「アンは右から」

次。

左。

「カイルとエリシアは左」

カイル。

地面を見る。

「三方向か」

「うん」

「ベラは?」

僕。

ベラを見る。

「動かない」

『……何?』

「最後まで」

一拍。

「待ってて」

ベラ。

目。

細める。

『妾に何をさせるつもりじゃ』

僕。

答える。

「仕留めて」

沈黙。

ベラ。

僕を見る。

アン。

僕を見る。

エリシア。

「……それでもソルさんが危険です」

「うん」

「うん、ではありません」

「でも」

僕。

カシエルを見る。

「僕が行けば、絶対に見る」

『……』

「さっき輪を斬りかけたから」

僕。

《明星》。

握る。

「カシエルは僕を無視できない」

ベラ。

腕。

組む。

『それで妾に最後の一撃を任せると?』

「うん」

『簡単に言いおって』

「できない?」

『誰に言っておる』

即答。

「じゃあ」

『じゃが反対じゃ』

「えぇ……」

『お主を囮にする必要はない』

「ある」

『ない』

「ある」

『ない』

「ベラ」

『何じゃ』

アン。

声。

静か。

「私は賛成です」

『……アンタレス』

エリシア。

振り向く。

「アンタレス様」

アン。

僕が描いた線。

見る。

「危険です」

「うん」

「ですが」

一拍。

「成立します」

ベラ。

黙る。

アン。

続ける。

「カシエルはソルを最優先で排除しようとしている。そこへソル自身が正面から飛び込めば、意識だけではなく、翼と羽の大半も正面へ向くでしょう」

「はい」

「そこを私が右から崩します」

カイル。

「俺とエリシアが左」

「はい」

アン。

最後。

ベラを見る。

「そして」

一拍。

「私たち全員で作った一瞬を」

ベラ。

見る。

「あなたが終わらせてください」

沈黙。

黒炎。

ベラの指先。

小さく。

揺れる。

『……妾に』

一拍。

『あれを使えと言うのじゃな』

アン。

少しだけ。

笑う。

「使えるのでしょう?」

『当然じゃ』

「なら決まりです」

『勝手に決めるでない』

「最高指揮者ですので」

『こういう時だけ肩書きを使いおって』

アン。

僕を見る。

「ソル」

「うん」

「一つだけ」

「何?」

「死なないでください」

「分かった」

エリシア。

僕を見る。

「本当に分かっていますか?」

「分かってるって」

『信用ならぬ』

ベラ。

即答。

「ベラまで」

『ソル』

声。

変わる。

真剣。

『妾の詠唱が終わるまでじゃ』

「うん」

『それまで』

一拍。

『必ず生きておれ』

僕。

頷く。

「任せて」

カイル。

槍。

肩。

乗せる。

「よし」

エリシア。

まだ。

納得してない顔。

でも。

細剣。

構える。

「……絶対に戻ってきてください」

「うん」

アン。

《紅月》。

構える。

「開始します」

カシエル。

翼。

広がる。

羽。

空。

埋める。

『来い』

僕。

《明星》。

握る。

《星装》。

第二段階。

黄金。

全身。

灯る。

「行く」

地面。

蹴る。

《彗星》。

加速。

カシエル。

即座。

反応。

『ソル』

白い羽。

全部。

僕へ。

向く。

その時。

後ろ。

ベラ。

動かない。

目。

閉じる。

黒炎。

足元。

静かに。

灯る。

そして。

聞いたことのない声。

『深淵に眠る、原初の黒よ』

空気。

変わる。

僕。

走る。

白い羽。

来る。

「エリシア!」

「はい!」

前。

《聖壁》。

地面じゃない。

斜め。

空中。

一枚。

僕。

踏む。

跳ぶ。

次。

さらに上。

《聖壁》。

「次です!」

踏む。

方向。

変える。

羽。

横。

抜ける。

『我が声を聞き、我が手に集え』

ベラ。

詠唱。

続く。

黒炎。

増える。

でも。

広がらない。

ベラの周囲。

ゆっくり。

集まる。

カシエル。

僕。

追う。

翼。

振る。

羽。

数十。

前。

「っ!」

《心眼》。

軌道。

見る。

「エリシア!」

「右上!」

《聖壁》。

現れる。

僕。

踏む。

蹴る。

羽。

下。

通る。

さらに。

前。

《聖壁》。

足場。

次。

次。

次。

階段じゃない。

不規則。

空中。

光の足場。

僕。

走る。

『光を喰らい』

ベラの声。

『熱を喰らい』

黒炎。

色。

深くなる。

光。

周囲。

薄くなる。

カシエル。

一瞬。

ベラを見る。

「僕を見て」

《明星》。

振る。

黄金。

斬撃。

飛ばす。

カシエル。

翼。

防ぐ。

『……』

視線。

戻る。

僕。

「そう」

さらに。

近づく。

「僕だけ見てて」

カシエル。

輪。

回転。

速くなる。

羽。

増える。

『天を染め』

アン。

動く。

右。

赤。

走る。

《紅雷》。

カシエル。

翼。

片方。

右へ。

――ドォン!!

『地を覆い』

左。

カイル。

エリシア。

走る。

「行くぞ!」

「はい!」

カイル。

槍。

突く。

エリシア。

《聖壁》。

カイルの前。

斜め。

「おおっ!」

蹴る。

加速。

槍。

白い翼。

ぶつかる。

『生あるものに静寂を』

エリシア。

横。

回る。

細剣。

突く。

カシエル。

羽。

左。

回す。

防ぐ。

右。

アン。

左。

カイル。

エリシア。

正面。

僕。

三方向。

『抗うものに終わりを』

ベラ。

まだ。

動かない。

黒炎。

足元。

消えた。

違う。

全部。

ベラの周囲。

一点へ。

集まり始めてる。

カシエル。

気づく。

『……ベラトリクス』

翼。

一枚。

ベラへ。

向ける。

「させません」

アン。

《紅月》。

振る。

――ガァン!!

翼。

押し戻す。

カシエル。

アンを見る。

その瞬間。

「こっちだ!」

カイル。

槍。

横薙ぎ。

反対。

翼。

弾く。

カシエル。

両方。

塞がる。

僕。

正面。

残った羽。

全部。

来る。

「……ここ」

今まで。

《星渡》。

星。

一つ。

足場。

それを。

渡る。

でも。

一つじゃ。

もう。

読まれる。

だったら。

右手。

前。

星。

一つ。

出す。

同じ場所。

もう一つ。

さらに。

一つ。

一つ。

二つ。

三つ。

重なる。

黄金。

光。

強くなる。

「……いける」

『ソル』

カシエル。

気づく。

『その移動は既に――』

「これは」

三つ。

重ねた星。

踏む。

「まだ見せてない」

《星渡》。

発動。

――ドンッ!!

「っ!!」

身体。

持っていかれる。

速い。

今まで。

違う。

一つの星。

渡る速度。

その比じゃない。

三つ。

重ねた星。

一気に。

踏み抜く。

視界。

白。

伸びる。

カシエル。

目。

見開く。

『……!?』

一瞬。

僕。

カシエル。

目の前。

《明星》。

振る。

狙う。

輪。

カシエル。

白い槍。

上。

防ぐ。

――ギィン!!

「っ……!」

止められた。

でも。

いい。

僕。

見る。

「アン!」

「はい!」

右。

《紅月》。

カシエル。

翼。

防ぐ。

「カイル!」

「おおおっ!!」

左。

槍。

魔力。

集まる。

「《天穿》!!」

――ドォォォン!!

反対。

翼。

大きく。

弾かれる。

「エリシア!」

「《聖壁》!」

光。

カシエル。

背後。

展開。

退路。

塞ぐ。

『逃れる道を閉ざし』

ベラ。

詠唱。

黒炎。

さらに。

凝縮。

『還る場所すら焼き尽くせ』

カシエル。

初めて。

僕たちから。

視線。

外す。

ベラ。

見る。

『……』

黒。

小さい。

ベラの掌。

そこ。

集まってる。

さっきまで。

戦場を覆えるほど。

あった黒炎。

全部。

掌。

一点。

「気づいた」

僕。

呟く。

カシエル。

翼。

広げる。

逃げる。

上。

『我は命ずる』

アン。

動く。

「逃がしません」

右手。

上げる。

赤。

四つ。

現れる。

「――《紅槍》」

四本。

放つ。

カシエル。

回避。

違う。

当たらない。

一本。

右。

一本。

左。

一本。

前。

一本。

後ろ。

カシエル。

囲む。

四本の《紅槍》。

空中。

止まる。

『……?』

アン。

右手。

握る。

「繋げ」

赤い魔力。

四本。

走る。

――ジャラッ!!

鎖。

紅。

魔力の鎖。

槍から槍へ。

繋がる。

四角。

囲む。

そこから。

内側。

伸びる。

腕。

胴。

翼。

絡みつく。

『――!』

カシエル。

白い魔力。

爆発。

鎖。

軋む。

アン。

両手。

握る。

「簡易拘束です」

カシエル。

翼。

広げる。

一本。

鎖。

亀裂。

「長くは」

アン。

歯。

食いしばる。

「保ちません……!」

『魔王ベラトリクスの名において』

ベラ。

目。

開く。

赤。

瞳。

光る。

カシエル。

鎖。

一本。

――バキン!!

砕く。

アン。

身体。

揺れる。

それでも。

離さない。

「ベラ!」

『黒き炎よ』

黒。

ベラの掌。

さらに。

小さくなる。

炎。

なのに。

揺れない。

黒い。

点。

みたい。

周囲。

光。

吸われる。

カシエル。

二本目。

鎖。

引き千切る。

『天を葬り』

「カイル!」

「分かってる!」

カイル。

槍。

カシエルの翼。

押さえる。

「逃がすかよ!」

エリシア。

《聖壁》。

カシエル。

上。

展開。

「ここからは」

一枚。

二枚。

三枚。

「出しません!」

カシエル。

白い羽。

射出。

聖壁。

砕く。

でも。

次。

また。

壁。

『万象を呑み』

三本目。

鎖。

砕ける。

アン。

膝。

落ちる。

「っ……!」

「アン!」

「まだです!」

赤い魔力。

最後。

一本。

注ぐ。

カシエル。

腕。

翼。

無理やり。

広げる。

最後の鎖。

伸びる。

軋む。

アン。

ベラを見る。

「今です!」

カシエル。

魔力。

最大。

膨れる。

最後。

鎖。

――バキン!!

砕けた。

同時。

ベラ。

消える。

「……!」

カシエル。

自由。

でも。

遅い。

黒。

もう。

目の前。

ベラ。

カシエル。

懐。

右手。

黒。

一点。

『その存在すら』

カシエル。

翼。

戻す。

間に合わない。

槍。

向ける。

僕。

《明星》。

弾く。

「行かせない!」

カイル。

反対。

翼。

槍。

押さえる。

エリシア。

《聖壁》。

背後。

閉じる。

アン。

最後。

残った赤い魔力。

放つ。

カシエル。

身体。

一瞬。

止まる。

ベラ。

掌。

胸。

触れる。

『終焉へ還せ』

音。

消える。

風。

止まる。

白い羽。

止まる。

カシエル。

目。

ベラを見る。

ベラ。

赤い瞳。

細める。

『――《黒天終焉》』

黒。

弾けない。

爆発。

しない。

ただ。

広がった。

カシエルの胸。

黒。

染まる。

次。

肩。

腕。

腹。

脚。

翼。

白い魔力。

黒に。

喰われる。

『……これは』

カシエル。

初めて。

声。

揺れる。

『何だ』

ベラ。

掌。

離さない。

『妾の黒炎じゃ』

輪。

光る。

白い魔力。

抵抗。

でも。

黒。

止まらない。

翼。

崩れる。

羽。

一枚。

一枚。

黒く。

染まる。

そして。

消える。

燃えるんじゃない。

灰にも。

ならない。

ただ。

消える。

『……魔力が』

カシエル。

自分の手。

見る。

指先。

黒。

飲まれる。

『消失……している』

『言うたであろう』

ベラ。

黒炎。

さらに。

深く。

『終焉へ還せと』

頭上。

輪。

激しく。

回る。

白。

溢れる。

黒炎。

押し返そうとする。

一瞬。

止まる。

「ベラ!」

『分かっておる!!』

ベラ。

魔力。

解放。

地面。

沈む。

空。

暗くなる。

黒炎。

一気。

カシエル。

包む。

『ぐっ……!』

初めて。

カシエル。

苦痛。

声。

漏れる。

『我は……』

輪。

亀裂。

広がる。

『《四熾》……』

「ベラ!」

僕。

叫ぶ。

ベラ。

笑う。

『知っておる』

一拍。

『じゃから』

黒。

さらに。

収束。

『これを使ったのじゃ』

カシエル。

輪。

――パキッ。

割れる。

白い光。

一瞬。

戦場。

照らす。

次。

黒。

全部。

呑む。

――――。

静寂。

僕。

《明星》。

握ったまま。

動けない。

カイル。

槍。

下ろさない。

エリシア。

《聖壁》。

残したまま。

アン。

肩。

上下。

息。

荒い。

そして。

ベラ。

一人。

立ってる。

その前。

何も。

ない。

カシエル。

いない。

白い翼。

ない。

羽。

ない。

輪。

ない。

残ってるのは。

黒炎。

ほんの。

一欠片。

それも。

ベラ。

手。

握る。

消える。

「……」

カイル。

口。

開く。

「倒した……のか?」

誰も。

すぐ。

答えない。

僕。

《心眼》。

絞る。

カシエル。

いた場所。

魔力。

探す。

ない。

何も。

ない。

「……いない」

エリシア。

僕を見る。

「魔力反応は?」

「ない」

アン。

ゆっくり。

息。

吐く。

「シノブ」

少し。

間。

『……確認している』

シノブ。

声。

いつもより。

僅かに。

硬い。

『カシエルの反応』

一拍。

『消失』

沈黙。

『周辺に新たな亀裂なし』

アン。

目。

閉じる。

「……了解しました」

僕。

ベラを見る。

「ベラ」

『何じゃ』

「今の」

『うむ』

「何?」

『見て分からぬか』

「分からないから聞いてる」

『妾の必殺じゃ』

「説明になってない」

カイル。

「俺も聞きたい」

エリシア。

「私もです」

アン。

少し。

笑う。

「私も詳しくは知りません」

僕。

アンを見る。

「アンも?」

「はい」

ベラ。

得意そう。

『当然じゃ』

「なんで嬉しそうなの」

『妾が滅多に使わぬ技じゃからな』

僕。

カシエル。

消えた場所。

見る。

何も。

残ってない。

「……滅多に?」

『うむ』

「じゃあ」

一拍。

「使ったことはあるんだ」

ベラ。

少し。

黙る。

『……ある』

声。

さっきまでより。

低い。

五百年前。

なのか。

聞こうとした。

でも。

アン。

先。

口。

開く。

「話は後です」

全員。

アンを見る。

最高指揮者。

顔。

戻ってる。

「カシエルは《四熾》の一体」

一拍。

「残り三体」

空。

見る。

「そして」

さらに。

上。

亀裂。

ない。

静かな空。

「その上には」

僕。

答える。

「ゼファリエル」

「はい」

勝った。

でも。

終わってない。

むしろ。

今日。

初めて。

分かった。

雑兵。

その上。

十体。

さらに。

《四熾》。

そして。

大天使。

ゼファリエル。

僕。

《明星》。

鞘。

戻す。

その瞬間。

足。

力。

抜ける。

「……あ」

「ソルさん!」

エリシア。

支える。

「大丈夫ですか!?」

「うん」

「大丈夫ではありません」

「ちょっと疲れただけ」

『当然じゃ!』

ベラ。

こっち。

来る。

『《無拍》を最大出力で放ち! 星装第二段階を使い! 《星渡》まで連発し! 挙げ句に星を三つ重ねおって!』

「成功したよ」

『そういう問題ではない!!』

怒られた。

カイル。

笑う。

「でも、あれ速かったな」

「でしょ?」

『褒めるでない!』

「俺もやってみたい」

『お主は星を出せぬじゃろうが!』

アン。

少し。

笑う。

エリシア。

僕の腕。

離さない。

「帰ったら治療です」

「はい」

「その後、休んでください」

「はい」

「それから」

「まだあるの?」

「説教です」

「……」

ベラ。

頷く。

『妾も参加する』

「二人?」

「当然です」

『当然じゃ』

カイル。

僕の肩。

叩く。

「頑張れ」

「カイルも一緒に作戦やったじゃん」

「俺は囮じゃない」

「ずるい」

「知らん」

アン。

僕たちを見る。

小さく。

息。

吐く。

「帰る前に」

全員。

見る。

アン。

カシエルが消えた場所。

見る。

「覚えておきましょう」

静か。

でも。

強い声。

「今日」

一拍。

「私たちは初めて」

黒炎。

もう。

ない。

白い光も。

ない。

ただ。

戦場だけ。

残ってる。

「大天使ゼファリエル直属」

一拍。

「《四熾》を一体」

アン。

僕たちを見る。

「討ち取りました」

誰も。

すぐには。

笑わなかった。

僕。

空。

見上げる。

勝った。

確かに。

勝った。

でも。

あの力。

カシエル。

一体。

それでも。

これだけ。

必要だった。

アン。

ベラ。

カイル。

エリシア。

シノブ。

全員。

繋いで。

やっと。

届いた。

僕。

拳。

握る。

残り。

三体。

そして。

ゼファリエル。

「……まだまだだね」

ベラ。

横。

並ぶ。

『そうじゃな』

「でも」

『何じゃ』

僕。

少し。

笑う。

「勝てる」

ベラ。

僕を見る。

そして。

笑う。

『当然じゃ』

空。

静か。

その下。

僕たちは。

初めて。

《四熾》を。

地上から。

消した。


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