8月21日 墓参り
私は、胸に手を当てながらゆっくりと目をつぶった。「お母さん、元気?」。私は、心の中でつぶやくがお母さんからの返事はない。お母さんがいなくなってから、だんだんひねくれてきたのでなないのだろうか?もっと、ちゃんと頑張らないとな。私は、今の自分に満足することはなかった。"もしかして、娘さん?"。背後から声が聞こえてきたのがわかった。私は、ゆっくり振り返る。そこには、20代くらいの女性が立っていた。
私 「どちら様ですか?」
女性「はじめまして、私は満島茉歩といいます」
私 「はじめまして。私は、ここのお墓の娘の子です」
女性「やっぱり、そっかぁ。なんか似てるなと思ってたんです」
この人は、何者なのだろうか?
私 「満島さんは、母と知り合いですか?
女性「はい。私はお母さんと同じ職場の人間でした」
私 「あっ、そうだったんですね」
女性「そうなんですよ。お母様には、私が入社したころからよくしてもらってて」
まさか、お母さんがこんな人から慕われていたなんて。想像ができないわけじゃないんだけど。
私 「お母さんって、職場ではどんな人だったんですか?」
女性「優しさと強さを重ねた人ですかね」
私 「そうだったんですね」
お母さんが亡くなってから、できるだけ考えないようにしていた。私にとってお母さんのことを想うということは、それだけの強さが必要だった。私は、微かな息を吐き、墓前の花を整えながら話をした。
女性「私は、ずっとお母様が目標だったんですよ」
私 「目標?」
女性は、少し墓に近づき話し始めた。
女性「はい。お母様は、私が1年目の時から上司だったんです。子育てをしながら、勉強もして働かれている姿がとってもかっこよかったんです。いつか、私もああなりたいなと思ってたんです」
今まで、お母さんが褒められるということをされたことがなかったから今の自分がどのような感情かわからなかった。
私 「今まで、お母さんと仕事の話をしたことがなかったので初めて知りました」
どうせなら、、、、、、、、、、、、。もっと速く知りたかった。お母さんが生きているうちに。
女性「お母さんともっと話をしたかったのかな?」
私 「まぁ、そうですね」
女性「私は、お母様に会えて本当に幸せでした。これからも、お母様と一緒に生きていきますよ」
堂々と胸をはって、私の方を見つめた。




