2019/12/07『漫画』『伝説』『黒』
堕天使的なヒーローの話、なんていうのを聞いた。
彼女曰く、そういう話が増えてきているらしい。
「まあ、無意識にそんな話を書いちゃうぐらいだからね、それだけ私たちの間に浸透してるってことだよ」
ねえ? と言って笑いかけてくるのは、高校時代の友達。彼女は、進学先に小説の執筆専門のコースがある大学を選ぶほど、小説を書くことが好きだった。
「……確かに。ところで、どんな話を書いたの?」
「え? そのうち小説投稿サイトにあげるつもりだから待っててよ。……うーん、でも、優にならいっか。教えてあげる」
そう言って、彼女は得意げな顔をする。
「とある架空の街に、困っている人を助ける、良き天使の伝説があるの。でも、その天使は黒い羽を持っていて、身に付ける服も真っ黒。だから、本物の天使には『穢れた天使』なんて呼ばれてしまう……そんな『黒翼の天使』が出てくるお話を書いたんだ」
彼女が語ったのは、黒い翼を持つ天使の物語。禁忌を犯し、人に恋してしまった天使の心を受け継ぐ、心優しき人のことだった。
「面白そうだね」
「でしょう?」
「うん。ねえ、この小説が投稿されたら、漫画にしてあげるよ」
「本当に? ありがとう!」
結局、自分も彼女とあまり変わらない。
あまりに漫画を描くのが大好きで、毎年漫画などの学内コンテストがある大学に入ったのだから。
語り部の優が男か女かは、ご想像にお任せします。
また、優の高校時代の友人が語った『黒翼の天使』の話は、実際に私が執筆したものから借りてきました。まだ投稿はしていませんが、執筆と改稿ができ次第、投稿する予定です。起承転結の起だけは書き終えているので、なるべく早く載せたいです。




