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はながさく 2  作者: 92コ


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アロエ

以前投稿した『はながさく』の五年後を描いてみました。

なつは、お母さんになりました。

愛は、記憶が甦ったのでしょうか?

「ジュンジさぁん。味見してくださいな。」となつは、アロエゼリーをテレビの前のジュンジに持って来た。

「この間は、寒天で作ったけれどどちらがいいかしら?」と質問をした。

「この間の寒天は、もうないの?あれば、食べ比べたいから出してくれる?」

「あら、そうね。その方が良いわね。」とキッチンに戻って行った。


 なつと愛が移住して間もなく五年になる。なつは、ジュンジと結婚して一歳半の娘との三人暮らしをしている。

以前、愛と暮らしていた家は、愛が一人暮らしをしているが、スイーツ工房になってなつは、毎日娘を連れて通っている。

今やスイーツ工房は、クッキーなど焼き菓子を作り、横浜まで出荷する程になった。


 2つ見比べたジュンジは、まず、

「ゼリーの方が透明感あって夏らしいね。寒天って聞くと和菓子のイメージだけど、透明のアロエとオレンジの黄色で夏出されても違和感ないかな。食感は、ぼくは、ゼリーの方が好きだな。」と味わいながらコメントをくれた。なつの作るスイーツは、ほぼ全部味見しているし、コメントも丁寧だった。

「キッチンカーにも乗せるの?『アセロラ』は、どうするの?」と今度は、ジュンジからの質問が来た。


 子供の頃の記憶があまり鮮明ではない愛の親戚が、横浜で『アセロラ』というスイーツのお店を経営している。そこへは、クッキーをはじめ多種多様の品を運んでいる。その運び役は、ドライバーの渡辺。

「移住民同士、頑張ろうな。毎日は、行かれないが、おれが引き受けるよ。」と始めてくれた。

店舗の『アセロラ』では、『花野村クッキー』と書かれて小さな話題になり、時々『品切れ』となる程だった。


 なつは、娘を抱き上げながら、

「そうね。まずキッチンカーにお願いして扱ってもらおうかしらね。愛ちゃんもその方が、食べた人の感想すぐ聞こえるからと言うのよ。」


 結局、翌月は、透明感のあるゼリーにアロエとぶどうを入れて涼しげなスイーツをキッチンカーに乗せた。セロハンの袋にスプーンも一緒にパッケージする事で煩わしさを減らした。そして今もコロッケサンドイッチが人気のキッチンカーだった。

隣街の子供会や自治会のイベントに出掛けたり、図書館の写真展にも出向いて行く。

今では、村役場職員の立派な職務となり、村の大きな収入源だった。


 ある日、村をベビーカーを押しながらなつが歩いていると、

「なつさん。今度は、アロエスイーツだって?」と声をかけられた。

「うちの庭にモンスターのようになったアロエあるけんど、見てくれるかな。」と見せられたが、

「ごめんなさいね。アロエベラなら、いだくのですが。」と断わる事が増えた。

「アロエとアロエベラは、どう違うん?」

「アロエは、基本的に冬も外て平気ですが、アロエベラは、ダメなんです。寒さに弱いんですよ。また形も違うんです。タコさんが逆さまに足を広げた感じなんです。」というなつの説明で素早く理解する人は、少ない。

 なつが改めてモンスターアロエを見ると下の方に可愛い小さな芽が、出ている。

「アロエは、『医者いらず』って言いますね。この小さい芽を取って、鉢に植えたら可愛い感じで育つんじゃないかしら。」と提案してみた。更に

「胃腸の調子を整えたり、便秘解消効果があるそうです。便秘解消したら、お顔のお肌もいい感じになりますよね。」

すると

「そうね。子が沢山あるから、植え替えて売りに出そうかしらね。」と思い付いたように言い出した。

お読み頂きありがとうございました。

シェアして頂けると嬉しいです。

あなたは、「アロエベラ」を食べた事ありますか?

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