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この連載作品は未完結のまま約2ヶ月以上の間、更新されていません。

ヒロインに負けないくらい可憐なモブ令嬢に転生したのですが、頑張って前世目指していた悲劇のヒロインを目指します。〜第二王子の初恋相手だそうですが、私モブですよね?〜

十歳の頃、初めて異世界の恋愛小説を買った。
その小説は読んでみるととても面白く、泣けたことを覚えている。
初めて出会ったロマンチックな場面もあれば、時にはすれ違い、甘い場面もあり、それに胸を高鳴らせた。
その中でもう一つ面白かった要素がある。

——それは、『悲劇のヒロイン』

 今でもヒロインが言った言葉は覚えている。

『何でみんな、私にばかり意地悪するの?』
『私が可愛くないから? ……そっか、私可愛くないから……』

 などなど、挙げればキリがない。
 無論イライラしたこともその『悲劇のヒロイン』が出てくる場面では絶対ある。だが、全てのヒロインが悲劇を演じている訳ではないと思ったのも事実。だったら、自分がなってみせよう。そう思った。

そして、もう直ぐ、あと少しというところで、車に轢かれた。
浮かれていたのだろう。友達も増えて、人生が上手くいって。
クラスメイトの『——ちゃん!』という声は、鬱陶しい耳鳴りと共に消えた。

これが、自分の前世の物語だ。これって、転生だよね……と思いつつも、ベッドから降りて部屋を見渡す。
目に留まったのは硝子で造られた机の上にある一冊の本だった。

「あれは……?」

 不思議に思いながら、警戒心を放ちながらその本の最初のページを開くと、その本の右側には『王立シュミレーク学園』左側には『クレイア魔法学園』と書いてあり、クレイア魔法学園だけは赤い丸で囲まれている。
だが、気になったのはそれではなく——。

「王立シュミレーク学園って……『私の初恋は貴方だから』の舞台じゃない!」

乙女ゲーム、『私の初恋は貴方だから』
攻略対象者たちと仲を深め、愛を育んでいく乙女ゲームだ。
この本のタイトルは『クララ・エウン・ヘコシーリル』

「これが、今の私の名前……?」

だが、乙女ゲームにそんな名前のキャラはいなかったはず。
なら、考えられることは一つ。

(私は、モブキャラ……?)

とても都合の良いキャラに転生した。そう思い頬が緩む。

(だって、ヒロイン自体に転生したら、つまんないじゃない?)

自分に問い掛けながら、クララは自らの胸元で手を絡める。

(モブから『悲劇のヒロイン』に、成り上がってみせる!)
一章 モブに転生ね、都合が良いわ
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