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Across The Universe

「韋駄天に関して言えば自らの意思で実験によってマッハ人間になったマッドサイエンティストということはわかるんだがアマテラスに関していえばどうしてあの女は太陽人間になったんだ?」


 かつて俺は超総研の研究所で丘学人にたずねたものだった。丘学人はおよそヘアメイクという概念が欠落したそのモジャモジャ頭を掻きながら答えた。


「ここから語ることはあくまで仮説だが」

 

 丘学人は眼鏡を指先で上げながら語る。 


「いわゆるマルチバース。多元宇宙論というのを聞いたことがないだろうか?」


「さあな。無学な俺にはよくわからない」


 丘学人は目の前にあるホワイトボードにひとつの小さな円を描く。そして、その円の周囲にさらに大きな円を描いてみせる。


「この小さな円が我々の住む地球、そしてこの周りの大きな円が我々の宇宙だとする」


 丘学人はさらにこの小さな円を囲む大きな円の図をホワイトボードにさらにいくつも描いて見せる。


「実はこの宇宙は我々の宇宙だけでなくいくつもあるとしたら?つまりもうひとつの地球、もうひとつの太陽、もうひとつの宇宙がいくつもある。これを仮説だが多元宇宙論という」


「何だか話が壮大過ぎて理解が追いつかないな」


「無理もないよ。まあ、あくまで仮説だけどね。話を戻そう。アマテラスこと天野照美の母親である天野裕美は宇宙飛行士として国際宇宙ステーションで作業中に突如として消えた」

 

「消えた?」

  

「ああ、彼女のシグナルが1時間ほどに完全にロストしたことはステーションの記録に残っている。彼女が言うに気づくと目の前にあった巨大なステーションの姿は忽然と姿を消した。彼女いわく別の空間に飛ばされたのではないかと」


「飛ばされた?どうやって?」


「ここからも仮定で話すほかないがいわゆるワームホールが開き彼女は別の宇宙に飛ばされたのではないかと」


「ワームホール?」  


「異なる並行宇宙をつなぐトンネルのようなものだよ。どういう原理で発生するのかはわからない。彼女が言うにはそのワームホールがまたも開き元のステーションがあった宇宙空間に戻されたのだとか」

  

「それがどうして太陽人間につながるんだ?」


「仮定の話ばかりで申し訳ないがこのワームホールを通過する際に人体に突然変異が起きたのではないかと思われる。地球に帰還後に自ら身体の内側から炎が起こるようになったことに気づいた。この時、彼女は結婚していて夫がいた。地球に帰還後に身ごもり生まれたのがアマテラスつまり天野照美というわけだ」       


「母親の能力が娘にも受け継がれたってわけか?」


「察しが良いね。その通りだ。天野裕美は研究対象になり研究には韋駄天こと麻堂冴子の父上である麻堂冴人博士が主任だった。だが実験中に天野裕美は自らの能力を制御出来ず肉体が崩壊し大爆発を起こした。この事故により天野裕美、麻堂冴人その他の研究員は死亡した。その場に居合わせた娘の天野照美以外はね。彼女は母親と同じ能力を有していた為に爆発の高熱に耐えることが出来たんだ」


「何だか壮絶な半生だな」


「先ほどのワームホールの件だが実は力人くん、君にも関係するかもしれないんだ」


「俺に?」


「ああ、これも仮定の話にもなってしまうんだが君は平行宇宙のもうひとつの地球からワームホールを通ってこちらにやってきたのではないかと。その時にワームホールを通過する際に突然変異により無敵の力を手にしたのかもしれない。あくまで仮説にすぎないけどね」


 話が長くなったな。というわけで俺はお姫様ことアマテラスを抱き抱えながら上空を飛翔し上昇し続けている。


「飛んで!」とあの時、韋駄天は叫んだ。俺はその通りにアマテラスを抱きかかえたまま高速で上空で飛翔したのだが。


「離してよ!」


 お姫様ことアマテラスが叫ぶこれは一体どうしたらいいものか。


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