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旅立ち

早朝。朝靄が立ち込める静寂につつまれた道を、一台の馬車が走っていた。そこには、珍しく多くの人が乗っている。そのなかに、周りからの視線を一身に受ける5.6歳ほどの少女が1人。

活発そうな顔立ちで、白銀の髪をもつ、ルビーのように輝く赤い右目と、反対に夜空に静かに光る星のような銀色の左目が特徴的な少女。

幼いながらも、整っている顔。その顔にうかぶ大輪の花のような明るく愛らしい笑顔。美しい瞳と、珍しいオッドアイ。聖属性魔法に適正がある証拠でもある、銀色の瞳と、緩く波打つ白銀の髪。その全てが少女が注目を集める原因となり得る。

だが、今は、確実に、そのどれでもないだろう。原因はどうみても、少女の奇行だ。


「お、お前!なにやってんだ!?」

「えぇ!?ここで!?」

「いやいやいやいや!おかしいだろ!!」

「え、かみぃ!?なんで!」


馬車の中は、外の静寂が嘘のように大人たちの大声が飛び交っている。

そう、少女は、馬車の中で髪を切っているのだ。


「いやなんでだよ!」




「ふぅ。あれ。皆さん、どうしたんですか?」

「お前のせいだよ!」


髪を切り終わってさっぱりしたら、なぜか一緒に馬車に乗って人たちがゼーハーしてた。それできいたら、かすれた声で怒鳴られた。皆さん、息ピッタリですね~。


「そ、それより、ゼーハー、なんで、ゴホッ、髪、切ってんだよ。あー、喉痛てぇ」


この馬車の護衛してる人が聞いてきた。馬車の護衛は基本的に冒険者の仕事。つまり、数日後には私の先輩さんだ。名前はガイセルさんというらしい。焼けた肌に焦げ茶色の髪と目のいかにも冒険者って感じの男の人。


「あー。これですか」

そう言って私は、切った髪が入った袋を持ち上げる。

「ほんとは、昨日切ってくる予定だったんですけど、忘れてて。ここで切ることにしたんです」

「どうすればそういう結論になるんだ!?」

「えー、ここでは馬車で髪を切るのが常識だってきいたんだけど」

「んな常識初めて聞いたわ!」


えー、じゃあ、あのクソじじい騙したのか。帰ったらボコらなきゃね★


「お前、顔顔!表情消えてるって!」

「あ、ごめんごめん」


「はあ。で?馬車乗るなり髪切りだしたお嬢ちゃんは、どこに行くんだ?」

ガイセルさんが何かを諦めた表情で聞いてきた。

それはおいといて、待ってましたその話題!

「私、エスペラン王国の王都にある冒険者ギルドに行って、冒険者になりたいんです!」

そう言うと、ガイセルさんは少し驚いた顔をした。

「へー。こんなちっこいのにすごいな。てことは、6歳か?」

「あと5日で6歳になります!5日間は観光しようと思ってます」

「へー。よろしくな。そういや、お前名前なんていうんだ」

「あ、私、アイナ・シルバーンっていいます。よろしくお願いします」

名前いうのすっかりわすれてた。


「アイナか。とりあえずお前、その敬語やめろ」

「え?なんでですか?」

「エスペランの冒険者はいろんなことを教えあってて、みんな家族や友達みたいなもんなんだ。だから冒険者になるんなら冒険者相手に敬語はやんなくていいぞ」

「へー。そうなんだ。じゃあやめよーっと」

もともとガラじゃなかったしね。

「あぁ。それがいい」

そう言って、ガイセルはニカッと笑った。

笑うと意外と可愛いな。そういえばガイセルって何歳なんだろう?

「ねぇ、ガイ「キャー!」…え?」

私がガイセルに声をかけようとすると、耳をつんざくような悲鳴が辺りに響きわたった。

馬車が止まる。すぐにガイセルが外に出た。少し遅れて私も外に出る。

一番最初に視界に入ったのは、“輝く漆黒”

そこにいたのは、体長8メートルはありそうな黒いゾウ。“ダークエレファント”だった。


説明しよう。ダークエレファントとは、初級~最上級あるなかで中級の上位または上級の下位の邪獣である。 その名のとおり、黒いゾウである。


「みんな、早く逃げて!」

「むむ!?あんなところに天使が!」

ダークエレファントの下から声が聞こえて見てみると、その下に14歳くらいの天使がいた。ガイセルと同じ焦げ茶色の髪のミディアムヘアの美少女。可愛い。

「アリス!?」

「え!ガイセル知ってるの?」

「俺の娘だ!」

そういいながら、ガイセルは走っていった。

「娘!?」

あのガイセルからどうすればあんな天使が生まれるんだ!?

って、そんなこと言ってないで、早く私もいかなきゃ!



ダークエレファントは鼻がすごい厄介。防御力は高い方。純粋に力がすごい。あと踏まれたらただの人間は単純に終わる。

ガイセルとアリスちゃんは防戦一方って感じだ。


~ダークエレファントの倒しかた~

水と風の魔法で絶対零度の風をつくります(オリジナル魔法)

水の魔法で絶対零度の氷の柱をつくります(オリジナル魔法)

氷の柱の周りに絶対零度の風をまとわせます(オリジナル魔法)

これをダークエレファントにぶっさします


「いっくよー!」

そう言って、横に絶対零度の柱を浮かせる。

「はっ!?おまっ、ちょっ、なんだそれ!」

ガイセルがなんか言ってるけどきにしない。柱をおもいっきりぶっ飛ばす!“ピキピキピキ”という音をたてて周りを凍らせながら、柱がぶっ飛んでいく。“グジャーピギャ”とかいうよくわかんない音をさせながら柱はダークエレファントにぶっささり、ダークエレファントは“ドーン”と低い音をたてながらそこに倒れた。







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