↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂の交響曲(ソウル・シンフォニー)  作者: Bùi Trung


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/6

第1章:雨に砕け散った夢

氷の針のように冷たい酸性雨が、スラム街メガ7に容赦なく降り注いでいた。現在の地球は、もはや過去の美しく緑豊かな惑星ではない。物語は、変異モンスターたちに占領された荒廃しきった世界から幕を開ける。十一年前、奇妙な隕石群が地球に降り注ぎ、その一年後、これらの異様な怪物たちが地球上の至る所に現れたのだ。怪物たちは、地球の在来生物が隕石の謎めいた影響を受けた結果だと考えられている。奴らは人類を襲撃し、今なお「セクター」と呼ばれる集中避難居住区へと人類を追い詰め、孤立させていった。

スラム街の頼りなく明滅する電灯の下、レイ=Tは微動だにせず立ち尽くしていた。雨水が彼の彫りの深い青白い顔を伝い、びしょ濡れの黒髪をすり抜け、手の中でくしゃくしゃに握り潰された通知書へと滴り落ちる。

「不合格」の三文字が、残酷な嘲笑のように浮かんでいた。防衛戦隊への入隊は、今の彼にとって叶わぬ夢となってしまった。過酷極まりない体格や健康状態の基準は、彼のように貧しいスラム街で育った小柄な者にとってあまりにも巨大な壁だったのだ――彼はヴァンガード軍への入隊を志願したが、たった今、落とされたばかりだった。

レイ=Tは口端を歪めて苦笑し、琥珀色の瞳を上げて漆黒の空を見つめた。ずっと昔から、彼はヴァンガード――怪物に抗う人類の「最後の防衛線」とみなされる戦隊――に入ることを夢見てきた。そこに行けば、弱い人々をその手で守り抜くための十分な資源と力を得られるはずだったからだ。その燃えるような渇望は虚栄心からではなく、毎晩彼を苛む悪夢から生まれていた。彼はかつて、自分の暮らすスラム街の住民たちが血に飢えた怪物に襲われる光景をその目で見た。だが、ヴァンガードは救援部隊を一切送らなかった。連中はただエネルギーシールドの後ろに冷酷に立ち尽くし、民間人が八つ裂きにされるのを放置したのだ。すべてはセクター1の資源輸送車両と高官たちの退路を確保するためだけに。だからこそ彼はヴァンガードに入り、自らの手で資源と力を奪い取り、世界の指導者層に見捨てられた弱き人々を守りたかったのだ。

「結局……俺は声すら届かない、ただのドブネズミってわけか」

レイ=Tは低く呟き、喉の奥に苦い塊を飲み込んだ。

彼は擦り切れたコートの襟を高く立てると、踵を返して雨の幕の中を歩き出し、この残酷な世界で唯一彼を迎え入れてくれる場所――「星明かりの家」へと向かった。

スラム街メガ7の奥深くへと続く細い路地は、黒い泥と白い泡を立てる酸性雨で溢れ返っていた。レイ=Tの足取りは鉛を引きずるように重い。びしょ濡れのコートの下では、十八歳の少年の痩せぎすながらも引き締まった肉体の筋繊維が、激痛に引き攣っていた。

脇腹に広がる大きな青あざと、口端から滲む血の筋だけが、ヴァンガードの実戦選考試験から彼が持ち帰った唯一の「報酬」だった。名目上は公平な試験だが、その実態は金持ち連中の残酷な見世物にすぎない。中央セクター出身の受験者たちが筋肉増強血清を打ち、最新鋭のパワード外骨格を装着して闘技場に上がる一方で、スクラップ置き場で育った彼のようなガキには、素手と空っぽの胃袋しかなかった。彼は必死に身を固めて三ラウンドを耐え抜き、胸板に真っ直ぐ叩き込まれる装甲拳の連打を歯を食いしばって受け止めたが、最後には「出力基準未達」というたった一言でリストからあっさりと弾き出されたのだ。

孤児院「星明かりの家」の今にも壊れそうな木の扉の前で、レイ=Tは一拍足を止めた。凍えきった手の甲で口端の乾いた血痕を綺麗に拭い去り、カビ臭い空気を深く吸い込むと、扉を押して中へ入る前に、できる限り自然な笑顔を無理やり作り上げた。

錆びついた蝶番がギィと軋む音を立て、外の穴だらけのトタン屋根を狂ったように叩く酸性雨の音を遮断する。中の空間は狭く薄暗かったが、廃棄石炭を燃やす暖炉の揺らめく炎のおかげで外よりは温かかった。安物の消毒薬の匂いと、煮崩れたジャガイモの青臭い匂いが混ざり合って真っ直ぐに鼻を突く。

「レイ=T兄ちゃんが帰ってきた!」

部屋の隅で破れた靴を繕っていた痩せっぽちの子ども二人が、小さく歓声を上げた。炉端では、真っ白な髪と長年の労苦で背中の曲がった老院長――シスター・マーサが、大きな鍋のスープを黙々とかき混ぜていた。彼女は白く濁った瞳を上げて彼を見た。レイ=Tのわずかに足を引きずる歩き方、コートの肩口に入った真新しい裂け目、そして腫れ上がった両手を一目見ただけで、彼女は一言も尋ねることなく今日の選考試験の結果をすべて悟った。

「中に入って乾いた服に着替えなさい。雨水が体に染み込んだら、また病気になってしまうよ」

シスター・マーサは優しく言った。しゃがれた声だが、温かみに満ちている。彼女は鉄のお玉を握ると、鍋の底にわずかに残った形のある貴重なジャガイモをすべて掬い上げるためにわざと深く押し込み、欠けた陶器の器に盛って共同の木のテーブルに置いた。「温かいうちに食べなさい。あんたの分だよ」

「ありがとう、シスター。今日は……中央地区で装甲車の渋滞に巻き込まれちゃって、ちょっと遅くなったんだ」

レイ=Tはへらりと笑い、不器用な嘘をついた。

彼は椅子に腰を下ろし、シスター・マーサが乾いたタオルを取りに背を向けた隙を狙って、素早くスプーンを使い、自分の器にあるジャガイモの半分以上を、隣に並ぶ子どもたちの水っぽいスープばかりの器へと分け与えた。

「レイ=T兄ちゃん、あたしの分も……」

壁際に寄せられた錆びだらけの鉄製ベッドから、か細く弱々しい声が響いた。孤児院で一番幼い七歳の少女、リナだった。昨日の午後、パンと交換するための銅線をスラム街外れの排水溝近くで拾っていたとき、彼女は砕けた鉄格子から飛び出してきた大人の太ももほどもある「ミアズマ変異ネズミ」に不意を突かれ、ふくらはぎにガブリと噛みつかれたのだ。スラム街の保安フェンスはヴァンガードによって何年も修繕されないまま放置されており、低級の瘴気に感染した齧歯類が時折地下の下水道を通って獲物を狩りに入り込んでいた。近くにいた鉱夫たちが松明の火で凶獣を追い払い、シスター・マーサが即座に消毒用アルコールで噛み傷を洗い流したものの、昨夜から今までリナは身を焦がすような高熱にうなされ、唇は白く乾いてひび割れていた。

レイ=Tは残った自分のスープ皿を手に持ち、足早に歩み寄ってベッドの端に腰を下ろした。彼は温かいスープをひと匙ずつ根気よく吹いて冷まし、少女の口へと運んでやる。リナは苦しそうに少しずつ飲み込みながらも、大きな丸い瞳を懸命に見開いて、傷だらけの兄の顔を見つめた。少女の小さく熱っぽい両手が伸び、彼の腰に差された古びた革の鞘――レイ=Tが廃棄された装甲車の外殻片を何十晩も徹夜して研ぎ上げた、自作の短剣が収められている場所――にそっと触れた。

「ねえ、レイ=T兄ちゃん……」リナはかすれた声で呟き、痩せ細った小指を彼のタコだらけの指に絡めた。「お兄ちゃんのナイフ、まだ怪物を斬れないの? いつになったらヴァンガードのピカピカの鉄の鎧を着て、あたしたちを迎えに来てくれるの……? 約束してくれたみたいに、毒の雨が降らない空を見に連れて行ってくれるんでしょ?」

スプーンを持つレイ=Tの手が空中でピタリと止まった。凍てつくような冷気が彼の胸を締め付け、午後の選考試験の闘技場で浴びた拳よりも何万倍も激しい痛みが走る。彼は欠けた器に視線を落とし、それから腐りかけた窓の隙間へと目を向けた――その向こうでは、世界に見捨てられた人々の運命を今なお漆黒の霧が取り囲んでいる。

「もうすぐだよ、リナ」レイ=Tはスープの器を置き、震える小さな手をぎゅっと握りしめた。その声は低く落ちていたが、冷えた鋼のように力強かった。「兄ちゃんは絶対に強くなる。もう二度と、どんな怪物にもお前たちには指一本触れさせないからな」

だが、その約束の言葉が終わった直後、リナの小さな体が突然ピンと硬直した。

ゴホッ……ゴホッ!

少女は激しく痙攣し、薄い毛布が蹴り飛ばされた。リナの小さな口端から、どろりとした真っ黒な血が突然溢れ出し、レイ=Tの服の裾をぐっしょりと濡らした。ミアズマ毒ガス特有の、腐った硫黄のような悪臭が立ち昇る。高くまくり上げられたズボンの裾の下、ふくらはぎの腫れ上がった歯形から、黒い血管がまるで生きているミミズのようにボコボコと浮き上がり、恐ろしい速度でのたうち回りながら少女の首筋まで一気に這い上がっていく。

「リナ! シスター・マーサ、助けてくれ!」

レイ=Tはパニックに陥って叫び、少女が自分の舌を噛まないよう両手でその肩を強く押さえつけた。

シスター・マーサは手にしていたタオルを取り落とし、駆け寄ってベッドの傍らに崩れ落ちるように跪いた。リナの首の血管にまで深く食い込んでいくどす黒い筋を見た瞬間、老院長の顔から血の気が完全に失せた。

「怪物のネズミの牙から入ったミアズマ毒が、骨の髄まで回ってしまったんだね……」シスター・マーサの目は真っ赤に充血し、その声は極限の無力感に震えて砕けた。「今日の午後、あんたが帰ってくる前に、この子を背負って中央地区の医療ステーションまで行って頼み込んだんだよ。だけど、あそこの医者たちは診察を拒否した。スラムの住民で軍事貢献ポイントがない者には、解毒血清は支給できないってね……連中は私を追い返してこう言ったよ。怪物の唾液から直接入ったこんな毒には、普通の薬なんかまるで役に立たない。ただ一つ……ミアズマエネルギーを吸収する力を持つ薬草、『血草(ブラッドグラス)』さえあれば話は別だが、って……」

「なら、俺が買いに行ってくる!」レイ=Tは言葉を遮り、目を血走らせ、爪が肉に深く食い込むほど拳を握りしめた。「研究所に血を売り渡してでも、このメガ7の地下闇市をひっくり返してでも、絶対に手に入れて持って帰ってくる!」

シスター・マーサは絶望に首を振り、深い皺の刻まれた顔に熱い涙が幾筋も伝い落ちた。彼女は震える少年の腕を掴んだ。

「どこにも売ってなんかないよ! あれはね、私たちみたいな人間には一生手が届かない代物なんだ、栽培することもできない。瘴気の濃度が一番高い場所にしか生えないんだよ……『禁域』の外縁部の、そのまた奥深くにしかね……」

レイ=Tの心臓が止まったかのようだった。禁域。その名を聞いただけで、最も熟練した傭兵ですら震え上がる場所だ。

レイ=Tは虫の息になっているリナを見た。薬がなければ、この子は日が昇る前に死んでしまう。彼はかつて自分が立てた誓いを思い出した。もう二度と、自分の目の前で誰一人死なせはしないと誓ったあの日を。彼には力もなければ、特権もない。だが、この命だけは残っている。

彼は部屋の隅へと歩み寄り、古びた戦術バックパックを引きずり出すと、その中にロープの束と懐中電灯を詰め込み、泥まみれのブーツに自作の短剣を差し込んだ。

「レイ=T! 何をする気だい!?」

シスター・マーサは慌てて手を伸ばし、彼の服の裾を強く掴んだ。

「血草を持って帰ってくるよ。約束する!」

レイ=Tは揺るぎない笑みを浮かべた。彼はシスターの手をそっとほどき、きっぱりと背を向けて暗闇の夜へと踏み出した。

彼はこの時まだ知る由もなかった。人を救う薬を探すために命を賭けたこの決断こそが、彼を怪物の本拠地である「禁域」へと迷い込ませる理由になろうとは。そして、この悪名高き死の領域で、運命の歯車が回り始めようとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。