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『最弱モンスターに転生した俺、トーナメントで強敵を喰い続けたらいつの間にか王になっていた』  作者: パーカー


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12/23

満身創痍の最終戦

読んでいただきありがとうございます。

第12話は、

予選最終戦=限界を超える回です。

ここまで積み上げてきた戦いのツケが、

一気に主人公へ押し寄せます。

勝つために、

「越えてはいけない一線」に

自ら踏み込む展開になっています。

それでは、第12話をお楽しみください。

闘技場に立った瞬間、わかった。

――もう、余力はない。

体が重い。

魔力の流れが、ぎこちない。

核の奥が、ひび割れているような感覚。

(……これが、限界か)

予選最終戦。

ここで勝てば、本戦。

負ければ、すべて終わり。

逃げ道は、もう存在しない。

上空に表示が浮かぶ。

最終予選

ヴォルグ vs 深層魔獣グラード

相手が現れた瞬間、

観客席がざわめいた。

四足の獣。

全身を覆う黒い装甲。

口の奥に、禍々しい光。

(……でかい。硬い。強い)

一目でわかる。

今までの相手とは、段違いだ。

鐘が鳴る。

同時に、グラードが咆哮した。

衝撃波。

闘技場の床が、波打つ。

「――ぐっ!」

体が弾かれ、転がる。

(まともにやったら、即死だ)

俺は即座に体を薄く広げ、

衝撃を逃がす。

だが――

遅い。

体が、言うことをきかない。

グラードの爪が、振り下ろされる。

避けきれない。

(……っ)

直撃。

防御力が、砕かれる感覚。

HPが、一気に削られる。

《やばいぞ》

《もう限界だ》

《次はない》

観客の声が、遠い。

(まだだ……)

俺は、立ち上がる。

だが、捕食を仕掛ける余裕がない。

絡みつく前に、吹き飛ばされる。

力も、速度も、耐久も――

すべてが足りない。

(……詰み、か?)

その瞬間。

脳内に、警告が響いた。

《警告》

《捕食核に過剰負荷》

《これ以上の出力は――》

「……うるさい」

俺は、遮った。

ここで止まるくらいなら。

「壊れる方が、マシだ」

核の奥へ、意識を沈める。

今まで、無意識に避けていた領域。

触れれば戻れないと、理解していた場所。

――限界の向こう側。

魔力を、強引に引きずり出す。

体が、悲鳴を上げる。

核が、軋む。

《危険》

《捕食体の構造崩壊率上昇》

「それでも……」

俺は、前へ出る。

グラードが突進してくる。

今までなら、避けていた。

だが――

今回は違う。

俺は、正面から体を拡張した。

「――喰らえ」

ぶつかる。

衝撃。

視界が、白く弾ける。

体の一部が、千切れる。

それでも、

核だけは離さない。

グラードの装甲が、軋む。

「――今だ」

俺は、すべてを投げ打つ。

捕食。

《捕食判定――成功》

《危険領域での強制吸収》

魔力が、暴流のように流れ込む。

脳が、焼ける。

体が、悲鳴を上げる。

(……まだ……)

グラードの抵抗が、弱まる。

最後の力を、振り絞る。

《捕食成功》

《深層魔力を吸収》

轟音。

巨体が、崩れ落ちた。

闘技場が、静まり返る。

次の瞬間。

勝者:ヴォルグ

……立てない。

体が、動かない。

(勝った……のか)

観客の歓声が、遅れて届く。

《突破だ!》

《限界超えだ……!》

《あれは……危険だぞ》

その声の中に、

明確な“恐れ”が混じっていた。

だが――

俺は、笑えなかった。

体の奥で、

何かが壊れた感覚が、はっきりと残っている。

(……代償、か)

視界の端で、

刃殻種・レクスが、黙ってこちらを見ていた。

目が、細くなる。

――理解した、という顔だ。

本戦へ進んだ。

だが、無傷じゃない。

「……それでも」

俺は、闘技場の天井を見上げる。

「王には、近づいた」

最弱から始まった捕食者は、

ついに本戦へ――

だが、その代償は、

これから確実に、牙を剥く。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

予選最終戦、そして本戦進出です。

ただし今回は

完全な勝利ではありません。

・力尽くでの強制捕食

・核への過剰負荷

・明確な“壊れた感覚”

これらはすべて、

本戦以降に影響を及ぼす伏線です。

ヴォルグは王へ一歩近づきましたが、

同時に「戻れない場所」へも踏み込んでしまいました。

次回からは

本戦編が始まり、

この代償が少しずつ姿を現していきます。

感想・評価・ブックマークなどいただけると、

本当に励みになります。

それでは、次話でまたお会いしましょう。

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