19話:金之助は吾輩をまいったさせる猫なのである!
あれからも猫……じゃなくて金之助は吾輩に、虫だの鼠だのをくれるようになった。
その意味をおばはんから聞いたところによれば、金之助なりのお礼と言ったところらしい。
だがしかし、吾輩は鼠も虫も嫌いなのである。毎度、毎度そんなものを持ってこられれば吾輩の心臓が何個あっても足りぬというもの。
もう少し、どうにかならぬものか? そう思うがおばはん曰く、金之助なりの愛情表現らしく諦めろと諭されてしまった。
諦めろと言われても、吾輩も無理なものは無理なのである。それに、金之助と名前をつけた次の日なんぞ、どこから持ってきたのか、生きた蛙を吾輩に差し出してきたのである。
吾輩、蛙もめっぽうダメであるから、驚きすぎて腰を抜かしてしまった。そのせいか、三日間も動けなくなってしまったのである。
金之助は、そんな吾輩に申し訳なくするどころか、どこか誇らしげにほら食え! と言いたげな表情を浮かべ、逃げたぞうとする蛙何度も吾輩の元へ連れてくるのだ。
辞めてくれ! とどれだけお願いしても金之助は辞めてはくれず、吾輩まこと参った、参ったしてしまったのである。
このままでは吾輩は、金之助に殺されてしまうかもしれぬ。そんな気持ちが湧き上がるのだが、しかしおばはんも金之助の味方をするのみで、吾輩を小心者と小馬鹿にしかせぬ。
吾輩が金之助に合わせるべきとまで熱弁されてしまえば、返す言葉がなにも無い。
こういう場合、どうするべきか……。嗚呼、そう言えば、もう少しで金之助のうえっとが無くなる故、ぺっとしょっぷに足を運ぶついでに、あのぽにいているのおなごにこの件を相談してみるとするか。
あのおなごは吾輩なんかよりも、猫に対する知識が豊富故、色々と勉強になるのである。
そして、もっと金之助と仲良くなれるように助力を仰ぎたいのである。




