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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
一章入学・サテラ編
9/49

休み

 太陽の光と鳥たちの鳴き声で今日も聖也は目覚めた。

 いつもどうりの場所で訓練を行い、いい時間になったところで切り上げて家に帰りシャワーに入り汗を洗い流して朝食を食べる。

 そしていつもなら学校へ行くのだが今日は違う、昨日はサテラの家族を助けるために協力してやることにしたクエストが無事クリアした。

 予定としては今日まで続くはずだったが早く終わりその分時間が空いてしまった。

 そして昨日、シャーロット、サテラ、サテラの家族と解散しようとしたら、シャーロットからの提案があった。

「明日時間が空いたからさ三人で祝勝会やろうよ」

 ということになりそれにサテラが同意して二人のキラキラした目が聖也に刺さり断りにくくなり参加することになった。

「はぁー、祝勝会なら夜でいいのになぜ朝から出かけないといけない・・・」

 聖也が参加することを言ったらシャーロットがまるで小学生のような無邪気な様子で提案した。

「それじゃあ明日朝十時アルミド帝国の中央区にある噴水で待ち合わせね」

 とほぼ強制的に決められて、もちろん聖也は夜だけでいいと反対したがサテラもシャーロットの提案に賛成で二対一となりシャーロットの提案になった。

 そんなわけで聖也はわざわざ出たくないアルミド帝国の中央区に足を運んで、外見で言えばシャーロットもサテラも十人中十人が美人と答えるほど周りを魅了する。目立ちたくないといっても必ず目立つだろう。

「はぁー」

 聖也は何回目かわからないため息をついて時計に目をやると九時になっていたので出発した。


「着いた着いた」

 聖也は一番乗りで到着して時計を見れば三十分を過ぎていた。

 聖也はシャーロット達が来るのをあまり人目がつかない所で待っていた。

 すると遠くから肩まで綺麗に伸びていて光沢のある紫色の髪をなびかせながらこちらに近づいてくる女性の姿があった。

「あ!黒鉄くーん」

 そう言って光沢のある紫色の髪を持つ女性ことサテラは聖也に気づき手を振りながら聖也に近づいた、その時聖也が周りからどんな反応を受けていたか全然気づく様子もなく

「おはようございます!黒鉄君」

 その美しく整った顔から放たれた笑顔はとても眩しかっただった。

「ああ、おはようサテラ・・・」

 聖也は周りの視線に変な汗をかきながらも挨拶を返した、さっきまで誰も気づかなかった空間が一瞬で消えた。

「ああなんだ、いつもと違ってその服とても似合っていて可愛いぞ」

 聖也はこの場の空気から逃れるために話を繋ごうとした。

「えっ?えええ!黒鉄君いきなり可愛いなんてそんな」

 サテラは耳まで真っ赤にして顔を両手で隠していた。

「黒鉄君こそかっこいい・・・です」

 サテラは顔を半分隠し恥ずかしながらも言ったそのセリフはまるでブリザードのように聖也の心を凍り付かせ周りは太陽のように燃え上がった。

 当のサテラは何も気づいていないが聖也の心の中は今までにないほど焦っていた。

「せ・い・やー」

 遠くからまた新たな悪魔が近づいてきた。

 身長だけ言えば小学生なのにその体は非常に恵まれており、走るだけで揺れるそれは見たものをくぎ付けにして顔もサテラといい勝負をするくらい美人だ。

 そんな周りを魅了する二人の悪魔が聖也の目の前にそろった。

「おっはよー聖也・・・どうかした?顔色が悪いけど」

 いつもよりテンションが高いシャーロットは聖也にさらに攻撃を仕掛ける。

「・・・なんでもねぇーよ、いくぞ」

 聖也はそう言ってシャーロットとサテラの手を握った。

「ちょっ!いきなり何よ」

「あわわわわ、黒鉄君!?」

 二人が慌てていることを気にしている暇はなくそのまま人気がない所まで移動した。

「こんな人気のない所まで連れてきてどうしたの?」

「はぁ、お前らな俺がヒューマンだってこと忘れてるんじゃないか?」

「あっ、そういえばそうだったわね」

「あっ、じゃねぇーよ!周りにヒューマンだってことばれると今後の俺の生活に大きく響くんだぞ!わかってんのか」

「もう!うるさいわね、私一人のせいじゃないでしょ!ちょっとサテラ」

 そう言ってサテラの方を向くと何やらこちらに背中を向けてぶつぶつ言っている。

「ああ黒鉄君の手が・・・・」

 いきなり手をつかまれて動揺を隠せず自分の世界に入っていた。

「ちょっとサテラってば!」

「ひゃい!」

 耳元でいきなり自分の名前を呼ばれて今まで出したことのない声を出してしまったサテラはようやく自分の世界から抜けた。

「なにぶつぶつ言ってんのよ、話聞いてた?」

「えーとすいません聞いていませんでした」

「だから私だけじゃなくてあんたも同罪って話よ」

「同罪って何ですか!私犯罪を犯した記憶はありませんよ!」

 ここで言い争っても時間の無駄だと判断して聖也は話を進めた。

「いいか、これから何をするかはわからんがくれぐれも目立つ行動はするなよ」

「もうしつこいわね、わかったわよ」

「?わかりました」

 なんのことだかわからないサテラは無視して聖也は今日の予定を聞いた。

「それで今日はこんな朝から何をするんだ」

「何って決まってるでしょ、あそこにあるショッピングモールに行くのよ」

 そうってシャーロットが指を指した場所はこのアルミド帝国中央区最大のショッピングモールだった。

 中は地下三階から五階まであり買いたい物があればここに来れば手に入れられる。

 そして中に入れば見渡す限り人であふれている。

 そんな目立つために行きますというような場所にシャーロットは行くと言った。

「祝勝会だろ何で買い物をしなきゃいけないんだ!」

「あんたにはいつも訓練で言うことを聞いてあげてるんだから、あなたに決める権利はないわよ、行きましょうサテラ」

「ちょっとシャーロットちゃん、待ってくださーい」

 聖也の意見など関係なしにシャーロットとサテラはショッピングモールに向かって言った。

 聖也はシャーロットの言っていることが正く何も言えず二人の後をついて行った。

 中に入った瞬間三人は周りにいた中高生、小学生、カップル、家族など様々な人からの視線を受けた。

 明らかに聖也の前を歩くシャーロットとサテラを見ている、聖也は二人との間の距離を一定以上明けながらついて行ったが、そんなに甘くなっかた。

「黒鉄君、はぐれてしまいますからもっと近くにいてください」

 サテラのその一言で強制的に二人の間に入ることになり、周りからもさっきまで二人に当てられていた視線が一気に聖也の方に向いた。

 聖也はこの二人と歩くということはもう目立たないという道はないと確信してどうせ目立つのであればヒューマンだということをばらさずに堂々といることにした。

(お前らは俺がどうなってもいいのか?)

 心の中でそう思いつつもその後はいろんな店の中に入っては試着などをして買い物をした、そして二人の影響で店の中にはたくさんの人が入ってきていた。

 もちろん聖也は買った荷物を持って二人が終わるまでじっと待っていた。


 時間が一時を過ぎて聖也達は遅めの昼食をとることにした。

「ああ楽し~、最高にいい気分だわ」

「はい、とっても楽しいですね、黒鉄君はどうですか?」

「もう疲れた・・・」

 聖也はここまで疲れるのは訓練の時ぐらいと思っていたが今日は訓練とはまた別の疲れが溜まっていた。

「だらしないわね、男でしょ?」

 そのシャーロットの言葉で聖也は訓練のレベルを上げてやろうと心の中で誓ったのだった。

 シャーロットとサテラはパスタを食べて、聖也はいろいろと迷った結果お金もあんまりかからないハンバーガーを食べた、値段が安い割にはかなりおいしかった。

 そしてそろそろ買い物を再開しようと思い三人は立ち上がった。

「ちょっとそこのお姉さん達」

 いきなり男が話しかけてきた、その周りにも聖也達を囲むようにその男の仲間と思われ連中がいた。

 サテラはシャーロットの後ろに隠れてシャーロットは前に出た。

「一体何の用かしら?」

「な~に、そこの男と離れて俺らとあそぼーって話だ」

 男たちがシャーロットとサテラを見る目は女を求めている醜いゴブリンのようだった。

「嫌よ、そういうわけだから、行くわよ聖也、サテラ」

 そう言ってシャーロットが男達の間を通ろうと歩くとその進路をふさぐように男たちは動いた。

「いいじゃねーか、こんな男より俺の方が絶対に強いし金も持ってる、だから俺たちと遊ぼうぜ」

「いい加減にしなさいよあんた達となん、っ!」

 シャーロットがこの男達のリーダーである奴に反論しようとしたとき、後ろからものすごい力を感じた、振り返るとその力の正体は聖也だった。

「何だ?おいそこの男俺らになんか用か、俺はこのお姉ちゃんたちしか興味がないから出て行け」

「てめぇ俺のことを弱いだと、調子に乗るなよこのクズが」

「何だ?随分強気だな、このお姉ちゃん達の前だからって調子に乗るなよ」

「お前こそ強がるなよ、実力の差は目に見えてるんだからな」

「いうねぇ~、じゃあ!お前からやってやるよ!」

 リーダーが聖也に向かって殴りかかろうとするのを見て他の仲間も聖也に向かってきた。

 男たちは普通の人と比べると確かに強いだろう、そう()()だったら、目の前にいるのはあのディザストレックスの頭を消すほどの化け物だ。

 聖也は男たちの攻撃を一人一人攻撃をよけながら反撃をして全員を一発で意識を奪った。

「さて行くぞお前らこいつらのせいで時間の無駄になっちまったからな」

「まったく、あんたはあんなことを言われなくても普通女性を助けるでしょ」

「あんなこと言われなくてもお前らを助けたぞ」

「えっ・・なんで?」

「女が危険に合ってるのにそれを無視するほど俺はクズじゃない、それにお前らがあんなめに合うと俺が嫌な気分になるからな、ほら行くぞ」

 シャーロットとサテラの心は「ドキドキ」していた、聖也はごく普通に言った言葉だったが言われた側からすればそれは特別だった。

(何よいきなり・・・バカ)

(黒鉄君・・・)

 二人の心はその一言で聖也に向いたのだった。

 その後は買い物を楽しんで日も落ちて暗くなってきたのでそろそろ解散することにした。

「ふぅー疲れた」

「今日は楽しかったこんなに楽しいって思ったのは初めてだわ」

「私一人以外でこういう所来たの初めてで、すごくいい思い出になりました」

「俺はずっと荷物持ちだったな・・・」

 聖也はこんなことをっているが心の奥底ではとても楽しいと思っていた。

 聖也は一人でいる時間が多かったため多数でどこかに遊びに行ったりご飯を食べたり初めてのことばかりだった、とても大切な時間だった。

「ちょっと聖也」

「黒鉄君」

 シャーロットとサテラが少しもじもじとしながら手を背中に隠して聖也を呼んだ。

「なんだ二人とも」

「今日はなんていうか・・・ありがとうこれ今日荷物持ってくれたお礼と私たちを助けてくれたお礼」

「黒鉄君今日はありがとうございました、私はあの男たちが来たときはただ怖くて何もできなかったけど、黒鉄君のおかげで助かりました、本当にありがとうございました」

 二人は手に持っていた紙袋をそれぞれ聖也に渡した。

「何も礼なんていいのに・・・」

「聖也開けてみてよ」

「黒鉄君見てください」

 二人からもらった紙袋を開けると、シャーロットの袋には小さなお守りが入っていて、サテラのは腕につけるミサンガが入っていた。

「・・・ありがとよ、明日からつけていく」

「楽しみにしてるわ」

「はい!楽しみに・・・いけない!もうこんな時間です二人とも速く帰りましょう」

「そうだな、ところでお前ら明日からの訓練は来るか?」

「当たり前でしょ」

「もちろんです」

 二人はとびきりの笑顔で答えた。

「そうか、それじゃあ、また明日」

「うん、じゃね」

「さようなら」

 こうして三人の一日の休日は幕を閉じた。

































































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