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第19話 念願のソレ

挿絵(By みてみん)



「ここらの植物を村に持ち帰って栽培できないのかな?」

「できないそうです、魔力の濃度が高いところでしか育たないらしいです」

「なるほどな、ならここに村でも作るか」

「魔力の濃度が高いところには、強い魔物が集まりやすいので、難しいと聞きました」

「むぅ、ままならぬものよ」


 そんなことを話しつつ俺は具材を確認する。俺はあのあと、毒草を1つ見つけて挟んだ。だから薬草3つに解毒草と毒草が1つずつだ。マシな具材になっただろうか? 今の俺はベジタリアン毒殺バーガーだ。


 勇者で毒使いとか新しすぎる。ハンバーガーに転生した時点で少し珍しいのに。これも女神の思惑通りなのか? いや、女神あいつは3D女神(3Dメガネをまともに使えない女神の略)だしな。予想外なことが好きそうだし、案外楽しく視聴してくれているのかもしれない。


「バーガー様、青猪ブルーボアです」

「よし、射れ。にしても青猪ブルーボア多いな」

「射ました。······そうですね、本来なら青猪ブルーボアは森の奥にしか生息していないはずです、数もこんな短時間で何頭も出会うほど多くないはず。それが村まで来て、さらに100頭以上の群れとなると、はっきり言って異常事態です」

「この森に何かあるのか、もしかして魔王が攻めてきたのか」

「その可能性はありますね。最近、魔王軍は大人しかったのでそろそろ大規模な動きがあってもおかしくありません」

「気は抜けないわけか。ふむ、この森には他にどんな魔物が出るんだ?」

「肉食性の兎、殺人兎キラーラビットや、岩の皮膚を持つ、岩狼ロックウルフなんかです」


 兎も狼も、この森には入ってから一度も見ていない。青猪ブルーボアばかりだ。生態系の変化か? 外来種でも入ったとか? いや青猪ブルーボアはここに元からいた魔物だ。じゃあパワーバランスが崩れたのは何故だ?


「あ! バーガー様、ありました、上薬草です!」


 嬉しそうにアイナは森のひらけた場所を指さす。群生して生えている植物が目に入る。ってあれは。


「レタスじゃねぇかッ!!」


まんまレタスやん! スーパーに置いてある状態のそれやん! いやいや野生のレタスやぞ? もっとこう、どぎつい形しててもええんちゃうの? レア感皆無やないかい!


「レタス? あれは上薬草ですよ! 早く取りましょう! 3玉もあれば村を救えます!」

「って3玉でいいのか?」

「はい、葉っぱ1枚1枚が上薬草です。3玉と言いましたが、高価なものなのでできるだけ持って帰りましょうね! お肉を巻いて食べるととても美味しいそうです!」


 アイナは意気揚々とひらけた場所に出る。

 瑞々しい上薬草レタスが俺の眼前に広がる、早く挟みたい、バーガーとしての俺の本能が叫ぶ。


 そのとき俺とアイナはレタス畑を前に完全に油断していた。


「!?」


 突如鳴り響くは獣の叫び声。俺たちはもっと考えなければならなかった、レタス畑が全く荒らされずに残っていた理由を、青猪ブルーボアが増えていた理由を、集団で村を襲った理由を。


 俺たちが振り向くと、体長5mはある巨大な紫色の猪がそこに立っていた。



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